ブリリアタワーズ目黒の引渡しは2年超先ですよ!

最近、つくづく驚くのは「買う人がいるのだなあ」ということ。
山手線の内側では、今もマンションの価格が上がり続けています。
それでも、買う人がいるのです。だから、取引が成立しています。
きちんと市場価格が形成されているのです。

誰が、なぜ、あのバカ高いマンションたちを買っているのでしょう?
それはもう、バブルに浮かされた熱とした言いようがありません。
確かに、これからも上がり続けます。下がり始めるまでは。
来年以降に出てくるマンションの事業用地が今買われていますが、
それはもう「本当ですか?」と疑いたくなる水準。
このままでは、どんどん上がっていきます。

「今買わないと買えなくなる」
買っている人はそう思っています。売る方もそういって煽ります。
コレ、私が経験した過去2回のバブルの情景そのまま。
つまり、50代のプレイヤーはみんな経験者なのです。
でも、みなさん知らん顔してバブルに乗っかって儲けています。
要は、自分が損をしなければいいのですから。

そして、この熱気はいつか冷めることも分かっています。
もう半年も前から、彼らは逃げる算段をしています。
なるべくホールドせずに、買い手を見つけてから契約する。
でも、いつ弾けるのでしょうね、このバブル。

一方、このバブルを「バブル」だと認定する
タイミングを逸した方々もいます。
プレイヤーではなくコメンテイターの立場になりうる方々。
まあ、私もそういった立場にある一人ですが、
アベノミクスの始まったころから「バブル」が来る、と発言していました。
最初は「これはミニミニバブルだ」と発信していましたが
2014年10月末の黒田バズーガ2以来は「局地バブル」と言い換えました。
そして、中身は「ミニミニ」ではなく「局地」的に
本物のバブルだと認定して、私なりに騒いでまいりました。

でも、初期のころから「これはバブルではない」と発言してしまうと、
その後になかなか方針転換ができませんね。気持ちは分かります。
しかし、実態としての需要がなく、投資的観点から理解できない水準まで
マンションの市場価格が高騰した今の都心の状況を、
バブルと呼ばずしてなんというのでしょうか?
「またやってきた不動産ブーム」ですか?
まるで、ガダルカナル島から「転進」している帝国陸軍ですね。

まあ、そんなサイドストーリーはどうでもいい話です。
問題は、またもやこのバブルによって束の間の富と、
その後に長く続く下落基調の種がまかれていることなのです。
つまり、今売る人はウハウハと儲かります。
でも、儲かった人はさらに儲けようと思って次を買ったりします。
すでに熱に浮かされて、その渦中にいるので市場が見えていません。

その他の人も「これは今買っておかなければ」という気持ちになります。
市場というのは怖いですね。今回、かなりの近距離でそういう
バブルの特異現象をまざまざと見せつけられて恐怖を感じました。
賢い人でも、バブルの熱には浮かされるのです。

具体的な話をすると「ブリリアタワーズ目黒」です。
あの物件は建物の完成が2017年の12月なのです。
引き渡しは2017年の12月から2018年の1月。
約2年半先ですね。2年半も未来の話ですよ。

予定では、2017年の4月に消費税が10%に引き上げられます。
まあ、最近ではちょっと怪しくなってきましたが。
しかし、消費税が上がると必ず景気後退が起こるのは、
過去3回の事例からほぼ確実視すべき未来なのです。

景気後退が起これば、不動産取引もしぼんでいきます。
これは昨年の4月以降10月までの市場を思い出せばいいこと。
あの時、「これでミニミニバブルは終わったな」と思いました。
ところが黒田君が異例の「バズーガ2」をぶっぱなしました。
良識ある金融関係者の間では悪評紛々。「やりすぎ」なのです。

おかげで景気後退の影は薄まりましたが、副作用としての
不動産「局地バブル」を助長してしまいました。
円安が進んで、日本の富がごっそりと目減りしました。
中長期的には円高が望ましいのは常識で考えて当たり前。
円安はあくまでもカンフル剤なのに、ちょっとやりすぎています。
国立競技場のザハ案建築費だって、1ドルが100円だったらもう少し
安く上がったはずだと私は思っています。

