最低1週間のサバイバルに備えよう

暑いですね。
冷房の嫌いな私も、ここ数日は結構お世話になっています。
マンションというのは、気密性が高いのが大きな特長。
それに、中住戸だと風の通りも悪いですね。
勢い、夏や冬はエアコンに頼ることになります。
というか、エアコンなしには成立しません。

そんな我々も、エアコンが当たり前の暮らしを
するようになったのは、たかだかここ30年ほどのこと。
私が社会人になった頃は、マンションを借りても
エアコンが付いていないことが多かったですね。

27歳の時に会社を辞めて独立。
家賃16万円ほどの1LDKに引っ越した時、
「おお、エアコンが付いている」と喜びました。
ただ、それまでの人生でさほどエアコンに
親しんだことがなかったので、自分の身体があまり
エアコン好きでないのを知ることになります。
今でも、自分でエアコンを使うのは真夏の一時期だけです。
それが、ちょうど今。

ところで、私はいつも「最悪の事態」というのを考えます。
エアコンが無くても何とか夏を過ごせる私の体質は
「ありがたい」と思っています。
だって、これからの人生のどこかで真夏のエアコンを
取り上げられることがあるかもしれないでしょ。

例えば、今東京に大地震がやってきたら・・・・・
規模としては、阪神大震災級を考えましょう。
足立区などにある木造住宅密集地域では家屋倒壊が起こりますね。
火災も発生するでしょう。
でも、私の事務所のある中央区は基本的に
鉄筋コンクリートの建物が中心。
かなり老朽化しているビルもあるので、倒壊の可能性あり。
他ならぬ、私の事務所が入っているビルも築52年。

この前の東日本大震災がやって来たとき、
私はちょうどこのビルの事務所で原稿を書いていました。
あの時は「俺はここで死ぬのかしら」と一瞬思いましたね。
でも、非常に軽微な被害で済みました。意外と丈夫。

良く調べてみると、阪神大震災の場合は
鉄筋コンクリートのビルもたくさん倒壊しました。
でも、地震の時にバシャっと潰れたのではなく、
そのあとでだんだん壊れて行った例がほとんどです。
つまり、逃げ出すくらいの時間はありそうなのです。
だから、私も多少は安心しています。
実際はどうなるか分かりませんけれど。

マンションも同じです。
いきなりガシャっと潰れて、その下敷きになることはなさそうです。
よほどの地震が来れば分かりませんけれど。
少なくとも、阪神淡路大震災の場合で
鉄筋コンクリートマンションの下敷きなった例は聞きません。

地震の場合、その後の生活再建が大変です。
住む家が残っていれば、まずは一安心ですね。
でも、肝心なのはインフラです。
水道、ガス、電気。電気が停まれば、エアコンは使えません。

私たちの暮らしは、蛇口をひねれば飲める水が出てきて、
スイッチを入れれば電気がついてご飯が炊ける、
ということを前提に成り立っています。
大きな地震が来ると、その前提がひっくり返ります。

東京の場合、人が多すぎます。
この前の東日本大震災の場合、避難すべき被災者は数十万という単位でした。
でも、東京ではこれが数百万人に膨れ上がります。
水や食べ物、あるいは医療サービスはほぼ行き届かなくなるでしょう。
自宅や避難所で、最低でも1週間は生き延びられるだけの
食べ物や水を用意しておく必要があります。
多分、そこにはエアコンも暖房もありません。
毛布だって、全員に行き渡るとは限りません。

また、意外に忘れがちなのがトイレ。
水が来ないから、流せません。これが一番大変。不衛生です。
臭いのなら我慢するしかありませんが、病気の元になります。
しかも、普通に医療を受けられない状況が、
最低でも数週間は続くと考えるべきです。

不謹慎かもしれませんが、東日本大震災での被害地域はほとんどが過疎。
「2日間何も食べていません」という避難民が
おにぎりを貰って喜ぶ映像を、みなさんもご覧になったでしょう。
我々も、2,3日我慢すれば誰かが食料と水を持って
助けに来てくれる、と考えるのは甘いかもしれません。
何といっても、数百万人が罹災するのですから。

マンションの売り文句に「災害備蓄庫」みたいなのがあります。
あれって、マンションの全住民の何食分を貯めているのですか?
そういった記載を見たことがありません。私も書いたことがありません。
2食や3食なら、ただの気休め程度ではないですか?

