管理組合の「主」には要注意

人間というものは、基本的に弱いものである、と考えるべきです。
困難なことにチャレンジするよりも、簡単な方を選びたがる。
何とかラクをしてたくさんのお金を得たいと思う。
仕事をさぼって、好きなことをしていたいと考える。
他人に自分を認めてもらってチヤホヤされたいと望んでいる。
会社の経費や得意先の接待で飲み食いすることが大好き。
部下や後輩をアゴで使って「偉くなった」自分を感じたい。
業者にエラぶってみて、自分の権限を見せつけてみたい。
他人の知らないことを知っていると自慢をしてみたい。

まあ、以上のようなことをチマチマやっているうちは大したことなし。
その辺のどこにでもいるただの「ケチな奴」程度です。
というか、世の中の多数派ではないでしょうか。
しかし、ある一線を越えてしまうと「犯罪」になってしまいます。
分かりやすい例でいえば、今回の司法試験問題漏えい事件ですか。

あの大先生は単純に女子学生にいい顔したくて、あるいは
下心を成就させるために自らの権限を悪用したわけですね。
まあ、どこの社会にもある構図です。
たまさか司法試験という超難しい資格だったのでニュースになりました。
しかし、あの先生はどういう法律で裁かれるのでしょうね?
公務員の守秘義務違反ですか? それとも背任罪?
多分、刑務所に行くことはないでしょう。
でも、これで多分学者生命は絶たれるでしょうね。

人間というものは弱いものです。
その弱さは、エラくなった時に表れやすくなります。
基本、弱いのでエラくない時はひたすらおとなしくしています。
自分よりもエラい人間に睨まれて、つぶされたくないからです。
でも、少しエラくなると「権力」の味を知ります。
誰かが自分にへつらって来たり、気を使っているのが分かると
「自分もエラくなったのだ」と自覚するわけです。

そこでエラそうにしてしまう人間は、その段階がその人の器。
課長でエバる人間は課長の器。部長でエラぶれば部長どまり。
上に昇っていく人間は、自分のことを冷静に見ることができます。
あるいは、ちょっとした権力程度では満足をしません。
大いなる野心を持って、上を見ているのです。
しかし、サラリーマン社会の競争は基本的に熾烈。
ポジションを上げるには実力はもちろん、運も必要です。

ところが、世の中の組織の中には大した努力もなしにトップに
上り詰めることができることができるものもあります。
その上、巨大な権力を振るうことができたりもします。
それはどんな組織かというと、他ならぬマンションの管理組合。

管理組合の理事は当番制で回ってきます。
つまり、マンションを購入して区分所有者になれば、
誰でも理事になることができるのです。
「理事なんてめんどくさくていやだ」と、誰もが思います。
それはその通りです。面倒くさいものです。

しかし、マンションの管理組合には巨大な権限があります。
それは「管理費や修繕積立金を使う」という権限です。
例えば300戸のマンションの場合、全区分所有者から
徴収される管理費や修繕積立金、駐車場代の総額は
年間で約1億円になるはずです。
このお金をどうやって使うのかは、基本的に理事会が決めます。

ただ、おとなしくしていればほとんど管理会社に持っていかれます。
ほとんどの管理組合の場合、おとなしく管理会社にカモられています。
しかし、この年間約1億円という権限の巨大さに気づいた
悪意の区分所有者がいたとすればどうでしょう?

何も管理会社にカモられっぱなしになることはないのです。
管理会社を変更するのは、総会の普通決議で可能です。
総会で議案が否決されることはほとんどありません。
なぜなら、多くの区分所有者は議長一任の委任状を出し、
自らは欠席してしまうからです。
総会の議長は、すなわち理事長です。

つまり、管理会社の変更という重大議案でも
議長=理事長の意志によって決定できるのです。
言ってみれば、1億円を渡す先を理事長が決められます。
もちろん、他の理事もいます。理事会で賛成を得られない
議案を総会に提出することは不可能です。
でも、他の理事の過半数を籠絡してしまえばどうでしょう?

例えば、「管理会社をA社からB社に変更する。管理業務は
A社のものと同水準。しかし年間委託費は6千万円から5千万円に
約1千万円分軽減される」。
こういう議案なら、誰も反対できませんね。
でもそこには裏があって、賛成派の理事長には3百万円、
理事5名には各百万円ずつB社からリベートが渡っている・・・

まあ、こんなことは日常茶飯事です。
それでもB社は管理業務が欲しいのか、というのなら答えはYES。
A社はそのマンションの売主子会社であり、
元の管理費設定がボッタクリであればこの程度の
予算減額でもB社は十分利益を出せる構造なのです。
言ってみれば、売主子会社が管理業務を受託している
管理組合はほぼ100%ボッタクられている状態です。

悪意の理事長が懐を肥やすには、別に管理会社を変えなくてもOK。
理事長がA社に対して「管理会社を変更するぞ!」と脅して
リベートを要求したり、過剰な接待を求めることなんて
300戸規模以上のマンションなら何割かで行われているはず。

そういう理事長や理事会の有力者は、管理会社変更の話題が出ると
「管理会社の変更ありきの議論はダメ」とか
「管理会社を変えると業務の継続性が損なわれて混乱する」
などともっともらしいことを言います。
そういうことを言っている理事長や理事会常連メンバーは、
かなりの割合で現管理会社と癒着しているはずです。

管理組合の理事長は、巨大な権力者です。
その権力の味を知ってしまった小悪人は、いろいろと策を弄します。
まず、理事の選任方法を立候補制にします。
すると、自分が何年でも続けて理事や理事長になれます。
そもそも、普通の管理規約には「立候補制」は明記されていません。
なぜなら、管理会社が嫌うからです。

