貧乏人の小さな幸福論

子どもの頃、我が家にはお風呂がなかったので銭湯に通っていました。
近所の銭湯は午後3時に営業開始。私は4時までに行くのが大好き。
なぜって、ほとんど誰もいない清潔な大浴場を独り占め。
いやあ、気持ちが良かったですね。今から思えば、何と贅沢!

午後3時を回ると、洗面器をもっていそいそと銭湯に出かける
私を見て、近所の人は「若隠居」と呼んでいたそうです。
考えてみれば、何とも幸せではないですか。
例えば今、私は午後4時に銭湯に行くなんて考えられません。

その時間はアクセクと原稿を書いているか、汗だくの現調をしているか、
はたまたメディアの取材を受けているか、事務仕事をしているか。
午後4時に銭湯に行って、戻って来てから冷たいビール。
それからご飯を食べてテレビでも見ながらグダグダ。
ああ、想像するだけで何という幸せ。
別に贅沢なものを食べたいと思いませんよ。
私にとっては家庭料理で十分。外食なら王将の餃子で
幸せな気分になれる貧乏育ちですから。

しかし、今の私にはそんな贅沢は許されませんね。
ちょっとサボっていると電話がかかって来て
「先日お打合せさせていただいた原稿はいかがでしょうか?」。
まあ、貧乏ヒマなし、カネなし、余裕なし。

でもね、たとえお金があっても幸せかな、とも思います。
確かに今の私は午後4時に銭湯へは行けません。
その代りにいろいろな人がやって来たり、あるいはこちらから
会いに行ったりしている日々も、それなりに充実しています。
知的には十分に刺戟的ではありますね。

人間というのは、他の人間との関わりにおいて自分の
存在感を確認しているようなところがあります。
毎日午後4時に銭湯に行って、その辺のおっちゃんと
他愛のない世間話をする日々を、1週間も過ごせば
それなりに飽きるような気もしますね。

私は人と話すのがわりあい好きです。
よほどの低能さんは嫌いですが、だいたいの人はOKですよ。
全体の7割から8割はカヴァーできると思っています。
少し話はそれますが、お医者さんや看護師は100%カヴァーが責務。
警察官や検察官に至っては、主に底辺の3割くらいが主要な「客層」。
弁護士先生だって刑事をやれば100%までがカヴァー範囲。
ああいう仕事は大変ですわなあ。
その点、不動産屋は底辺の2割くらいは客ではないのでラク。
まあ、それはいいとして。

私は職業上、実に多くの階層、職業の方とお会いしますが、
経済面か知能面でのアッパー層がほとんどです。すごくラク。
かつてはおバカな不動産屋さんたちに対して、彼らを顧客として
接せねばならない時代が長かったので、今はとってもラクラクラク。

今のように、好きなことを言ったり書いたりすることで、
日々の生活の糧を稼げるというのは、ありがたい話です。
仕事上のストレスはほとんどありません。酒量は減りませんが(笑)。
だから、他人様からはかなり羨まれます。
「あいつ、まだのさばっとる」 そんな目で見られているようです。
アハハハハ。申し訳ございません。しぶとい方でして。

私はこの間56歳になりました。同年代で私の回りにいた方々の
大半が消息不明になっています。まあ、バブルも2回崩壊しましたし。
しぶとく生き残っている輩もいますけど、まあ3割かな。
中島みゆきではないけれど「みんなどこへ行ってしまった」。

そろそろ職業人生の終盤に差し掛かってきました。それで考えます。
「いったい誰がいちばんうまいことやりよったんやろ」
そう思って周りを見渡して、気づきました。誰もいません。
「お前の周辺のラベルが低いのや」といわれそう。まあ、確かにそう。

私の回りには一部上場企業を興したような企業家も、
誰もが知るような業績を残した芸術家も、有名タレントもいません。
そもそも、貧乏人の家に生まれて公立高校から私立大学へ
進学した程度の庶民です。周りはまあ、こんなもんでしょう。

ここ何年か、仕事がら多くの富裕層に接しています。
彼らも傍で見ているほど幸せそうではありませんね。
お金を持っていても、しょせんは生身の人間です。
病気もすれば、出来の悪い子どもの将来にも悩みます。
お金持ちはお金持ちで、上層社会の複雑な人間関係もあります。
私はなるべく近づかないようにしています。世界が違いますから。

人間にとっての幸せというのは、結局のところ
いかに機嫌よく残りの人生を過ごせるか、と言うことでしょう。
また、まわりに自分を大切にしてくれる人間が
どれだけたくさんいるか、と言うことも大切ですね。
だから、結婚をして子ども作るのが幸せの基本です。
もちろん、それが絶対ではなく、例外もたくさんあります。

理想を言いましょう。
まず午後4時には銭湯に行きたい。帰ったらビールです。
奥さんの作った美味しい料理を食べるか、外食なら
王将クラスで十分です。家族で楽しく団らんします。
ウイスキーを飲みながらテレビを観るか、雑誌などを読み
夜の12時ころにコテンと寝ます。
そういう日が1週間に2日くらいはあって欲しい。

あとは依頼原稿の締め切りが、せいぜい週に2回くらい。
ブログの更新も今の半分くらいで、話題はマンション以外。
テレビ出演は1年に1回か2回でいいです。それも生放送がいいな。
午前中の番組は嫌です。朝早く起きなければいけないからきらい。
ラジオのスタジオ出演だったらもっとあってもいいですよ。好きです。
週刊誌の取材も、せいぜい月2回でいいですよ。

うーん・・・これだと今の労働量の半分以下ですね。
それで今と同じだけの収入が得られれば言うことないのですが。
ああ、貧乏ヒマなしです。

8月25日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:8月25日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

8月25日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/7/31 1:25 Comments (0)

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