マイルドヤンキーさようなら、都心富裕層こんにちは

この土日で、消費税増税による反動減の最初の兆候が出るはずです。
私の感覚では、思ったほどではなさそうですね。
でも、これは私の周辺を見ただけの感想。
私のまわりは都心居住のリッチ層が多いので(私を除き)、
日本全体の傾向を推し量るには偏り過ぎています。

今、マーケティングの世界で「マイルドヤンキー」が話題ですね。
自分の生まれた場所で、それなりの暮らしに満足する人々。
こういう層に、今までのマーケッターは注目してこなかった。
でも、実に彼らはこの国の多数派である・・・・

これで思い出したことがあります。
3年くらい前に、女性週刊誌の「ちょっと変わった住まい」みたいな
企画に引っ張り出されて、あっちこっち取材に連れていかれました。
横須賀とか川崎の奥とかまで、車に乗って付いていきます。
現地では、あれこれコメントして、写真を撮られたり・・・

そりゃまあいいのですが、一緒に行く記者さんもカメラマンも、
女性週刊誌だからか、なぜか女性。それも共に30代独身(想像)。
まあ、何時間も一緒に車に乗っているので、四方山話。
いくつも印象深い話をお聞かせいただいたのですが、
車を出してずっと運転してくれた
女性カメラマンさんの話をよく覚えています。

彼女がその何年か前に婚約者と彼の故郷を訪ねた時の話。
どこか東北の田舎だったと記憶しています。
彼氏と一緒にその村みたいなところに行って、何日か滞在したそうです。
毎日、彼氏の中学校の同級生と飲み会。
最初は「東京からアイツが彼女を連れて帰って来た」
という歓迎ムード一色で、かなり盛り上がったそうです。当たり前。
でも、そんな飲み会が毎日毎日続くそうです。
それも、同じ店、同じ顔触れで。

その女性カメラマン氏、3日目で嫌になったそうです。
そりゃ、そうですわな。毎日同じ人間と同じ店で飲み会やって、
いったい何が面白いのでしょう?
でも、これは我ら都会住人の発想。
マイルドヤンキーたちはそれでも十分に満足なのです。

結局、その女性カメラマンは彼氏との婚約を解消。
そんな話を横須賀から川崎に向かう彼女の車の中で聞きました。
その時は「へえ、田舎の若者たちはそうなのか」くらいの感覚。
最近のマイルドヤンキー論浮上でにわかに思い出した次第です。

東北まで行かなくても、東京の郊外都市でも
マイルドヤンキーは若年層の主体ではないでしょうか。
ちょっと前までは、新築マンション市場のターゲットですらありました。
郊外の駅からバスでしか行けないような場所にできる、
2000万円台のマンションにとって、主要ターゲットは彼ら。
年収300万円台や400万円クラスでも、
親から500万円くらい援助してもらえれば十分に購入できます。

しかし、今後はこういうマイルドヤンキー向き物件は激減するでしょうね。
なぜなら、経済的に「割に合わない」買い物になるからです。
例えば、新築マンションが坪130万円で販売されている隣で、
築10年ちょっとの中古マンションが半額近くの坪70万円だったりするのです。
10年で資産価値が半減するマンションを、35年ローンで購入するというのは、
どう考えても経済合理性がありません。
もう「何でもいいから新築に住みたい」というパッションが必要です。

この前、どこかのテレビ局からコメント要請が在りました。
「最近の若者は中古に対する距離感が近くなった」という企画。
どういう内容で放送されたのかは知りませんが、
方向性としては間違っていないと思います。

今、新築マンション市場は戸数的にかつての半分程度まで縮みました。
しかし、戸当たりの販売額が小さい郊外中心から、
価格の高い都心へ重心を移したので、経済ボリュームは半減とは言えません。
そして、新築マンションの販売ターゲットの中心は、都心の富裕層。
かつての「第一次需要層」は、主役の座を引き下ろされました。

