マンションデベをメッタ斬り1 財閥系編

最近、「ブログの品が良くなりましたね」なんてご意見をいただきました。
私としては、特に意識をしているわけではありません。
このブログは、私が考えていることをそのまま発信するためにあります。
したがって、品が良くなったのは、私の人格が高潔になった?
そんなことはありません。私はいたって俗な人間です。
ただ、品のいい方に合わせる術は昔から養ってはいますが。

というわけで、本来の私らしさを出すために、ちょっと過激な企画。
前にも1回くらいやった覚えがあるのですが・・・・

デベロッパーをメッタ斬り

ハハハ・・・何とも俗ですね。
大手企業の悪口を書くのは得意中の得意です(笑)。
また、たいていの方はおやりにならないこと。
ここは久しぶりに遠慮なく斬らせていただきます。

野村不動産
やっぱり、トップバッターはここです。
なぜなら、実質的に日本のマンション業界を引っ張っています。
そもそも、私がこの業界に入った頃は極めて地味な存在でした。
15,6年前からでしょうか。急速にのしてきましたね。
最初は「ヒルズ」というブランドでした。今は「プラウド」。
最近では、ユニクロ型に徹した「オハナ」というのもあります。

はっきりいって、いいモノを作ります。
事業担当者が、それこそ寝ずに仕事をするからです。
設計の尻を蹴飛ばし、ゼネコンの頭を殴りつけ、
広告代理店を罵倒しながら事業を前に進めます。
ほとんど手抜きということがありません。
だから、出来上がったものはそれなりに立派。
事業担当者は、絶対に失敗が許されない環境なのです。
一度失敗すると「ハイ、さようなら」の世界だとか。
だから、野村不動産の社内はいつもピリピリしていますね。

営業力が抜群です。おそらく業界イチでしょうね。
完成在庫になる物件はほとんどありません。
竣工間近になると、なりふり構わず値引きを始めるからです。
親会社の野村証券は「ノルマ証券」といわれていますが、
ここは「ノルマ不動産」と呼んでもおかしくありません。

みなさんが注意すべきことは、ここの営業に煽られ過ぎないこと。
竣工が近づくと値引き販売する住戸を、定価で買うとバカを見ます。
もっとも、購入側はどこの住戸が残っているのかが分かりません。
だから、煽られずに慎重に見極めることでしょうね。

住友不動産
会社も、作るマンションも、広告も、面白味がありません。
宗教的ともいえる合理主義を貫いている会社です。
マンションの開発事業というものは、巨額の売上があるとともに
莫大な外注費が発生ます。用地購入、建築、設計、広告等です。
ほとんどのデベロッパーでは、担当者がそういった外注先と癒着します。
土地のブローカーやゼネコン・設計の担当者、広告代理店の営業・・・
「飲ませる、食わせる、○かせる」は当たり前。
特に商社系やノンバンク金融系の企業が酷いですね。

ところが、住友不動産はその点がストイック。
そのかわり、出費を切り詰めるだけ切り詰めている様子。
だからといって、ここの分譲マンションは安くありません。
だいたい、市場の10%から15%くらい高いのではないでしょうか。
内容が伴っているかというと・・・・まあ、ちょぼちょぼ。
悪いものは作りません。でも、価格相応ともいえませんね。

何よりも、野村不動産のように値引きをしません。
ここのマンションで、竣工までに完売する物件はほとんどありません。
もし、完売してしまうと事業担当者が
「どうしてそんなに安く出したのだ。もっと儲かっただろ!」
と、叱責を喰らうという話です。
だから、竣工した後、何年も販売を続けている物件ばかりです。

カンタンにいえば、ここのマンションは市場より高くて
値引きもしていない物件ばかり。
だから、まずは手を出さない方が無難です。

三菱地所レジデンス
「ザ・パークハウス」というのがブランド名です。
潰れかけた藤和不動産という会社を吸収合併してからそうなりました。
それ以前は「ザ」が付かないただの「パークハウス」。
その頃の方が、ここのマンションには品があったように思えます。
三菱と名がつくわりには供給量は少なかったですが。

今は、供給量でもかなりレベルに達しているはずです。
そのかわりに「エッ、こんなところにも」という立地にも
「ザ・パークハウス」が事業化されています。

この会社の上層部は三菱地所からの出向組です。
彼らはエリート。地所本体は東大と慶應の学閥が巣食います。
一方、吸収された旧藤和不動産組は冷や飯ぐらい。
現場の兵隊として使われています。
また、旧三菱地所住宅販売の社員たちも大きな層をなしています。
この三層構造カーストは当面続くでしょうね。
現場のモラルが低いのは、そのせいだと思います。

三井不動産レジデンシャル
一応、業界のリーディングカンパニーと目されています。
近年は野村不動産と住友不動産の猛追を受けているように見えます。
ブランドとしては「パークホームズ」や「パークタワー」。
地所レジは「ザ・パークハウス」、以前は「ザ」がなし。
スミフは一時「パークシティ」を使っていました。
大手がみんな「パーク・・・」を使うなんて、ヘンですよね。
「みんなで渡れば怖くない」式の、日本人独特の発想でしょうか。

全体的に、品のいいマンションを作ります。
住友不動産のように、やけに「厚かましさ」を感じるマンションは作りません。
その点、やはり業界のリーダーなのでしょうね。
価格も決して安くありませんが、バカ高いということも少ないですね。

ただ、妙にプライドの高いところがあります。
市川の鉄筋不足や新川崎の不良工事が発覚した時の対応で、
到底水際立ったとは言えない危機管理能力を晒しました。
そのあたり、大企業ならではの鈍重さを感じましたね。

