「空き家」の次は「マンション廃墟化」を取り上げて

昨日NHKで放送された「ニッポン“空き家列島”の衝撃」を見ました。
まあ、私にとってはまだまだ踏み込みの足りない内容でしたが、
一般の方にとっては「衝撃」的だったかもしれませんね。
東京の郊外でもすでに空き家化が進んでいます。

参加者が自分の意見を言い合う形式だったのですが、
興味深かったのは、若い評論家が「なぜ家を買うの?」と、
まるで私の「そもそも論」みたいな発言をしていました。
別に家は買って住む必要はないのです。借りていれば、いかにもお気楽。

それはまあいいとしても・・・
みなさん「実家の処理」に困っていますね。
もう、田舎の不動産には値が付かない状況になっています。
行政も「もらってくれない」ような不動産はどうなるのか?
どーしよーもありません。固定資産税を払うだけ。

やるとすれば、あらかじめ金融資産を親からもらっておいて、
その時が来たら「相続放棄」。これしかありません。
まあ、これは誰もが使える手ではありませんけどね。
しかし、これから空き家が増えることは間違いなし。
今の団塊さんたちが90歳になるのは22,3年後ですか。
日本中空家だらけになっているでしょうね。

テレビでは空き家を再生している例をいくつか紹介していました。
あんなもの、ほんの一部の一部。それも都会のいい場所。
田舎や郊外の空き家は、ハッキリ言って処理できません。
法律を変えるしかないのです。

「コンパクトシティ」が賛否両論に分かれていました。
私には特に意見はありません。どっちでもいいんじゃないですか。
日本は民主主義と自由経済である代わりに自己責任です。
救急車がすぐ来ないところに住む自由もあります。
それぞれのお方が、自分で判断して決めればいいことです。

それに、この問題は自然に解決します。
というのは、今の60代以上の人々はあと30年でほぼ死にます。
30年後は、自然にコンパクトシティだけが残っているのです。
それまで、できるだけ効率的に行政サービスを行き届かせようとするのが
コンパクトシティという考え方でしょ。
年々歳々爺婆の数は減るわけですから、自然解消。
30年後には「そんこともあったな」ということです。

そんなことよりも、マンション問題があまり取り上げられていませんでした。
空き家は一戸建てだけじゃなくて、マンションにもあるのですよ。
特に東京や大阪、名古屋といった大都市圏には「郊外」という
とっても厄介な付属品が付いています。腐りかけています。
大都市郊外のマンションでも、着実に空き家化が進んでいるのです。
次回はぜひマンションの空き家を取り上げてほしいですね。

さて、たまには足元である東京のマンション市場についてコメントします。
まず、都心は依然として供給が細っている状態。
去年の後半が底になるような気配で、徐々に新規物件が出てきています。
でも、まだまだ動きは鈍いですね。

需要は偏っています。派手な物件がよく売れています。
特に都心や湾岸のタワーマンションは、変わった需要が食いついています。
最近では、中国人が自分で住むために買っている気配ですね。
彼らは、彼らにとって分りやすいマンションを買います。

新宿や渋谷、池袋、あるいはオリンピックの湾岸というのは
外国人にとっても分りやすいエリア。
そこにできるタワーマンションも、かなり分りやすい物件。
根が見栄っ張りな中国人たちですから
「トーキョーのオリンピックが開かれる湾岸に00階建てのマンションを買ったんだ」
と、自慢できることも強い購入動機なのです。

引き渡しが始まってみれば3分の1が中国人だった、
なんて話は冗談ではなくなる可能性があります。
大きな問題は、住んでから。管理が大変ですよ。
日本の区分所有法は「区分所有者は自分たちの資産価値を損なう行為はしないはず」という、性善説の発想で作られたものです。
「住戸内は自分のものだけど、それ以外はどうでもいい」
こういうお考えの方はいるにしても、超小数であることが前提。
しかし、これが1割以上混じると大変です。
日本人はどんどん売って出ていくかもしれません。
資産価値にも大きく影響するでしょうね。

あと、やや衰えを見せるものの相続税対策の買いも続いています。
港区や千代田区、文京区などでは供給不足ですね。
おかげで中古マンションの価格がグングン上がっています。
もはや、まぎれもないバブルです。
普通のマンションは普通の人が買えなくなっています。

今回、世田谷のレポートを更新しましたが、やはり値上がりしています。
坪単価200万円台のマンションが極端に少なくなり、
中心は300万円台の中後半になってきました。
中には400万円超の物件も出てきています。
しかし、売れ行きは全体としてよろしくありませんね。
賢明な人たちは「今は買い時じゃない」と考えているのでしょう。

買い時か買い時でないかと聞かれると、
今後は未来永劫買い時なんかこないはずです。
2020年から東京でも人口が減り始めるのですから、
住宅は賃貸も分譲もずっと余ったまんまの状態です。
今でも新築は増えていますから、5年後はもっと余っているでしょう。
賃貸市場も都心はまずまずですが、少し離れるとダブダブ。
まさに空室だらけです。

