ソニーよ、鹿島よ、君、死にたもうことなかれ

本日、東京には雪が降っています。積もっています。
もう立春が過ぎたのに、暦と現実は乖離しています。
そもそも、立春などというのは旧暦上のことでしょ。
旧暦の2月4日は今われわれが使っている新暦では3月4日ですから。
この旧暦の立春を新暦に変えることはできないのでしょうか?
実に簡単なことではないですか。どうしてやらないのでしょう。
恵方巻を食らう節分を3月3日にして、ひな祭りを4月4日にすればいいだけ。
秘密保護法の法案を通すより100倍カンタンなはずです。

まあ、そんな話はどうでもいいのですが・・・
まず、「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」事件の与話。
施工を担当した鹿島に対して三菱地所レジデンスが損害賠償を請求する、
というような話がニュースサイトなどで報道されています。

私が考えるこの事件の問題点は
・三菱地所レジデンスはいつの時点で、どのレベルで内容を把握したのか?
・もし、発覚しなかったらどうしていたのか?

私が仄聞したところによると、鹿島の社内では
去年の秋ごろから大問題になっていたようです。
当然、三菱地所レジデンスにも報告されたでしょう。
であるのに、なぜネットの書き込みで発覚する引渡し直前まで、
契約者には黙っていたのでしょう?
「バレなきゃ引き渡してしまおう」というスタンスでなかったのかと、
疑われても仕方がないと思います。
そういった意味で、地所レジには大きなビハインドポイントが付きました。
まあ、バレてからの対応は業界らしからぬ潔さでしたが。

契約者には、販売価格の2割が「迷惑料」として支払われるそうです。
ただ、民法上は購入契約者が「契約の履行に着手」していれば、
解約は不可能ですから2割程度の迷惑料では少ないかもしれません。
個別交渉でゴネてもっともらっている人もいると考えるのが常識。

今回、もっとも大激震を食らっているのは、施工した鹿島。
いわゆる日本を代表するスーパーゼネコンの中の、さらに代表格。
鹿島は売上こそ1兆650億円(今期予想)ですが、経常利益は210億(同)。
迷惑料を全額請求されたとして30億円くらいでしょうか。
その他、同額以上の施工費がぶっ飛びますから、100億近い特別損と予想。
経常利益の半分が持っていかれてしまいます。だからかどうか・・
ここ数日、株価は急落していますね。
まあ、この事件だけではなく世界同時株安の影響があるのでしょうが。

最近の噂では、刑事事件に発展して逮捕者が出るかもしれない・・なんて。
でも、何の罪科なのかよく分かりません。背任でしょうか?
しかし、事の起こりは単純なミスだと推測できます。
施工段階で設計図と施工図の打合せを端折ったのではないでしょうか。
「後からコア抜きでもなんでもすればいい」という発想。
コア抜き自体は普通のやり方。数か所なら特に問題ないそうです。
ところが、それが多くなりすぎて600か所。
すでに開けてしまったらしいですね。だから大問題。

市川市で2007年に発覚したタワーマンションの鉄筋不足問題では、
最終的に施工会社である清水建設が残住戸を引き取ったのでは
なかったかと私は記憶しています。
このマンションもそうなるのでしょうか?
鹿島の損害はますます増えそうな気配を感じます。

ただし、すごくインサイダーな話・・・
「建て直して販売するなら、待っていて買う」という契約者が
何人もいたと聞いています。
あそこ、そんなにいい場所なのでしょうか?
私にはちっともそうとは思えませんでしたが。

少し話題を変えます。
ソニーが今期1000億円の赤字を計上するそうです。
ちょっと前までシャープやNECが倒産の危機だったのに、
今度は日本の製造業の星であるソニーが危急に陥っています。
バイオのブランドも売り飛ばすとか。価値はあるのでしょうか?

ソニーと言えば、私の世代では「憧れ」の企業でした。
「伝説」といってもいいかもしれません。
しかし、映画や音楽、金融に進出することでモノづくりから
徐々に離れていくイメージがありましたね。
今や、そういうサービス業部門の儲けが大きいみたいで、電機関係は赤字。
先日の発表も隅々おかしなところがり、株主に対しては不親切。
あの企業に夢を託して株を買った方には、ちとお気の毒ですね。
まあ、自己責任の自由主義社会ですから仕方がないことでしょうが。

しかし、鹿島にしてもソニーにしても「盛者必衰」というか、
「一寸先は闇」というか、運命の怖さを感じます。
どちらも倒産することはないでしょうが、当面は苦境ですね。
鹿島の事件の方が一過性なので傷は浅く済むと思います。
失った信用は少しだけ尾を引くかも知れません。

関係ありませんが、ふと外を見ると積雪が10㎝を超えたようです。
マンション業界では、この飛び石連休は書き入れ時。
最近のモデルルームは予約制が多くなりましたが、
キャンセルが続出しているような気がします。お気の毒。
私のところにも、無料、有料、電話での相談が今週は多く、
みな「この土曜日」とか「9日」に何らかの決断を迫られていました。
そういった方々は、この雪の影響を受けていないでしょうか。

かくいう私も、先月末からインフルエンザや風邪に悩まされています。
「・・は風邪をひかない」という世間の常識に乗っかって、
ここ数年その手のものには無縁であった私も、とうとうダメみたいです。
ということで、ブログの更新もペースが落ちています。
体調が悪くても、連載原稿は書かなきゃいけないし、
新規の原稿依頼も断れません。取材もあり、来訪者も多い1週間でした。

ということで、今日はこれくらいで。

22日のセミナー。今回も少人数開催の見通し。
ゆったりと、和気あいあいのムードで行いましょう。
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2014/2/8 15:14 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。
私は夏暑くて冬寒い京都で育ちました。
子どもの頃の方が、今より確実に寒かったと思います。
貧乏人で、スカスカの家に住んでいたのもあるでしょうが(笑)。
雪もよく降りました。
美しかったかどうか・・・感受性が乏しいのか、あまり記憶にありません。
馬齢を重ねるごとに、美への感動が薄れます。
子どもの頃に見た風景・・・時々夢に出てくるような気もしますが。
いつも味のあるコメントをありがとうございます。
これからも楽しみにしています。
榊淳司

2014/02/10 18:08 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

わたしは、
暖かい地方に生まれ育ったので、
雪の経験は少なく、でもそれだけに、
いっそう鮮烈な思い出があります。

昔、私が子ども時代、
例えば60年も前は、今よりも雪が多く、
寒かったような記憶があります。
そして雪景色が、今よりも美しかったような。

先ごろ或る雑誌に、作家・橋本治が書いていました。
子どものころ、世界はみな美しく見えた、と。
遠い昔に見た雪景色が、美しく思えるのは、
そのせいかも知れません。

いつまでが、子どもなのか?
男の子のばあい、
半ズボンが似合っているあいだ、
でしょうか。

半ズボンが似合わなくなったら、
子ども時代は、おしまい。
次は、ステテコですか。

大都会、TOKYOに暮らしながら、ふと、
思うこと。
われ、田園に死す。

ごきげんよう。

2014/02/08 22:19 | by まろたん

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