日本にもクーデターが必要か?

アメリカの中間選挙で、オバマ君の民主党が負けています。
私的には「ザマーミロ」という気分(笑)。
政治家には理想が必要です。しかし、現実ともしっかり向き合うべき。
オバマ君は、そのあたりがかなり中途半端でした。
最初の4年でご退場願うべきでしたね。
そのあたり、アメリカという人工国家は「理想」がお好きです。

民主主義というのは、万能ではありません。
それどころか、欠陥だらけです。
チャーチルは「民主主義は最悪の政治制度だ」とのたまいました。
人類は、今のところこれに優る政治形態を見つけられていない、
というだけのことです。

今日は、ちょっと毛色の変わった話をしましょう。
日本人が観光で訪れることも多い、東南アジアのタイ。
ここのマンションを買え、という話ではありません(笑)。
タイには国民の人気の高いラーマ9世という王様がいますが、
政治体制としては民主主義です。
ところが、先日クーデターが起こりました。
なんと、タイでは19回目のクーだそうです。

日本人は、クーデターというと「恐ろしい」ものであり、
「軍隊が武力行使で政治に介入する」というイメージが強いですね。
まあ、世界で起こる大半のクーデターはそうなのでしょう。
日本でもかつては2.26事件というクーデターがありました。
三島由紀夫は市ヶ谷の防衛庁で自衛隊員に「決起」を促しました。
まあ、大半の日本人にとってはおどろおどろしいもの。

この前のタイのクーデターではインラックという女性の首相が失職。
現在はブラユットという名の陸軍総司令官が首相の座にあります。
選挙によらず、武力を行使して現職首相を解任し、
軍の司令官がそれになり代わったワケです。
かなり民主主義とはかけ離れた政権交代ですね。

ただ、私はこのクーデターをさほど悪いこととは思いません。
まあ、褒められたことではありませんが「さもありなん」くらい。
どうせこの後いつか選挙が行われ、新しい首相が選ばれます。
その時にタクシン派が勝利すれば、また面倒臭いことになります。

いつものようにカンタンに説明しましょう。
タイではタクシン派と反タクシン派が激しく対立しています。
タクシン氏はタイで生まれた華僑で、元警察官、そして企業家。
政治家となって2001年から06年までタイの首相を務めました。
この間行った政策は、完全なポピュリズム。人気取りです。
都市部で集めた税金を農村にばら撒いて自党への投票を呼びかけたのです。
その他にも、都市の貧民にもお金を撒きました。
民主主義はひとり1票ですから、これで選挙は有利。

しかし、06年に一族の脱税がバレて海外へ亡命。
この時にもクーデターが起きました。
その後、欠席裁判で有罪判決が出たので今も帰国できず。
ところが、タイ国内では未だに絶大な人気を誇っています。
今回のようにタクシン派(実妹)の首相がでると
海外から「遠隔操作」していると囁かれています。
実際、あのクーデターもタクシンを呼び戻す「恩赦法」成立への
動きがキッカケだったと言われています。

一方、反タクシン派は都市の裕福な市民や企業家、
インテリ、大学生などに多いと言われています。
言ってみれば、民主主義を担う中核層というべき人々。
これがまだ、タイ国内では少数派なのです。

つまり、タクシン派は税金を農村と貧民にばら撒いて人気を集め、
選挙で多数派を取って政権を維持することが一大政策。
これって、健全な民主主義といえましょうか?
ただの愚民政策ですね。
どこかの国の「財政出動」も、ややこれに似た観がありますが(笑)。

タイで起こっていることは、世界のどの国でも起こり得ます。
特に、教育を受けて生活にゆとりのある中間層が多数派を占めない
発展途上国では、容易に起こり得る現象。
民主主義は国民が「賢明な選択」をすることを前提としていますが、
それが不可能な国の方が、世界の多数派ではないでしょうか?

なのに、何でもかんでも「民主主義が正しい」「あるべき政治制度」
という考え方に、私はものすごい違和感を抱きます。
この日本でさえ、あの蓮舫や福島瑞穂みたいな候補者に
喜んで投票する「愚民」が、百数十万人もいるワケですから。

さて、我らの安倍政権も「年内解散」なんて話が飛び交います。
こういう話が政権側から出た時は、たいていが牽制。
今回は消費税を上げたくない安倍君が「増税延期を国民に問う」
という大義名分を掲げて衆議院を解散、というシナリオ。
多分、自民が大勝するでしょうから、選挙後に
「これで増税延期への国民の理解を得られた」ということに。
さすがの財務省も選挙結果を踏みにじることはできないでしょう。

もしそうだとしても、政府の一機関(財務省)を抑え込むために
議会を解散して民意を問う、というのもどこかイビツですね。
総理大臣たるものが政府の一機関を抑えきれないということですから。
そういえば「むかし陸軍、いま財務省」というそうです。
政府の中枢を支配して、思うがままに権力をふるう連中のこと。

ま、安倍君はそこまで思い切りがいいとは思えません。
まず解散はないし、消費税は10%に上げられるでしょう。
そして、未曽有の不況に突入するはずです。
それが分かっているのに流されていく、安倍政権も情けないですね。
日本の民主主義も、所詮はこのレベルなのでしょう。
その内、クーデターが必要になるかもしれません(笑)。

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2014/11/5 14:55 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

私から見ると「本能寺」は無理かと思いますよ。
衆参で3分の2の決議、そして国民投票なんてとても無理。
あるとすれば支那の海軍が尖閣沖日本領海で海上保安庁の船を撃沈し、
なおかつ軍事的に占領してくれれば可能でしょう。

おっしゃる通り、混沌は続きますね。
私の生きているうちに本能寺をできるかどうか。

これからは鍋ですよ。
しゃぶしゃぶ、すき焼きも大好き。
まろたんさんもご自愛を。

では、ごきげんよう。 榊淳司

2014/11/05 21:47 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「敵は本能寺にあり!」と。

強運の返り咲き首相ですから、ただただ向かうは本能寺攻めでしょう。
安倍ちゃんにとっての「本能寺」は「戦後レジウムの転換」だと言う論者あり。
つまり伝家の宝刀を抜ける国家ですね。
憲法改正こそが本能寺でしょうが、ま、集団的自衛権で「にんにん」。

景気回復のための政策は、そのための「武器」。
どうだとばかりに、バズーガも大轟音とともに炸裂させる。
そんな戦場にあって、2%増税の決断は頭痛のタネ。

ここに至って財務官僚も、やや意地になっている感じ。
安倍ちゃんも財務官僚に負けたと見られては、という意地。
が、彼らを敵に回して、本能寺攻めの足を引っぱられては。
安倍ちゃん、ますます頭がイタい。

ま、混とんの極み。
一寸さきはヤミ、どころか断崖絶壁。
どっちにしても、あんまり長くなさそうな。
とは言え、強力なライバルもいないし、けっこうモチそうな。

やっぱ、混とんの極みですね。
誰がやっても、どう交代しても、なが~い混迷が続きそうで。

冷え込んで来ましたね。
これからは、ナベですね。
しゃぶしゃぶも、モアーベターですね。
おのおのがた、今宵はこんなところで。

ごきげんよう。

2014/11/05 19:26 | by まろたん

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