不動産ミニミニバブルの頂点は今か?

都心のマンション市場が空洞化しています。
新しい物件が売り出されないのです。
販売中の物件も、いいモノから順番に完売しています。
それにつられて、中古物件の価格が上がっています。
この動きが、山手線の周縁から近郊に広がってきました。
どこまで行くのでしょうか?

一方、千葉や埼玉、神奈川などの「実需向け」エリアでは、
販売はけっして好調とは言えませんね。むしろ不調。
だから、今のバブルはちょっと歪です。
平成バブルもこの前のミニバブルも、
価格高騰はストレートに郊外や地方に波及しています。
もちろん、その勢いに差がありましたが。
今回、この勢いはどうやら近郊までで止まりそうな模様です。

8月というのは、マンション市場があまり動きません。
みなさん、夏休みやお盆などで気もそぞろになっています。
こういう時に、大きな買い物のことは真剣に考えません。
だいたい、難しいことを考えるには暑すぎます(笑)。
だから、モデルルームもこの時期はお休みになるのが普通。

そして、仕切り直しで9月にドドっと新規物件が出てくるはず・・・
なのですが、どうやら今年はかなりその数が少なそう。
なぜでしょうか?
やはり、建築費の高騰が大きく影響しています。

マンションの開発事業というのは、土地を購入してから
販売を開始するまで普通は短くて半年。
なんのかんので1年くらいかかる場合がほとんど。
中には5年6年、あるいは十数年も塩漬けされるケースもあります。

デベロッパーがマンション用地を買う時には、
大まかな事業収支計画を立てます。
「今の建築費なら坪000万円で販売して20%の粗利」みたいなの。
ところが、いざ建築を発注する段になってみると
当初の計画の1.3倍くらいのコストがかかることが判明。
結果、販売価格も当初計画の2割増しくらいにしないと割に合わない・・・
となっているのが、今の状況です。

平成バブルや前回のミニバブルの時には
「大丈夫、それでも何とか売れる」と意味もなく強気になって、
まわりより2割高いマンションを平気で売り出しました。
平成バブルの時には、それでも売れました。
「この先、給料が上がるから大丈夫」と思った一般人が買っていました。
ミニバブルの時は、内外のファンドがそういう物件を買いました。
しかし、そのうち売れなくなってデベが次々と倒産。
今は・・・外国人と相続税対策の富裕層が買っています。
ただし、都心だけ。それも、分かりやすい物件のみ。

今、都心で新たな物件が出てこないのは、デベロッパーが
「2割高くても」という強気になっていない証拠。
用地仕入の現場では、日々土地が動いています。
デベロッパーはそれなりに用地を取得しているのです。
でも、今事業化すれば「売れない」と考えています。
平成バブルやミニバブルの時のようにイケイケドンドンではないのです。
もし、無理くりに事業化しても、結局売れなくて値引きに突入・・・
そういう事態を恐れているのですね。

建築費の高騰は、天井が見えました。
普通に考えれば、沈静化していくでしょう。
新築住宅の着工数も、極端に落ち込んでいます。
都心の近郊エリアでは、マンションより戸建てが安かったりします。
だったら、普通は戸建てを買います。だから、戸建て市場が好調。

マンションというのは普段は便利だけど、ランニングコストが高くて
出口戦略がはっきりしていないことが認識されつつあります。
私のところに来るメディアの取材も、
管理や建替えについての話が多くなっています。
そもそも、マンションは都心の狭い土地を
有効活用するための緊急避難的な共同住宅。
タワーマンションなんて特にそうですね。必要悪みたいなもの。
そのことに、人々が気付き始めているのです。

今回のミニミニバブル、今が頂点ではないでしょうか?
もし、去年の2割高でも売れるとデベが考えているのであれば、
都心でここまで物件は減らないはずです。
用地はちゃんと取得してあるのですから。
イケイケドンドンで事業化してくるのが普通でしょう。
そうなっていないのは、いうほど好調に売れてはいないし、
高ければ売れないという見込みを持っているからです。