第一次需要層とは、都会に住む普通のサラリーマンです。
年収でいえば500万円から600万円あたりまで。
まあ、景気のいいときは700,800万円くらいも含めました。
でも、今の時代700とか800万円という中途半端な年収層は、
かなりボリュームダウンしたような気がします。
「中堅所得層の崩壊」というべき現象が進行している様子。

今や、新築マンション開発は、一部の富裕層のみを相手にする、
狭域マーケット産業と変貌してしまったのです。
マイルドヤンキーさようなら。都心富裕層のみなさん、こんにちは。
今後、新築マンション業界は、さらに市場を狭めると思います。
20年後には、一部の富裕な新築マンション好事家のみを相手にする、
きわめてオタッキーな業界へと変わっているでしょう。
その時の主要企業の顔触れと、今のそれとは全然違うはず。

その変化は徐々にではありますが、確実に起こっています。
東京五輪の後は、雪崩を打ったようにその方向に進むはず。
「あと6年しか」と考えるか、「まだ6年も」と捉えるか。
それは、この業界人それぞれの中にあるでしょう。
しかし、総じてこの業界は「せいぜい2年」先しか
読まない方が98%以上ではないでしょうか(笑)。

今週水曜日、9日は私の「湾岸タワー」セミナーです。
正確に集計していませんが、参加申し込みはまだ6名程度だったはず。
どうぞ、今からでも間に合いますので、お申し込みください。
前回(港区セミナー)は、参加者7名のうち4名ほどが
「○○クロスの抽選に落ちた」「私は0階の・・・」
なんて話で、私そっちのけで盛り上がっておられました。
お互いにメルアドなんか交換されたり。
今回は「湾岸」がテーマなので、どの物件が話題になるでしょうか?
ちょっと楽しみですね。

マンション業界のことを赤裸々に語ってしまうセミナーを4月9日に開催。
まだ、参加者はほんの少し。みなさんの申し込みを待っています。

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2014/4/6 14:57 Comments (4)

4 Comments

まろたん様

まことに説得力のある知見です。
私は自由です。経済面以外ですが(笑)。
27歳でサラリーマンを辞めました。
46歳で社長を止めました。
2段階で自由になりました。
好き放題。言いたい放題。やり放題。
あとは、必要な金を稼げばいいだけ。
何とも心地いい境遇です。
まあ、嫉妬ブタにとっては「許し難い」のでしょう(笑)。
しかし、くだらない目にあっています。
人間社会に住む運命でしょうか。
アホどもの相手をせざるを得ません。
警察、裁判、その他もろもろ。
連中が始めなければ始まらなかったこと。
こんな些事に追われるとは予想だにしませんでした。

まろたんさん、引き続き分析をお願いします。

榊淳司

2014/04/08 00:11 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「嫉妬ブタ」。
その精神病理について、以下、具体的に書きます。

今や日本は、かなり堅固な管理社会です。
さらに、会社や学校など組織に属しますと、
そこに於いても、不本意ですが管理されます。

管理されることは、個人にとって精神的な抑圧です。
シバリが強いほど、精神的抑圧は強くなります。
そして組織の中では、人は保身のため、
自分で自分を抑えるようになります。
つまり管理者の顔色を伺う、という自己規制、自己抑制。

このような環境は、多少は順応するとはいえ、
人間本来の有りようからいえば、精神的に厳しい状態です。
そして経年とともに、無意識ですが鬱屈し屈折します。

もっと自由に自分を表現したいのに、できない、
という屈折は、心の深奥でくすぶり続けています。

そのような精神病理をもつ人間が、
自由に自分を表現している人を見たとき、
どのような感情を抱くでしょうか。

自分の心の深奥にある、自由に生きたいという、羨望。
しかし自分は抑圧され、自己抑制して、それが出来ない。
その鬱屈した感情が、許せんという不寛容の感情となり、
さらに屈折して「嫉妬心」が湧いてきます。

つまり嫉妬心の原因は、自分の心の中にあるのです。
抑圧され、自己抑制している自分の心にあるのです。

以上が「嫉妬ブタ」應田治彦の精神病理です。
應田治彦は、リケン組織の中で、
抑圧され自己抑制しています。
その應田が、榊さまの自由な生き方を見て、
嫉妬心がメラメラと湧き上がって、
八つ当たりの嫌がらせをした。