現在都心の不動産が値上がりしているのは、建築費高騰に押されて
新築マンションが上がり始めた矢先に、黒田君がバズーガを撃ったから。
さらに相続税対策と外国人の買いという、いくつもの
スポット的な要素が絡み合って値上がりが起こったのです。
ここには日本人の住むための需要が盛り上がったから、
というもっとも重要な要素が欠落しています。

だからこそ、私は「このバブルはいつか確実に崩壊」と断言しているのです。
それは「いつか」というだけの問題です。
今年中か、来年か。3年後には黒田君が誰かと交代します。
5年後にはオリンピックが終わります。

オリンピック後の東京を想像してみてください。
人口が減り始めて、そこら中が空家だらけ(今でも一部がそうですが)。
湾岸エリアは「チャイナタウン」ではなく「チャイニーズタウン」に
なっているかもしれませんね。日本人は流出、中国人が流入。
でも、割合お金を持っているチャイニーズが集まるので、案外面白いかも。
夜になるとエスニックな屋台がたくさん出るようになったりとか。

しかし、いよいよ大手メディもこの「空家問題」を取り上げるようになりましたね。
これは地方ではもう10年も前から言われてきたこと。
そして、次はいよいよ郊外エリアのマンション廃墟化問題でしょ。
こっちは戸建てよりもさらに厄介です。
今後の私の取り組みたいテーマでもあります。

さて、書いたように世田谷区のレポートを更新しました。
物件数だけは増えています。「買ってはいけない」もあります。
「買ってもいい」はごく少数なのですが、
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2015/1/11 18:17 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

夕張市に引き続いて、借金で沈没しそうなのは大阪市。
まあ、あれは自業自得です。
関西ならではのある組織にしゃぶり尽くされています。
橋下君が市長をやっている間に破綻させるべきですね。

グローバル化が必要なのは、今や民間よりも行政。
NHKのあのぬるーい体質をシャキっとさせねばなりません。
受信料なんていう制度は廃止すべきでしょ。歪すぎる。

次回は「マンション廃墟化」ですよ。
私が乗り込んで行って、かき回してやる(笑)。

しかし、10年後には数十の夕張市が出てきてそうですね。
これは他人事では有馬温泉。
今日のブログにも書きました。

それでは、ごきげんよう。  榊淳司

2015/01/13 14:16 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

三連休が終わりました。
日々是好日。概ね良い天候でした。

フランスで言論に対するテロ。
異国のことで詳細は分かりませんが、抗議のデモが湧き上がり、
その数たるやパリ市だけで160万人、フランス国全土で370万人とか。

おお。いま一度、おお。この事態には驚きます。
いわゆる「動員」ではないでしょう。
デモの先頭には欧州の首脳陣が、厳しい面もちで歩いている。
わがニッポンでは、間違っても「あり得ない」事態ですね。

さて。
先日のNHK「空き家列島」について、榊さまのコメント拝読しました。
「踏み込み不足」とのコメント、同感です。

一例ですが、番組ではデトロイトの衰退ぶりを紹介していました。
自動車王国アメリカで栄えたが、自動車産業の衰退とともに、
町から企業が去り、人が去り、市財政が乏しくなってゆく。

十分な行政サービスが出来なくなり、町はすさみ、
それを嫌気して更に人が逃げ、人口減少から財政破綻・・・と。
まさに「衰退のスパイラル」の典型例です。

が、敢えて言いましょう。
わが日本国にも同例の町が存在します。
そうです、ズバリ「夕張市」です。

かって炭鉱の町として栄え、石炭産業の衰退とともに、
デトロイトと全く同じ軌跡を辿り、財政破綻しました。
人口は最盛期の10分の1もない、衰退ぶりです。
行政サービスはどん底状態のようです。

で、私は思ったのです。
あの番組は「夕張」に代えて、なぜ「デトロイト」を紹介したのか?
わが日本国にも、典型例が存在するでは有馬温泉。

臆測ですが、NHKは「身内の不都合」を見せたくなかったのでは。
夕張市は、まさに「身内」です。
だから隠したかったのでは。
で「秩父市」の「漏水」の紹介で、お茶を濁したのでは。
もし、そうであったなら、この期に及んでも、まだ、
「腰が引け、キモが坐ってない」と厳しく批判したい。

あの「ミヤケ」とかいう、ニヤケたアナウンサーが、
アウト・アウト・アウ~ト!(チト、クドい・笑)
あそこを仕切るのは、やはり「池上彰」だったでしょうに。
「予算がなかった」って。
ま、それはないでしょうが。(笑)

まさに「踏み込む気迫」や、まったく無し!
次回は、司会を厳選し、ジャーナリズム精神のあふれる番組を、
期待したいものですね。

ハンパもんは、去れ!
今日のニッポンとニッポン人たるや、アチコチに気を遣い、
「身内」の不都合を庇ったりしている時代では、ござらん。
先ず「現実を直視する・させる」
真のジャーナリズムとジャーナリストの表出が待たれます。

理屈っぽくなり、失礼しました。
また「ぶって」しまいました。

ごきげんよう。

2015/01/12 23:11 | by まろたん

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