無茶苦茶なマンションネーミングが氾濫中

今年も残すところあと僅かとなりました。
こんな押し迫った時に、マンションの話を続けるのも
ちょっと恐縮なのですが、これが唯一の芸みたいなものでして。

名前の話です。
「無駄に長い」という話は何度かしました。
ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス・・・
キーボードを打つのが疲れますね。書くのはもっと疲れます。
どうしてこんなに長くしたのでしょう?

このマンションの場合は、さらにたちが悪いのです。
省略して「ザ・パークハウス晴海」とか「晴海タワーズ」だと
そのマンションだと特定できないからです。
ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス
というのが、お隣に誕生するからです。
嘘みたいですけど、本当の話。兄弟タワーだから。

売主は三菱地所レジデンスという会社。
ここのブランドは「ザ・パークハウス」。
この「ザ」というのが何とも滑稽に思える、ということはいつか書きました。
アメリカのコンドミニアムの名前を調べていると、
確かにTHEのついたものもあります。
だから文法的には何とかOKなのでしょうが、違和感はありますね。

まあ、それよりも長いことのほうが厄介ですね。
ネットで何かする時に自分の住所を打ちこむことが多いかと思います。
まあ自分のパソコンに変換を登録しておけば楽なのでしょうが、
書いたりするときは凄く大変。
住所欄のところに「建物名」を入れさせられる機会って、
けっこうありますよね。
また、電話で住所を伝える機会も少なくありません。
そういう時に、こういう長ったらしい名前は困ります。
長ったらしい名前を付けるのは、売主の自己満足に過ぎません。
あるいは、名前で売行きが変わると勘違いしているのです。
どうして「パークハウス晴海A棟」とかにできないのでしょう?

まあ、以上は前にも書いた話です。
今回は、最近はやっている外国語でのマンション名について。
一番違和感を覚えるのが「ドゥ・トゥール」。
欧文での名称は「DEUX TOURS CANAL&SPA 」。
英語読みに慣れた日本人には発音しにくいですね。
フランス語だそうです。英語風に言うとtwin towerだとか。
はっきりいって、99%以上の日本人は「それって何?」の世界。
どうしてこんなに分かりにくい名前を付けたのでしょう?
私にはまったく理解できません。

そもそも日本語にはドゥやトゥという発音がないはずです。
フランス語で1,2,3が「アン、ドゥ、ツルー」だと知っている人は
5%くらいいるかもしれませんが、そこから「ドゥは2だな」とはなりません。
しかも、普通に聞くとコーヒー店の「ド・トール」と区別できないでしょう。
本当にサッパリ分からないネーミング。
マンションの珍名ベストテンを作るとすれば、まず10位以内は確実ですね(笑)。

そして、このご近所に「KACHIDOKI THE TOWER(勝どき ザ・タワー)」
というタワーマンションも最近デビューしました。
これも一見普通そうに聞こえるけど、よく見るとかなり不思議。
だって、名称の中にTheがついています。
Theというのはモノを特定するために使うもの、と私は理解しています。
この場合towerを特定していますが、その前にあるKACHIDOKIってなあに?
普通に言うとTHE KACHIDOKI TOWERではないでしょうか。
そもそもTHEを付ける必要もないとは思いますが。

それに、どうして正式名称がアルファベットなのでしょう。
日本語である「勝どき ザ・タワー」は( )の中なんて、一段下みたい。
日本のマンションだろ、日本語使えよ!
なんて書くとまた「あいつは右翼だ」なんて言われますかね。
右か左かと言われれば、ちょっとだけ右のつもりですけど(笑)。

まあしかし、どうして晴海・勝どきエリアには
珍名のマンションが多いのでしょうか?
そもそも、このエリアには「東京タワーズ」などという
何とも恥ずかしさを感じるマンションもあります。
マンション名にも「類が友を呼ぶ」ということがあるのかしら、なんて。
他社がバカやっているからといってまねる必要はないと思いますけど。

勝どきから橋をいくつか渡った有明エリアには
「ブリリア有明シティタワー」というマンションが販売されています。
これって東京建物の「ブリリア」と住友不動産の「シティタワー」という
ふたつのブランド名を使っています。売主がこの両社だから。
購入者にとって自分のマンション名はシンプルであって欲しいもの。
無駄に長いのはめんどくさいだけ。どっちかに統一して欲しかったですね。
もし、もう一社三菱地所レジデンスが入っていたら、
ザ・パークハウスブリリア有明シティタワーになったのでしょうか?
なんともアホらしいお話です。

私もコピーライター時代、いろいろなマンション名を考えさせられました。
今でもコピーの仕事はしていますが、ネーミングはもっとも嫌です。
もう2年くらいはネーミングの依頼がこないのでホっとしています。
あれほどバカバカしいことはありませんから。

もっとも「ネーミングは最大のキャッチコピー」というのが
広告のセオリーになっていたりして、バカにはできません。
しかし、日本の分譲マンションに限っては、
その役割を逆ベクトルで果たしている例が多いように思えます。
また、エンドユーザー側も名称なんて気にしていないでしょう。

庭が全くないのに「パークホームズ」や「パークハウス」だったり、
郊外にあっても「シティハウス」なんてことはザラ。
こと分譲マンションに限っては、ちっとも「名は体を表」していません。
マンション業界というのは非常識なことが多いのですが、
このネーミングの無茶苦茶加減こそ、それを象徴しているのかもしれません。
まあ、後何十年経ってもこの体質は変わらないでしょう。
もっとも、マンションの開発分譲自体は、何十年も続けられないでしょう。
20年後は今の10分の1の規模もないはずです。
理由は、いつも私が書いている通り。

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2013/12/27 15:06 Comments (0)

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