管理会社側は、理事会が素人集団であってもらうのが理想。
その方が、自分たちの思うがままに操れ、カモれますから。
ところが、小悪党の理事長に居座られると、いろいろやりにくいもの。
それでも管理会社を変えられるよりマシなので、接待に励みます。

小悪党理事長が次にやることは、理事報酬の設定です。
本来は無報酬ボランティアの理事に報酬を払うように設定します。
さらに「コミュニティ費用」を予算化します。
何のことはなく、自分たち理事の飲み会費用を組合負担にするのです。

私が垣間見たある悪徳理事長は、自分の住戸のアルコーブを
「セキュリティのため」と称して門扉をつけさせていました。
また、「駐車場の身障者割引」制度を導入。
自ら身障者手帳を示して割引の恩恵を受けていました。
まあ、理事長はその気になればやりたい放題です。

300戸の理事長ともなれば、管理会社がホイホイ言ってくれます。
なぜなら、年間1億円の売り上げをくれる優良顧客ですから。
管理員も当然下僕のようにかしずいてくれます。
実質的な雇用主みたいなものですから。
平の理事も上目遣いに見ます。逆らわなければ
ひょっとして前述の「100万円」みたいなおこぼれに与れます。

過去に不自然な管理会社変更があったり、
あるいは管理サービスが良くないのにずっと同じ管理会社で、
理事会が変更にグズグズしている場合は怪しいですよ。
特に、何年も理事会を支配している人物がいる場合は、
かなりの率で「甘い汁」を吸われています。
「甘い汁」とはつまり、各区分所有者が払っている
管理費や修繕積立金、駐車場代などの費用です。

人間とは弱いものです。
「エラそうにできる地位」を一度得てしまうと、手放せません。
一度味わったおいしい汁をずっと吸い続けようとします。
理事会に怪しい人物が巣食っていないか確認しましょう。
特に100戸以上のマンションの場合は、執行予算も多い分
「甘い汁」を吸われやすい構造になっています。
「あの人は組合が好きでやっている」なんて、
思っていると危ないかもしれません。
あんな面倒くさいことは、「好き」だけではできませんよ。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
今回、新作の「板橋区総集編」をリリースします。
板橋区は北区と並んで「近いのに高くない」エリア。
駅徒歩10分未満なのに坪単価100万円台の
「買ってもいい」マンションがいくつかありました。
「住むため」にお探しの方は是非ご活用を。

板橋区総集編
価格 5,690

取り上げた物件は以下の通り
パークホームズ板橋蓮根
スカイティアラ
プラウドシティ加賀学園通り
Brillia(ブリリア)ときわ台 Solaie Residence
シティテラス加賀
ファインレジデンス成増 ザ・テラス
ブランシエラ板橋西台
イニシア板橋浮間公園
プラウド板橋志村三丁目
ザ・パークハウス 志村坂上
リビオ板橋 浮間舟渡サクライエ
イニシア板橋大山
ヴィークコート赤塚新町ステーションマーク
ルフォン常盤台 ザ・レジデンス
エクセレントシティ板橋大門
アデニウム志村ブルームフォート

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2015/9/11 5:47 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、おはようございます。

私は、いくらなんでも消費税を10%にするほど
安倍君はバカじゃあなかろうと思っています。
ボンボンながら、そういった処世のこずるさはあるかと。
学歴コンプレックスと生来の気真面目さで
財務官僚に騙された野田君とは違うはず・・・

来年夏は衆参同時で「消費税当面先送り」が公約。
そうすれば自民が何とか勝てます。
去年の2番煎じですが、勝てればそれでOKでしょう。
財務省は先手を打って公明と組んで「還付」。
ホント、バカの極み。世間知らずの財務官僚。

これから1年弱、水面下の安倍対財務省の戦いが始まります。
株安や都心バブル崩壊、中国、北朝鮮が
どう影響するかも読み切れませんね。
アメリカも大統領選挙です。

ではまた。 ごきげんよう  榊淳司

2015/09/11 09:31 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

マンション管理組合の「私物化」の問題提起は「さもありなん」ですね。
ご指摘の通り、殊に100戸超の大規模マンションに於いては、
どこでも「大なり小なり」あり得る懸念でしょう。

同じような「構図」として「労働組合」があります。
具体的な詳細は言いませんが「労働貴族」なる「階級」が、
やはり労働組合を「私物化」し「役得」として「不当な利益」を独占しています。
つまり、末端組合員を「利用・搾取」しています。

これらの「構図」の本質は「貧困ビジネス」です。
と言っても「貧困層」から「少しずつ」吸い取るのではなく、
「無知なる大衆」から「少しずつ」吸い取るのです。
つまり「貧困層」が「無知なる大衆」に変わるだけです。

「無知で、依存心の強い」ひとは「カモ」られます。
更に「集団の中にいると、ひとはバカになる」
と言われますから、大衆は「集団でカモ」られますね。(笑)

集団でカモられる事例が「消費税」です。
日本人すべてから「少しずつ」吸い上げる。
なんという見事な「貧困ビジネス」か!(笑)

それはともかく。
今回の財務省案「日本型軽減税率」には「バカ極まれり」ですね。
ここで詳細は触れません。アホくさー。そのレベルですわ。

で、ひとことだけ。
この取り扱いを「誤る」と、自民は泣くことになりますよ。
来年夏の参議院選挙ではね。
消費税を甘く見ては「自滅」ですよ。
アンポ・派遣法などの比ではございません。

安倍晋三・自民党は、財務官僚に義理立てで「討ち死に」するつまりかいな。
私は、参議院選挙では「反自民」で投票します。
その日が待ちどおしいわい。
安倍晋三、「なめてんのかー!」(怒・怒・怒)

と、まあ、血圧がハネ上がったところで。
ごきげんよう。

2015/09/11 08:49 | by まろたん

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