まあ、それはいいとして・・・
2年半も先の話、いったい誰が分かるのでしょうね。
でも「ブリリアタワーズ目黒」は、それこそ飛ぶように売れています。
少ない住戸でも数倍、多い住戸は何十倍ですって。
ああ、デジャブ。過去2回のバブルでもよく見られた現象です。
バブルの最中には、どこからかウジャウジャとお金をもった
紳士淑女が現れて「何戸でも買う!」と大きな声で叫ぶのです。

そういう光景を傍で見ている一般人が
「これは本物だ。このマンションを買わなきゃ」と、さらに狂騒。
これこそがバブルの光景なのですよ。
でも、いったん潮目が変わると、彼らはすうっといなくなります。
まるで最初からいなかったかのように。

これからの2年半、今のバブルが続くでしょうか?
あの平成大バブルは1985年のプラザ合意から1990年までの約5年。
前回の不動産バブルは2005年ころから2008年のリーマンショックまで、
まあ長めに見ても3年ほどでした。
今回は、起点をどこに置くか議論が分かれるところ。
まあ、最大限に譲歩したら2014年の10月の黒田バズーガ2ですね。
今で1年弱ですか。全く譲歩しないのなら2013年4月の金融緩和から。
こちらを起点にすると今で2年3か月。
どちらをベースにするかは、10年後の経済学者が決めるでしょう。

もし後者だとすれば、あと2年半を加えると5年弱。
譲歩した前者にしたところで3年半。
いくらなんでも、そんなに長くは続かないと思います。
バブルの規模は、だんだん小さくなってきています。
おそらく、今回は前2回と比べてもかなり小さい方だと思います。
踊っているのは、主に個人ですから。

2年半後、またあのリーマンショックの直後のように
私のところに相談が殺到するのでしょうか?
「2年前に契約したのですが、手付金を取り戻して解約できませんか?」
それは、できません! 契約書にハンコをつけば、おしまいです。

私から見て、黒田金融緩和がなければ「ブリリアタワーズ目黒」の
販売価格は坪単価400万円でも厳しかったと思います。
それは2駅先の「大崎ウエストシティタワーズ」がリーマン前後に
坪単価300万円台後半で大苦戦したことでも明らか。
完売できたのは今のバブル風が吹き始めてからやっと、という感じでした。

つまりブリリアタワーズ目黒も、バブルがしぼむとかなりの短期間で
坪単価400万円までは萎む可能性が高いのです。
下手をすれば、2年半後の引き渡し時にそうなっているかも?
リーマンショックの時の湾岸がちょうどそんな感じでした。

逆に、あと2年半もバブルが続いていれば、
このタワーマンションの中古坪単価は軽く1千万円を超えます。
来年あたりに出てくる港区の新築タワーマンションは、
おそらくそのラインに迫っているはずです。
まず、バブルでなければ売れない価格ですね。
でも、現実にそういうアウトラインで事業計画が進んでいたりします。
あなおそろしや、あなおそろしや。
私はただ、それを眺めて念仏を唱えることしかできません。

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2015/8/15 0:05 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんばんは。

暑さも盛りを過ぎたようで、少しほっとしています。
言われてみればその通り。
私のように東京を基本的に軽侮している京都人は別にして(笑)、
まるっきりの遠隔地方人はアッケラカーとしたところもあります。
始末に負えないのは近隣郊外。
分りやすく言うと東京なら16号線の外側ちょい、くらいのエリアですか。
あの屈折度ははんぱではありませんな。
近隣郊外ほど、街並みもつまらない。ほぼ、どこも同じです。
まあ、ああいったとこらへん出身者が東京の
見栄っ張り不動産市場を支えている観はあります。
彼らほど、自分たちの出身地を明かしませんね。

