好調偽装と今後の展開について

マンションの分譲広告で、まだ売れていない住戸が50戸以上もあるのに
「販売戸数/15戸」などと表示し、さも順調に売れているように装ったり、
あるいはまた、本当はあと20戸くらいあるのに
「限定3戸、お急ぎください」などと煽りをいれるのは、この業界の常套手段。
最近では、まだ20戸以上売れ残った住戸があるのに
「完売御礼」などという看板をでかでかと掲げる物件も出始めました。
「よそは売れてないけれど、当社のマンションはブランド力があるから売れています」
というフリをしているわけです。
「なんだ、お前のところも売れていないのか?」
と思われると、イメージが損なわれると考えているのです。姑息ですね。
じゃあ、売れ残った住戸はどうするの?
当然、誰もがそう思いますね。
これは私の想像ですが、
・こっそり仲介業者に流して、流通市場でさばく。つまり中古として処分する。
・こっそり賃貸に回してしまう。この場合は、関連会社に名義変更します。
・ほとぼりがさめたころに「キャンセル住戸発生」とかなんとか、白々しく売り出す。
まあ、そういったところでしょう。
ただ、それができるのも、全体の8-9割が売れて、事業収支の黒字を確保したあとです。
このブログで、今回のバブルの「分水嶺」と紹介した物件は、
どうやらそのラインまで達していないので、恥を忍んで今でも販売継続・・・・
と私は睨んでいます。コメントも入っていますしね。
唯一好調と世間で考えられているデベロッパーでさえ、
こういう疑いを抱かれている惨状・・・・・
週刊誌などでは、次にどこが飛ぶのか、うるさいほどです。
しばらくは、デベやゼネコンの倒産が続くことは確かでしょう。
今後、当ブログでは以下の2つの点に注目していきます。
1 来年以降、市場に新規供給されるマンションの価格水準と中味
2 倒産劇は、マンション建設最大手のH社まで波及するか否か
1については、価格を抑制するために内容が劣化したマンションが供給される恐れが多分にあるからです。つまり、デベロッパーが外見だけよさげにみせて、中味では手抜きにした商品を供給しようとするのです。これは、土地代と建築費の高騰にもかかわらず、価格を抑えなければ売れない現状から予想できること。消費者にとっては要注意です。
2は非常に政治的な見方ができます。ここは政と官につながりが深いので、リトマス試験紙の役割を果たします。ここが飛べば、政府も官僚も無為無策のままこの不動産不況をやりすごす、という判断ができます。逆に、何かの救済が図られれば、それは官が重い腰を上げたということです。
みなさんのコメントは大変参考になります。
これからもどしどしお寄せください。
また、執筆の依頼もコメントで受け付けております。メールアドレスをご記載ください。当方より連絡します。筆名は異なるかもしれませんが。
榊淳司


2008/8/5 11:46 Comments (5)

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