郊外の痛々しい薄っぺらさ

ある週刊誌に連載されている「家の履歴書」というのを
もう何年にもわたって読んでいます。
ある程度名を成した方が、生まれてからどういう家に
住んできたかということを、人生の系譜と共に
書かれている連載物。そこそこ面白く読めます。

最近ふと気づいたのですが、今までのなかで
ニュータウンに住んだ、という話をほとんど読まなかった
ように記憶しています。まあ、正確ではありませんが。
それはゼロということはなかったと思います。

さらに、お父さんが普通のサラリーマンだった、
というケースもほとんどなかったような・・・
ということはお父さんが普通のサラリーマンで、
ニュータウンにマンションを買って住んでいる家庭からは、
「家の履歴書」に出てくるような人は育たない??

タワーマンションに住んでいる子どもは成績が伸びない、
と言っている人がいますね。プロの家庭教師さんだとか。
私はタワマンに住んでいる子どもをひとりも知りませんから、
何とも実感の沸かない話ですが、理屈では理解できます。

あと50年くらいたったら、タワマンで育った人間は・・・
みたいなことが言われるようになるはずです。
・・・は決してプラスではなくマイナスのお話。
多分、「想像力が乏しい」とか「ヒエラルキー過敏症」だとか。

私は生まれてから22歳まで京都に住んでいました。
24歳の時に東京にやってきましたが、この街に
憧れて、とか大好きだから、やって来たわけではありません。
「文章を書く」仕事で食べるには、日本の中で
この東京という街がもっともカンタンだと思ったからです。

だから、私は東京に対してちっとも敬意を持っていません。
むしろ、「つまらない街」という感覚の方が強いでしょうか。
また「アホがぎょーさんおるなあ」とか「バカでも出世できる」
みたいなマイナスの捉え方もしています。
まあ、アホは京都や神戸にもたくさんいましたが(笑)。

東京に来て、さらに驚いたのはその郊外の薄っぺらさ。
都心や近郊には、街としての個性がそれなりにあります。
それが自分にとって好ましいかどうかは別にして、
いちおうはその街なりの味わいがありますね。

また、郊外でも旧街道沿いの街には面白味を感じます。
例えば、旧中山道の宿場町であった浦和など、私は好きです。
ところが、戦後になって開発された郊外の街は、
もうどうしようもなく薄っぺらいですね。湾岸みたいです。

驚いたことに、16号線沿線の街はどこもみな同じような風景。
ほぼ区別がつかないくらいに同じような薄っぺらさ。
似たような商業施設にありきたりのマンション群。
駅前のつくり方も5パターンくらいのどれかに収まります。

多分、住んでいる人の属性も数種類の類型に収まるのでは
ないかと想像したりすると、ぶるっと背筋が震えます。
つまり、多様性のない社会を構成しているのです。
また、そういう郊外で生まれ育った人は、
小学校、中学校を多様性のない仲間と過ごしますね。
どういう大人になるのでしょうか。
どういうわけか、私のまわりには遠隔郊外の
出身者がいなかったように思えます。

私は、人間の個性というものはある程度環境で作られる、
と考えています。最も影響があるのは親でしょうね。
兄弟や友達もそれなりに影響。学校教師もまあまあ。
東京に来て、公立校教員のレベルの低さにもビックリ。

考えてみれば、京都という街は頭でっかちでしたね。
公立学校の先生でも、国立大学の卒業が当たりまえ。
たまに同志社や立命の出身者がいると、バカにされます。
「あの先生、立命しかでてへんからアホやで」

ところが、東京はさらに偏差値の低い私立大学の
出身者が教師として公立中学校や高校にごろごろいますね。
「ちゃんと自分の教科を教えられるのか」と思います。
体育に至ってはほぼ日体大ではないですか。
京都はほぼ京都教育大学出身だったと記憶しています。

一見、華やかで栄えているように見えても、
端々は底が浅くて薄っぺらいのが東京という街の特性。
特に郊外の新しい街は悲しくなるほど無個性。
どこかの真似でしかないことに気づきもせず、
それに満足して暮らしている人の多さに驚きます。

ユーチューブの私の動画、第4弾です。まだまだ出ます。
第1弾はすでに4万回超の視聴回数です。
ただのオッサンが好き勝手に喋っているだけですが。

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10月27日土曜日の13時から17時まで、
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2018/10/14 17:20 Comments (2)

2 Comments

奏子さん、お久しぶり。

そうでしたね、奏子さんは16号線のご出身でした。
全然そういうイメージではないお方なので、
思い浮かびませんでした。

私はこう見えて不器用なので、
ブレることができないのです(笑)。
考えを変えることはたまにあります。
昔は国の借金が増えるとインフレになると
思っていましたが、今は違います。
歳を取ると多少学ぶものですね。

ではまた 榊淳司

2018/10/15 14:35 | by Sakaki Atsushi

こんにちは。東京郊外出身の奏子です。
旧甲州街道から枝分かれし大分離れ(て薄っぺらくなっ)たこの辺りは
バブル絶頂期に建った1000万未満の中古マンションが沢山あります。

16号近辺の住民属性、少なくとも私の地元ではお察しの通りです。
そもそも大卒が少ない&旧8学区の都立高校ランクでも一目瞭然。

15歳の頃、高校受験そっちのけで真剣に考えていたことは、、
「どうやって早く地元から脱出しようか」理由:つまらないから。
8学区で唯一東大合格者を出せる都立高をわざと落ちたのはそのため。
(そもそも大学の学費無かったし)

傍目にはバカな選択でしょうが、今思えばまぁ良かったです。
大卒より約7年前倒して魑魅魍魎(!)に溢れた東京都心に行ったので
一癖も二癖もある社会人経験ができましたから。

それに嫌なことからは徹底して逃げる私が一流校に進学したところで
嫌いな教科の授業についていけたとは思えません(笑)

追伸、YouTube見ました。ブレない好き勝手さが面白いです^^

2018/10/15 12:05 | by 奏子(Kanako)

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