実は私のような京都人は、東京人その他一般日本人に対して
抜き差しならぬ優越感を抱いています。
特に左京区周辺の教養人家庭に育った人間はそうでしょう。
さしたる根拠はありません。
自分たちは京都弁が喋れて、王朝の都のタミである、というだけ。
しかし、そういう形のない空気のようなマインドも大切かと
歳をとってから思い始めました。

今や東京人の端くれですが、あまり誇ろうとは思いません。
かといって、京都も好きではなく。
好きな街にはあまり住まずに終わる人生かな。
まあ、それもいいか。なんて。

今宵も神様と話しながら寝ます。ごきげんよう。 榊淳司

2015/08/18 00:10 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

お盆も終わり人びとも、また持ち場もちばに。

「そしてメディアは日本を戦争に導いた」なる本を読みました。
2013年に出版されたもので、半藤一利と保阪正康の対談集です。
日本軍の「堕落」について、こんなことを語っています。
(以下引用)

> (保阪)
僕は「武士ではない農民が軍隊に入ったから堕落した」という意見を、
否定したいけど、残念ながら、一面で当たっていないとは言えない、
事実に出会う時がある。

と言うのは、戦場やその周辺で「問われるべき行為」に走るのは、
東京など大都会周辺部の出身であることが多いというのです。
逆に、うんと田舎の部隊は総じておとなしい。

都会周辺部には、ある種のコンプレックスがあるのではないか、
と言う気がします。

>(半藤)
完全に貧しい人たちはコンプレックスを持たない。
ところが、都会に近い田舎だとコンプレックスを持つんだよね。
不思議なもんです。
(引用終わり)

以上の指摘は、現代にも重なり通じると思うのです。

大都市周辺部、いわゆる郊外に住む人たちは、総じて、
ある種のコンプレックス=劣等感を抱いている。
それが屈折して、目いっぱい見栄を張り、虚勢を張る。

私も40年、東京・首都圏に住んでの「総括」ですが。
如何でしょうか?

ごきげんよう。

2015/08/17 23:55 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

戦後70年ですね。
安倍さんの談話、私も先ほど全文読みました。
まあ、現状ではベストに近いのでしょうね。
ちょっと反省しすぎではないかという不満は残りますが。

韓国や中国も、ちょっと難くせをつけにくいですね。
特に、韓国というワードが一言もなし。
これは少し面白いですね。
あの嫉妬ブタ大国がどうひがむか見ものです。
まあ、それはいいとして。

山陰の旅、楽しんでください。
私は毎年恒例の「人影少ない靖国神社」に
来週か再来週に行ってきます。

ごきげんよう。 榊淳司

2015/08/15 13:06 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

売れてるんですね。も、何でも「買い」ですか。
どなたが買っているのか知りませんが、あるところにはアルようで。
それにしても、引き渡しは「2年半も先」なのにね!

チャイナがグラグラですから、東京に逃げて来てるとか?
東証株価とYENはグズっていますが。
不動産は「別格」なのでしょうか?
デベさんも関係各位も、ウハウハと言うことでしょうか!

安倍晋三の「談話」。
私も全文読んでみましたが、総評は「良かった」と。
あれなら、敢えて発表した値打ちはあったと思いました。
日本人一般の感想は、総じて「好感」というような。
もう今回が「最後」でしょう。有終の美。言い尽くしました。

来たる、2025年。
生存する日本人は、ほぼ全て「戦後生まれ」でありましょう。
どのような日本国になっているか、誰にも分かりませんが、
おそらく日本人は「試される」時代を迎えていると思います。
「戦後」を成仏させない限り、厳しい「現実」を生きていけません。

私は迎える一日一日、深ぶかと我が思いを刻むように生きて、
我ながら、得心のゆく「晩節」にしたいものです。
ひとえに「これから」です。これからこそが「大事」と。
「あっと言う間」でしょう。光陰矢の如し。待ったなし。

安倍談話を読み終えて「私的戦後七〇年・考」であります。

この夏の終わるころ、夏休みの人影もまばらになるころ、
ひとり、山陰方面を回ってみようと。

ごきげんよう。

2015/08/15 09:00 | by まろたん

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