ここも、三井不動産からのエリート出向組と、
旧三井不動産販売系の社員が二層構造をなしています。
出向組が事業の企画担当になるケースが多いようです。
彼らは優秀です。デベロッパーの中の最エリートでしょう。

この会社はあまり無謀なことはやらないのですが、
時々疑問を感じるような事業にも手を出します。
例えば「柏の葉キャンパス」。
私から見れば、あまり聡明とは言えない事業ですね。
ただ、今後も業界の精神的なリーディングカンパニーで
あり続けることは確かでしょう。

東京建物
芙蓉系の不動産会社です。ブランドは「ブリリア」。
いっときブイブイいわしていたのですが、最近は冴えません。
単独事業も少なくなりましたね。
自信を無くしている証拠かもしれません。

湾岸エリアの有明で「ブリリアマーレ」というタワーマンションを
分譲していたのは7年くらい前でしょうか。
広告のキャラクターにアメリカからマドンナを呼びました。
ド派手なプロモーションで調子よくスタートしたのですが、
リーマンショックで見事に頓挫。あれがケチのつき始め?

2年ほど前は磯子の巨大プロジェクトで屈辱の価格改定、もありました。
事業のセンスが良くないのかもしれません。
一部のキーマンがマンション事業を引っ張っているといわれます。
サラリーマン企業でそういうことが起こると、必ず反動がありますね。
ここは企業の体質として、そういう弱点があるように思えます。
プライドだけは高いようですが。

さて、長くなりましたので今回はこのくらいで。
次回以降は、他のデベロッパーも取り上げたいと思います。
大和ハウス工業
コスモスイニシア
積水ハウス
ゴールドクレスト
一建設
東急不動産
大成有楽
大京
オリックス
住友商事、住商建物
丸紅
セコムホームライフ
サンウッド

その他、ご要望があればコメントでお知らせください。

現在、下記の「リゾートマンションの滞納管理費回収セミナー」は
参加申込み7名、確定5名です。
定員10名ですのでまだ3~5名分の枠があります。
開催まで1ヵ月を切りました。
お申込みは早めになさることをお勧めします。
参加確定10名で締めきります。

リゾートマンションの滞納管理費回収セミナー開催
お申込みはこちらから

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。


2014/7/2 16:08 Comments (5)

5 Comments

デベ社員さん、こんばんは。

コメントをありがとうございます。
あまり良いことではないですが、寡占化は進んでいますね。
私も、その代理店の古典的なOBの一人ですよ(笑)。
もういい歳ですからサラリーマンは無理。
ただ、マンションに対しては思い入れがあります。
だから、こんなことをしています。
お手伝いできることがあったら何なりと。

榊淳司

2014/07/11 23:04 | by Sakaki Atsushi

榊さん

めちゃ詳しいですね。
私中小のマンデベですので
総合デベにはあこがれます。
なかなか入れませんけどね。。。

大手の場合、分譲マンションや戸建事業などは、
ほとんどサブ的事業ではないでしょうか??

不動産収益のメインはやはりビル事業、ストック事業だと思います。

それでも7月現在では大手しか売れてないですし、
用地も買えてません。

この業界大手以外いらないとさえ思ってます。

分譲マンション業界にかけてきた代理店出身者も多いと思います。特にSゲイ。

そんな方たちの思いをはせてるのもやはりデベ。

デベロッパーサイドで仕事したいと思いませんか??

ちょうど事業企画部募集してます(笑)

よかったら。

2014/07/11 18:37 | by デベ社員

興味深く拝見しました。
野村は優秀なようですね。買える値段で出れば買いたいと狙っている物件がありますので、ちょっと後押しされてしまいました。
あとただの野次馬根性ですが、
モリモト、グローバルエルシードも追加していただけるとうれしいです。

2014/07/05 20:47 | by ななし

まろたんさん、こんばんは。

その記事の広告、見ました。
でも、私は信じません。
というか、1年3か月先のことなど、分かりません。
安倍君がそのつもりでも、変数多すぎますね。
公明党は自民に付いていくしかありませんな。
野党に戻ったら、宗教法人課税でもやられそうですから。

建設業も不動産業も、人口減の時代にはもろに影響を受けますね。
彼らもうすうすわかっているけど、目先のことで精いっぱい。
まあ、私はあと10年ちょい付き合いますけど。

それでは、ごきげんよろしからんことを。

榊淳司

2014/07/02 22:21 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

マンションデベを、斬り捨て御免ですか。
とは言え、けっこうソフトのような。
ま、この国には、武士の情けという、ケトウにはない、
美しくも捨てがたい伝統がありますからね。

建設と不動産業界は、その功罪云々はともかくも、
戦後の復興と成長をドメスティックの分野で、
大きく貢献しては来たと言えるでしょう。
その光が「大きかった」ゆえに、また影も深いような。

ドメスティックで主役を演じた役者ゆえの宿命ですね。
この先は、どのような役を演じるのか分かりませんが、
やや欧米風の役者さんに変貌してゆくのでしょうか?
女性が大きな一角を占めるようになったりして、
なんて。

さて、或る雑誌メディアの記事ネタですが。
来年10月、解散総選挙で走り始めたそうです。
消費税2%UPは正面突破で既定路線。
その影響がないうちに決行するとか。
衆参ダブルは公明がつよく拒否で論外だと。

ま、来春は統一地方選があり、これは変動要因だと。
しかしながら、どうでしょうか。
自民が強いの弱いのというよりも、他がガタガタですから。
ガタガタでは、闘う前に自滅でしょう。
政界再編など、ネゴトに過ぎません。

政治家は「選ばれてナンボ」の身ですから、
選挙こそ一大事となりますよね。
日々の仕事は官僚がこなしてくれますから。ね。
自民でオリンピック突入ですな。

ごきげんよう。

2014/07/02 20:32 | by まろたん

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。