この国では空気みたいな私有財産権

「賃貸」か「購入」かという神学論争は、いつまでたってもやみません。
結局、「どっちが得か?」という話なのですよ。
ハッキリ言うと、そんなもん、結論は出ません。
まあ多くの場合、5年や10年なら賃貸の方が出費は少ないはず。

世の中、いい加減なようでわりとバランスが取れています。
5年や10年で売り飛ばしても購入した方が得なら、みんな買うでしょ。
みんなが買うと値段が上がるから、買った方が得とは言えなくなりますね。
また、ローンを払うよりも家賃が3割も安ければ、みんな買いません。

それに、同じ住戸を賃貸か購入か選択することは不可能。
また、住んでみなければ、人生に何が起こるかわかりません。
50メートル離れたマンションに住むことで人生が変わるかもしれません。
5年先には、分譲マンションの価格だけが下がっているかもしれません。
逆に、にわかに人気化して賃料が上がることだってあり得ます。

つまり同じ人間が20年、同じ住宅に賃貸と購入に分かれて
住んでみないと分かりません。そんなことは不可能でしょ。
このように「賃貸VS購入」はどこまで行っても結論が出ないのです。
だから、これは神学論争なのです。

よく「賃料の何年分だったらお買い得」みたいな指標がありますね。
あれって、もとになっているデータはなあに?
同じマンションの同じ部屋が賃貸と分譲の両方で募集をかけることはありません。
つまり、厳密なデータには基づかない指標なのです。
「相場観」という極めてあいまいなデータに頼っているのではないですか?
日本には、賃料や流通物件の実際の取引価格に関する、
厳密な意味で信頼に足るデータなんてありませんから。

まあしかし、日本人はそういうデータに弱いですね。
だれか、ちょっとした権威がいうことを無条件に信じます。
本当は、すごくいい加減なデータが根拠になっていたりするのに。
まあ日本の場合は大きな嘘はありません。
でも、恣意的にやろうと思えばいくらでもできます。
だいたい、お役所が率先してそれをやっていますから。

さて、賃貸か購入かというと、実は購入派が数で圧勝すると思います。
誰だって、借りているよりも持っている方がいいに決まっているのです。
だって、お金が払えなくなっても、そこには住めるわけですから。
でもね・・・実はそれも完全ではありません。

日本の住宅には固定資産税がかかります。
もし、それが払えなくなると役所が差し押さえにかかります。
マンションだと、管理費や修繕積立金もかかります。
長期間滞納すると、管理組合が差し押さえて競売にかけます。
購入して完全な所有権を得たからといって、盤石ではないのです。

でもね、固定資産税や管理費を払っている限り、
この国では私有財産をとことん尊重してくれます。
その昔、政府が空港を作るからといって、
建設予定地の農民から土地を買い上げようとしました。
しかし、農民たちは「嫌だ」といってゴネました。
結局、これが大反対運動に発展したのです。

今の若い人は知らないでしょうが、ほかでもない成田空港。
過激派も加担して、一時は国を揺るがすほどの大騒動。
開港直前に過激派が空港内に突入して、
管制塔の機材を破壊したこともありました。
でも、結局開港して現在はあの通り正常に機能しています。
ただ、今も成田に入るときにいろいろチェックされるでしょ。
あれはその時の騒動の余韻なのです。

あの騒ぎは、国のために空港を作るから農地を買い上げる、
という政府の方針に最後まで反対した農民が本当の主役。
彼らは、自分の土地を最後まで手放さずに徹底抗戦しました。
それができたのは、日本という国が徹底的に私有財産を保護する
法律の制度を作り上げていたからです。

この前、支那のどこかの街で共産党本部が襲われたことが
ニュースになっていましたね。
あれは、地方政府が農民の土地を低額の補償金で取り上げたことに対する、
命がけの抗議行動だったと報道されました。
まあ、日本じゃ考えられません。

この違いは何かというと、私有財産に対する保護。
ヨーロッパにおける近世以後に発生した数々の「革命」の目的は、
ひとつに「私有財産の保護」というものにあります。

私は、高校ぐらいの時にそれを教科書的に教えられて随分不思議でした。
日本では、私有財産の保護は鎌倉時代から法制化されています。
だから、それを革命の目的にする必要はなかったのです。
ところが、現代の支那ではそれさえもできていません。
権力者は人民の財産を自由に取り上げることができるのです。

つまり、日本人は呑気に「賃貸VS購入」という神学論争をしていますが、
お隣の支那では購入した住宅がお上のご都合次第でなくなるかも・・・
これは、真面目な話です。
表向きの法制面でも、支那の土地は全部「国家のもの」です。
日本的にいう所有権はなく、数十年単位の使用権です。

その昔、皇帝のいた支那では、土地は全部皇帝のもの。
だから、皇帝(あるいはその役人)の意思次第で
農民から自由に土地(私有財産)を取り上げられたのです。
ところが、今の日本では最後の最後まで抵抗できる。

この、政府に逆らってまで主張できる
「私有財産権(法律用語では『所有権』)」は、支那人にとって新鮮。
だから、彼らは個人レベルで日本の不動産を買い漁っています。
だって、いったん法務局に登記してしまえば、
警察の機動隊に対抗できるほどの強い権利を主張できるのですから。
逆らったら殺されてしまう大陸とは大違い。

所有権をこれほど強力に保護してくれる国は、
そう多くないと私は思っています。
海外の不動産を日本人が買う時、不安なのはこの点。
先進国は比較的権利保護の制度が整っています。
発展途上国はちょっと不安。

でも今の私、みなさんにバリ島への不動産投資を勧めています。
まあ、日本に比べればまだまだ発展途上。
でも、自分で見てきて思ったのは「悪くなさそう」ということ。
バリ島はインドネシア。元はオランダ領です。
法制度はオランダ式。つまり、明治期にプロシアから法制度を取り入れた
日本と基本的には同根の法体系が整えられています。

きっちりと登記をしておけば、そうそう危ういことにはならないでしょう。
現地では、私の大学の先輩である
日本人の弁護士資格者もサポートしてくれます。
私が信頼する現地法人の日本人経営者が、管理します。

何度も書いていますが、バリ島は成長余力がたくさんあります。
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私が考えるところ、為替リスクもほとんどありません。
不動産価格はヨーロッパの富裕国経済に連動していますから。
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に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。


2013/11/20 10:52 Comments (1)

1件のコメント

バリ島は大好き。自分専用のコテージがあればいいと思っていましたが、今ひとつ踏み出せません。管理や権利関係について、もっと踏み込んだ話題を期待します。

2013/11/21 01:32 | by 桐生人

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