日本の林業に未来を! 奈良県吉野への旅

暑いですね。
子供の頃は、この夏の暑さが大好きでした。
今はちょっと苦手。毎日ヒーヒー言っております。
ビールが美味しく飲めるのが唯一の救い(笑)。

数日前、奈良県の吉野というところに行ってまいりました。
上市というマイナーな街。でも、私はあそこが大好きです。
子どもの頃、何回か夏休みを吉野で過ごしました。
最後に訪れたのは大学生の時。今回は33年ぶりですか。

懐かしい人々に迎えられ、実に楽しい時間でした。
でも、あのいく夏かに出会った「おばあさん」たちは
もはや帰れぬ世界に生きているのでしょうね。

奈良というところは、独特ののんびり感があります。
関西弁の中でも、ちょっと間延びした感じのアクセント。
私はあの感覚がけっこう好きです。
ふわっとした気分になれますね。

今回、吉野にいたのは1泊2日。
その間、チラとでも子どもを見かけたのは1回だけ。
私の愛した吉野は、老いています。この先、どうなるのでしょう。

私は京都市内に生まれて育ちました。田舎はありません。
あの街は、精神的に東京以上の都会です。
もう30年近く東京に住んでいますが、ここは「田舎者の街」です。
でもまあ、それも悪くありません。
どちらかを選べ、と言われれば東京でしょうね。

どこに住んでもいい、ということなら神戸が大好きです。
その次は横浜でしょうか。住んだことはありませんが。
でも、奈良の吉野も捨てがたいものがあります。
実のところ、もう一度吉野川で泳ぎたかった(笑)。

本来、地元に帰ったら、ドテっとくつろぎたいもの。
もしも吉野が田舎だったらよかったと思いました。
もっとも、あそこで生まれ育ったら人生の風景は違ったでしょう。
でも、田舎がある、というのはいいことだと思います。

そして、日本の田舎は滅びつつあります。
このままでは、10年後20年後に無くなってしまいます。
田舎は、日本人の「ふるさと」です。
むざむざと、滅びるままに任せてよいのでしょうか?

東京は、言ってみれば薄っぺらな街です。
特に、人間の頭の中から誕生した街は薄っぺらです。
都市計画で創られた街は、虚しい風景となります。
それに比べて、何百年にもわたって人々が育んだ街並みは
何層にも積み重ねられた魅力を秘めています。
そんな田舎を、私たちはみすみす衰亡に任せています。
何とかならないのでしょうか?

吉野で起こっていることは、日本のそこかしこで見られるでしょう。
これは由々しき問題です。でも、解決策はありません。
田舎が衰亡して、都会だけが生き残る日本。
そこに大いなる疑問を感じます。

吉野には吉野川というちょっと大きな川が流れています。
今回、はじめてその上流にあるダムまで連れて行ってもらいました。
やや雨が降っていましたが、いい眺めです。
ただ私は写真嫌いなので、画像はありません。

かつて、奈良の吉野は林業で栄えました。
ダム湖の向うに見える山林から、霧がゆらりと立ち昇る景色を
眺めながら、吉野の林業が衰え行く悲しさを考えました。

大和ハウス工業の創業者一族が経営するという
丸太の市場のようなところにも行ってきました。
だだっ広い敷地の中に、置かれている丸太は数えられるほど。
そういった丸太の市場はかつて5カ所あったそうですが
今でも続いているのは2カ所だそうです。
そのひとつも、見渡す限りコンクリートの地肌を見せていました。

吉野だけではなく、日本の林業は死につつあります。
安い輸入材や使い勝手のいい集成材に、競争で勝てないのです。
しかし、あれは貴重な資源だと思います。

考えてみれば、鉄筋コンクリートで作られた
マンションというのは、何とも味気ない住まいですね。
特に、大量生産方式で作られる長谷工型のマンションは
年月を経ると何とも醜悪な風景を構成します。

それに比べて、丁寧に作られた木造の日本家屋は
50年100年の年月を経ても味わいがあります。
何とも心の安らぐ風景や居心地をもたらしてくれます。
それこそ、後世に伝える遺産ではないかと思います。

「和食」というものが世界遺産になったと聞きます。
それなら、日本の「木造住宅」というものも
世界遺産にできないのでしょうか?
あんなに素晴らしいものは滅多にありません。

大工さんが釘や金具を使わずに、鑿(のみ)と鉋(かんな)で木材を組立て
見事な木造建築を仕上げる技術を、後世に残すべきです。
今の大工は鑿や鉋どころか、鋸(のこぎり)さえ使えません。
「そんなの、俺でもできるぜ」の世界。ちょっと悲しいですね。

日本の農業には「和食」という素晴らしい可能性が広がっています。
林業にも「木造建築」という、可能性に満ちた未来が
あってしかるべきではないでしょうか。
そんなことを考えた奈良県吉野への旅でした。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
今回、文京区の2タイトルを最新情報化。
茗荷谷エリアに新しい物件がいくつか出てきていますね。
しかし、価格も高くなりました。危険な臭いもします。
バブル崩壊も迫っている気配を感じます。
みなさんも「高値掴み」をなさらないように気を付けてください。

文京区・総集編
価格 4,290

■ザ・パークハウス 文京江戸川橋、■Brillia(ブリリア)文京江戸川橋、■クレヴィア文京本駒込、■ブランズ文京護国寺、■ブランズ六義園アヴェニュー、■リビオ文京茗荷谷、■クレヴィア文京小石川、■ザ・パークハウス 小日向、■インペリアルガーデンTHE IMPERIAL GARDEN LIMITED RESIDEN、■ディアナコート千石丸山町、■ベレッサ文京千石、■オープンレジデンシア文京本駒込

小石川・茗荷谷
価格 2,390

■ザ・パークハウス 文京江戸川橋、■クレヴィア文京小石川、■ザ・パークハウス 小日向、■THE IMPERIAL GARDEN LIMITED RESIDEN(インペリアルガーデン)、■リビオ文京茗荷谷、■ベレッサ文京千石

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2015/7/25 11:23 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

山陰なんて30年は行っていませんね。
なつかしい。
なかなか風雅ではありませんか。
でも、暑いでしょうね。
気を付けていってきてください。

きっと衰退する地方都市に嘆かれるでしょうね。
また、いろいろお聞かせください。

いただいた記事のコピーを興味深く読ませていただいています。

ごきげんよう。 榊淳司

2015/07/25 20:56 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

忙中閑有。奈良・吉野へ33年ぶりに。でしたか。
33年前といえば昭和ですからね。感慨もひとしおだったかと。

ご指摘の通り、遡れば明治維新まで、そして敗戦後の七〇年。
わが国は近代化を国是に、挙国一致、がむしゃらに生きてきました。
その是非はともかく、喪ったものの、なんと大きかったことか。

「ひとは喪ってみて初めて、その大切さに気づく」
と言いますが、無言で、うなづくだけです。
もう一度、取り戻せる日が来るのでしょうか?

さて。
私も来月、お盆休みを避けますが、ひとり小旅行を。
目指すは山陰です。帰途、大阪に立ち寄ろうかと。
暑いけど半袖半ズボンの気楽さが、よかとですね。

夏は、思い出をつくる季節でもあります。

ごきげんよう。

2015/07/25 20:10 | by まろたん

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