“The Parkhouse”って、なに?

私は馬齢を重ねて、およそ半世紀ほど生きていますが、
日本以外の場所に住んだことはありません。
旅行をしたことはあります。
30年ほど前、まだ大学生だった頃に
旅行代理店の若手社員に成りすまして
「研修」でハワイに行ったのが最初。
5泊7日ほどの海外初体験でしたが、まあ面白かった!

日本に帰ってきて、ある人生の大先輩に聞かれました。
「おい、ハワイはどうやった? お前の英語は通じたか?」
「まあ、ボチボチですわ。せやけど惜しかったなあ。あと6日もおったら英語がペラペラになったのに・・・ちょっと足らんさかいにペラペラの『ペ』くらいですわ」
昔から減らず口は達者でした(笑)。

自慢じゃありませんが、中学高校を通じて
英語は「3」以上もらったことがありません。
それもフツーの市立中学、府立高校です。
大学は2つほど出ましたが、語学の成績は全部「可」。
一度も取りこぼしていませんが、成績優秀とは絶対にいえません。

そんな私でも、コピーライター稼業に勤しんでいると、
英語とは無縁でいられません。
ちょっと注意深くマンションの広告を見ていただくと
お気づきになると思いますが、妙な「英語」だらけです。

少し前に、「7 Days Resort」というキャッチコピーがありました。
湘南方面の某大規模マンションです。
まあ、自分も現役時代(今でも一部現役です)は、
あの手のコピーを書いてクライアント(マンションデベ)に提案していました。
「7days」というワードで「1週間ぜんぶ」といいたのでしょう。
もっといえば「毎日がリゾートですよ」というニュアンスを伝えたい。
コピーライターの気持ちはよく分かります。
でも、まず伝わらないだろうし、
英語のニュアンスは多分「7日間だけのリゾート」。
こんな酷寒の季節でもハワイアンテイストのリゾートであるはずもなし。

まあ、そんなことは書いた方もお分かりでしょう。
英語苦手人間でも気恥ずかしくなるコピー・・・
でもそういうコピーを、私もイケシャーシャーと
提案していた時代もありました(汗)。

そんなインチキ提案でも、時には
「カッコイイね、コレ」なんていわれることがあります。
どういうわけか、成績「3」の私が時々プレゼンで
英語の解説をする場面もありました(汗)。
結構ヒヤヒヤなのですが、突っ込まれることはほぼ皆無。
もちろん、相手を選びます。
お利口さんだらけの住友商事や三井物産などでは
そんな無謀なことは致しません(笑)。
せいぜい「○○不動産」みたいな会社。でも一部上場だったりして(笑)。

そういうところでは、チョーいい加減な英語のキャッチコピーや、
ネーミングが採用されることも度々・・・
そこで、我々は自分の心をごまかします。
「これは英語じゃない、日本語だ!」
誠にその通りで、英語がネイティブなお方が
一人も買わないはずのマンションなら、
そういう「インチキ英語」もアリなのです。

でもねー・・・どこかやっぱり引っかかりますよ。

この数日前に、三菱地所のマンション部門と
藤和不動産が合体して「三菱地所レジデンス」という会社ができました。
長年マンション業界を眺めている人間からすると、
よくもまああの水と油の会社が一緒になれるね、という感じ。

「三井不動産レジデンシャル」が誕生したときも、
三井不動産のエリートたちと、ドロ臭い三井不動産販売の方々が
同じ会社でやっていけるの? 待遇格差は? 
なんて野次馬気分で眺めておりました。
でも、あれは同じ「三井」の冠の下。
でも、今度は異質な二つの企業が合体したワケです。

聞くところによれば、三菱地所出身者と藤和出身者では
待遇にかなり格差があるとか。
実質「救済合併」ですから致し方のないことに見えますが、
旧藤和側の社員からはかなり不平が漏れたとか。
それを、旧藤和の経営首脳が
「お前ら、会社があるだけでもありがたいと思え!」
と、一喝したそうです。

まあ、そんな裏話はエンドユーザーには関係ないことですね。
今日、私が言いたいのは、この新会社の新しいブランド名。

The Parkhouse

だそうです。
コレ・・・英語「3」の私にもかなり違和感があります。
「The Parkhouseナンチャラ」というマンションが、
たった1つだけあるのならすんなり受け入れられます。
でも「The Parkhouse」と名がつく建物がいくつもあるのでしょ?

ちなみに、アメリカの大統領が住むホワイトハウスは
The Whitehouse だそうです。でもアメリカにひとつ。
他にも有名な建築物にはTheが付く例があるそうです。
でも、その辺のマンションにTheをつけるのは
行き過ぎではないでしょうか?

そもそもParkhouseという言葉は英語にはありません。
三井のParkhomesも同じ。住友のParkcityも同様。
なんでみんな「パーク」がお好きなのでしょうね?
私にとっては不思議でなりません。
だいたいどこも「パーク」だと、区別が付きにくくてヤヤコシイ!
こういうところ、日本人の妙な横並び意識を感じます。
それとも発想の貧困?

セゾングループは「パルコ」というファッションビルを
運営していますが、語源は同じ。
Parkという言葉にはpublicなニュアンスを感じます。
つまり、私的な居住空間である日本の「マンション」に
ふさわしいのかどうか、大いに疑問。
セゾンの「パルコ」はいいと思いますよ。
みんなが集まる場所、ですから。
でも、「パーク」というワード自体、語呂がいいとも思えません。

「アホちゃいまんねん、パーでんねん」

その昔、さんまがそういって踊っていましたね。
「ちょっくらちょいとパーにはなりゃしない」
と、植木等みたいに「お気楽」になれればいいのですが。

そのあたり「これは日本語だ!」と開き直られているのでしょうか?
別にほっておいてもいい話ですが、
2,3日前に「Theをつけたくなる毎日」
なんて新聞広告を見たものですから、
英語「3」の私にもムクムクと疑問が沸いてきた次第です。

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2011/1/6 1:40 Comments (0)

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