去年の首都圏は5万6千戸の市場でした。
今年は、このままでは4万戸に到達するかどうか、というところ。
困ったものです。

例えば、港区の三田小山の1400戸、白金1丁目の1200戸、
目黒駅前の920戸、世田谷八幡山の1000戸みたいな
フラッグシップ物件が出てきて、やいのやいのと
プロモーションが展開されるのはいつでしょうか?
今年中に始まればマンション市場も元気になるのですが・・・

さて、資産価値レポートの更新情報です。
葛西・西葛西エリアを最新情報化。
このエリアでは、西葛西2丁目のレジデントプレイス西葛西と
ザ・ガーデンズ西葛西が激しく競合しています。
共に坪単価220万円から230万円の争い。
このエリア、この二つの大規模が出てくる前は坪180万円が相場観。
いわゆる、ミニミニバブルの分水嶺がこの2物件。
スタートは好調だったのですが、今は失速しています。
そして、今回からパークホームズ西葛西清新町というのが出てきました。
清新町では久しぶりの新規供給ですが・・・・

葛西・西葛西エリア
価格 3,590

■ルネサンス葛西ザ・レジデンス、■アーバンパレス葛西、■レジデントプレイス西葛西、■ザ・ガーデンズ西葛西、■グリーンホームズ南葛西リーフコート、■プレミスト葛西、■プレシス西葛西アクアフォート、■アルファグランデ葛西臨海公園、■パークホームズ西葛西 清新町、以上9物件の資産価値と商品バランスを詳細に分析・解説

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2014/8/18 14:22 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

さっきまで某メジャー週刊誌の記者と飲んでいました。
「今回のバブルが崩壊する兆しが見えたら、真っ先に教えてくださいね」
バブルが壊れるときなんて、その時は分からないもの。
ひょっとして、今かもしれません。
「今だ!」なんて言って、それが当たっていたらスゴイ。
私も、ただの勘による当てずっぽう。
でも外すとガヤガヤ騒いでくれる人がいて、
これが結構知名度拡散に貢献しているのですよ。
私のような小者の予測なんて、世間は何にも注目していないのに。
まあ、例の嫉妬ブタ君たちは、時にありがたい応援団だったりして(笑)。
彼らはそのことにほとんど気が付いていません。
だから、何でもどんどこ予測しています。

ここしばらく、政府(財務省)による好景気偽装は続きそう。
だから、世間一般の景況感は悪くありませんね。
大きな事件がなければ、年内はこのままいきそうです。
でも、水面下でのバブル崩壊は続くでしょう。

どんちゃん騒ぎの「宴の後」は必ずやってきます。
それは、来年かしら。年内かしら。
ちょっとドキドキしながら待っています。

また、コメントをお待ちしています。
ごきげんよう。

榊淳司

2014/08/19 00:29 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

このたびの資産膨張はいわゆる「黒田バズーカ」効果でした。
不動産は首都東京限定版とのこと。
ただヒト不足・モノ不足がブレーキになってしまったと。
確かにコスト上昇ではビジネスとして続きません。
その障壁を打ち壊していくほどのパワーはないようですね。

株価もグズっていますね。
年金積立基金を投入して、さてどの程度の伸びがあるのでしょうかね。
また、どのくらい続きますでしょうかね。

GDPなどの経済指標が公表され、論評は諸氏さまざまあります。
が、やはり景気のことですから指標数値の分析論評よりも、
国民大多数の「気持ち」こそが大きいのではないかと。
市井人の一人として、私はそんなふうに思いますけど。

ニンゲンって、気持ちが萎縮するとダメなところがありますからね。
いわゆる「落ち込む」と良いほうに気持ちが向かない。
「景気ウツ」?、なんて。
ま、経済景気に限らず諸般諸事に言えるのではないでしょうか。

とりわけ、どんちゃん騒ぎのあとって、なりがちですね。
私もイヤになるほど経験ありますわ。
懲りないというか、ねえ。(笑)

「ツワモノどもの、夢の跡」
ですか。
いちおう、古典でまとめちゃいました。(笑)

書きたいことが他にあったのですが、
ま、今宵はこんなところで。

ごきげんよう。

2014/08/18 20:42 | by まろたん

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