ですから、自由に生きている(ように應田が見える)人なら、
榊さまでなくても、他の誰かでも良かったのです。
が、運悪く、榊さまは、
嫉妬の「流れ弾」に当たった、ということです。

暗い日陰に生きる隠微な植物は、
明るい太陽の下で咲く花が、
感情的に許せなく、嫉妬するのです。

まさに、嫉妬の精神病理は、
日陰に生きる「隠微な植物」の心です。

もう一匹の、マツモトも同根です。

もう少し書きたいのですが、次回にします。

1.どのような属性をもつ人間が、このようになりがちか。

2.「嫉妬ブタ」に、どのように対処していけば良いか。
あしらい方。闘い方。そのタクティクス。

以上の2項目について、次回、私見を書いてみます。

ごきげんよう。

2014/04/07 15:54 | by まろたん

まろたん様

またも味わいのあるコメントをありがとうございます。
誰にも言っていないZAITENの記事までお読みくださるとは・・・
ちょっとビックリしてしまいました。

私はまだ子育て中なので痛感するのですが、
生涯でもっともハイコストなのは教育ですね。
我が家の場合、住宅費を上回りそうです。
人によっては医療費でしょうが。

そして住宅。
この国の住宅政策は大量供給の愚に気づき、
ようやく舵を切ろうか、というところ。
でも、現状はまだ旧態依然の「持家推進政策」。

供給過剰によって、地方郊外では住宅価格が暴落。
その波はヒタヒタと首都圏に押し寄せてきているのに、
都心ではコストアップによるマンション価格上昇。
まるで1945年5月のベルリンではないかと思えます。
ソ連軍が迫っているのに、ヤケクソ気味に
「最後の宴」を楽しんでいるナチの首脳たち・・・

ただ、この宴は最長あと6年続くかもしれない。
今年の後半には終わっている可能性もありますが。
こればかりは、私なんぞにはよく分かりません。

次回、「嫉妬ブタの心理構造」とか、
「嫉妬ブタの典型行動」みたいなご教示を
ぜひお願いできればと思います。

榊淳司

2014/04/06 18:05 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

戦後70年の住宅需給の総括と、20年・五輪後の予測。
まことに過不足ない知見であります。

殊にこの10年ほどは、強引にねじ込んでいる有り様。
惰性頼みの、最後の突っ込み、ヤケのヤンパチ、かと。
そして、誰もいなくなった、でしょうか。

大多数の国民の所得は停滞・減収する。
その一方で、消費税、相続税などの増税。
また、配偶者控除などの控除カットによる実質的増税。
更に各種保険料などの上昇などで社会的負担は重くなる。

つまり可処分所得は、減って減って、減り続ける。

加えて、医療・介護の公的給付の先細りは、既定路線。
公的年金に至っては、いくらでもあれば良し、の状況。

自分防衛しなさい、
ということでしょう。
国家は、もはやノンキもんの面倒は見ませんよ、
ということでしょう。

そんな将来なのに、住宅に大きなコストを掛けられますか。
どこのウマのホネか、ブタのクソか分からない、
バカなノンキもんでも、これくらいは・・・。

自衛のためには、
死ぬまで日銭が稼げる仕事をもつこと、
もしくは、
定年までに、老後を賄えるだけの資金を貯めること。

最後の切り札は、親の遺産狙い。
これ以外は、野垂れ死にです。

生活保護だより。
そんなゼニ、どこにあるんだ、
と。
働かざるもの・・・ですな。

ま、もうしばらくは、ノンキな夢が見られますわ。
よかったね。

嫉妬ブタの続編を、書くつもりでしたが。
今日は、ここまで。

ZAITEN・今月号の京都の記事、拝読しましたよ。
子どもの教育事情ですか。いやはや。

20年以上も前のことですが、
住民票を移し、番町小学校に越境入学させた親を、
知っています。
勤務先の同僚でした。

ごきげんよう。

2014/04/06 16:26 | by まろたん

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