「駆け込み需要」と「原発ハンターイ」の共通点

今日は暑いですね。
できるだけ外に出ないようにしようと思ったのですが、
CS局である日経CNBCへの出演があったので、
大手町の日経新聞本社ビルまで行ってきました。
ビルに入ったのが1時、出たのが2時半。
一番暑い時間に、照り返しの強い大手町をトボトボ・・・
暑いので、逃げるように事務所に戻ってきました。

しかも、いつもはポロシャツに短パンなのですが、
まさかそれでスタジオに入るわけにもいかないので、
一応ズボンに半袖ワイシャツ。だから、いつもより暑い!
それでも、私の事務所では冷房を入れずにやっています。
なぜなら、私は大の冷房嫌いだから。
まあ、それはどーでもいいのですが。

番組の中で見せてもらったVの中で、
モデルルーム来訪者数のグラフが出ていました。
なんだか、ここ最近は「急増」しているようですね。
いわゆる、消費税増税前の「駆け込み需要」という奴です。
それを見ながら、キャスターさんが私に尋ねます。

「どうなのでしょう榊さん。やはり、消費税増税前は買い時なのでしょうか?」
「いいえ。結論から言えば、まったく買い時ではありません。その理由は・・・」

このまま関連法案が参議院を通ったら、
2014年の4月から消費税は5%から8%に上がります。
ですから、2013年の3月引渡し物件は5%のまま。
「ええ、3%もあがるのなら、それまでに買わなくっちゃ」
と、モデルルームに行って購入契約を結んでしまう方は、
今日の夕方あたりから国会周辺で「原発ハンターイ」と
叫んでいる有象無象たちと同じくらい
自分のアタマがあったかいと考えましょう。
そういう方は、まずお家に帰って氷枕で頭を冷やします。
3晩くらいは、キンキンに冷えた枕を使った方が良いでしょう。
4日目にまだ考えが変わっていなければ、人生を諦めてください。

冗談はそれくらいにして・・・・
今頃、2014年3月引渡し物件を担当している不動産屋さんたちは、
「法案さえ通れば駆け込み需要でこの物件は大丈夫」とニヤニヤしています。
まあ、普通に考えればその後の反動減が怖いはずなのですが、
そんなこと全然考えていないはずです。
マンション業界で生きている人の98%は3年以上先のことなんか
「自分とは違う世界の話」としか思えない頭脳構造をしているのです。
だから10年先、20年先なんて、もう「別の星」の話ですね。

土地を仕込む事業部系の人で、せいぜい2年。
商品を作る企画系の人だと1年から1年半。
最もアタマのあたたかい人が集まる販売は、まあ3カ月。
彼らの想像力が及ぶ範囲はその程度。
だから、反動減なんて頭の片隅にあればいい方ですね。
まあ、それもいいとして。

ともかく、「駆け込み需要」という棚ボタで
彼らは当面「ラクして売れる」状況がやってきそうなのです。
本当にくるかどうかは・・・まだちょっと分かりません。
それは、どれくらいアタマのあたたかい人がいるかにかかっています。

では、なぜ「駆け込み需要」にのっかって買ってはいけないのか?
当たり前ですが、「駆け込み」が発生している時には
いつもよりも需要が膨らんでいますね。
すると、本来ならば値引きしなければ売れないようなダメ物件まで
定価で売れてしまう状態になるのです。
当然、まだ価格を決めていない物件なら、
駆け込み需要を睨んでちょっと高めの値付けになる可能性があります。
不動産屋サンというものは
「消費税が上がる前だからお客様に少しでも安く買っていただこう」
なんていう発想する人は皆無とは言いませんが、
限りなくゼロに近いと考えてください。
彼らは1円でも高く売って儲けようとする人種です。

だから、駆け込み需要期に慌ててマンションを買ってしまうと
「高値掴み」になる可能性が甚大。
その後の反動減が起こると、消費税分くらいあっという間に
ぶっ飛ぶくらいの値下がりが起こるはずです。
これって、ちょっと考えれば分かることでしょう?
「原発を停めたら代わりの電力はどうするの?」
と考えるよりは少しだけ複雑だけれど、まだまだ小学生レベル。
だから、駆け込み需要で買いに走る人は
「ゲンパツ、ハンターイ」と同じくらい
アタマがあったかいことになるワケです。

実は、この他にも「駆け込み需要」で買ってはいけない理由、
あるいは消費税増税なんて、本当は住宅購入にあまり関係ない理由、
買い方によっては、ほぼ関係ない理由・・・等々もあわせ、
これからの住宅購入について誰も教えてくれない
様々な見た方・考え方を分かりやすく説明しているのが、
現在好評発売中の「磯野家のマイホーム戦略」なのです。
こちらは買って損しませんから、ぜひ1冊!


2012/7/27 17:45 Comments (0)

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