緊急用のトイレセットもよく謳われていますね。
いざという時、誰がそれを組み立てるのですか?
一杯になったら、どこへ、誰が捨てに行くのですか?
まさか、隅田川や海に流してしまう?

600戸くらいのマンションに、緊急用のトイレが
3つか4つあるくらいで足りるのでしょうか?
1500人の住民用にトイレがいくつ必要なのか、ご存じですか?
新浦安が液状化した時、トイレの順番待ちは2時間以上でした。
彼らの場合、車に乗って上下水道が壊れていない
公共施設に駆け込むことができました。
川を渡れば、東京都のホテルはほぼ完ぺきに機能していました。
で、東京が丸ごと上下水道使えなくなったらどうしますか?

震災以降に売り出されたマンションには「災害対策」が必須。
タワーマンションの自家発電は24時間から72時間に伸びましたね。
備蓄倉庫は当たり前。トイレも用意もありふれてきました。
でもねえ、そんなものはなってみないと
うまく機能するかどうか分かりません。
自家発電機は、誰が操作して稼働させるのですか?
操作方法を知っている管理員さんがいなければ?
重油を燃やす操作を、誰に教えてもらうのでしょう?

いざ備蓄倉庫の食糧を配給する時、
隣のマンションの住民が混ざっていればどうするの?
あるいは、それを見分ける方法は?

私は、地震で直接亡くなるよりも、その後の健康悪化で
結果的に寿命を縮める人の方が多いような気がします。
エアコンが効かない猛暑は、それだけで死ぬ高齢者もいそうです。
赤ん坊だって、衰弱しますね。

もちろん、自衛隊もアメリカ軍も必死で救援してくれるでしょう。
でも、基本的には自分で生き残る方法を模索すべきと思います。
まあ、私はほとんど何も準備していませんけど(笑)。
しかし、本来なら自分と家族を守るために、
出来ることはしておくべきでしょうね。
そんなことを考えながら、暑い夏を耐えています。

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2014/8/6 17:19 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

曽野綾子さん、私は好きですよ。
肝の座った方ですね。
櫻井よし子さんも同じような系統かと思います。
現実をよく見据え、なにがしかの覚悟をもっています。
ああいう日本女性があと1千万人いれば、
この国は世界をリードできるんですけどね(笑)。

東京の大地震はいつ来るのでしょうね。
こればっかりはオオカミ少年であって欲しいと思います。
でも来るなら早いめの方がありがたいですね。
歳を取って自由が利かなくなってからだと、
今よりも惨めな思いをしそうですから。

ナニワを楽しんでください。 ごきげんよう。

榊淳司

2014/08/08 15:09 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「ナントカは、忘れたころにやってくる」
と言われています。
人の心にある「油断」を戒めた警句ですね。
「ナントカぼけ」と同根の言葉でしょう。

私が東京に出て来たのが、昭和と呼ばれた五〇年ほど前。
そのころ既に、首都直下大地震が言われていました。
が、さいわいにも「オオカミ少年」で今日に至ってます。

遠方とは言え、今回の3.11は、ヒヤリとしましたわ。
五〇年前と比べようもない、この大都会・東京の脆さに。
が、しかし、です。

私はめいっぱい生活必需品を備蓄しておりましたから、
スーパーに殺到する田吾作クンを見物しながらも、
甘美な優越感の心地よさに酔ったものでした。
も、クセになりそう。(笑)

作家・曾野綾子の雑誌投稿によりますと、とうの昔から、
彼女は自宅の庭に何トンかの貯水タンクを設けてあると。
さらには、投稿記事に縷々列挙されていた「備蓄物資」の数々。

やるやるとは聞いていたが、ここでやるか!
と、ただただ感心いたし候。
あの御方、ただ者ではない、傑出した御仁ですね。
ま、嫌っている人も多いようですが。

「備えあれば、憂いなし」
の賢人の言あり。が、
どんな備えをしても、いくばくかの憂いは残ります。
この東京から脱出しない限りは、ですね。

古来、
「三十六計、逃げるに如かず」
との兵法もあります。

今夜は大阪にて書き込みました。
ナニワなくても、ナニワにいても。
ごきげんよう。

2014/08/08 00:33 | by まろたん

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