一番おもしろいのは人間観察

「忙しい」ということが、自分はその組織にとって有用である、
ということの証であると無意識に思い込んでいる人がいます。
「私にはこんなに沢山の仕事が任されている(やっている)」
そういうことをアピールするために忙しぶるのです。

優秀でクールな人は忙しいフリなんてしません。
忙しい時はわき目も振らずに仕事をしています。
でも、声をかけるとニッコリと答えてくれます。
「忙しい」ということは「与えられた仕事が能力を超えている」
つまりは無能な証明であることを知っているからです。

人間というのはそうそう人を騙せるものではありません。
特に上司と部下という濃密な人間関係の中で、
本来とは違う自分の姿を相手に見せ続けることはほぼ不可能。
それをやり続けると何かのビョーキになります。
まあ、世の中そんな人間は山ほどいますが。

しかし、勘違いしている人間はたくさんいます。
世間を舐めている人間は、人を簡単に騙せると思っています。
上司の前でヘコヘコしている人間が、うまく自分の本来の姿を
隠し通せる確率なんて10%以下でしょうね。
つまり「猫を被る」というのは9割以上失敗するギャンブルです。

私はそういう面倒くさいことはなるべくしません。
接する相手によって、自分を変えていると疲れますから。
私は自分の生涯で、私ほど世間を舐めている人間を見たことありません。
つまり、ありのままの自分で「勝負できる」と考えています。
実は、そこには大した根拠はほとんどないのですが(笑)。
でも、基本はゴーマンなので人生のほとんどをそれでやってきました。
まあ、不器用でもあるのでしょう。

だから、サラリーマン時代はまったくといっていいほど
上司からも同僚諸氏からも評価されませんでした。
まあ、「あいつはテキトーにやっているな」程度。
その方が仕事はあまり入らないのでラッキー。

サラリーマンとして出世したいとか、上司に認められたい、
といった願望は微塵もありませんでした。
ただ、目の前の仕事をテキトーに面白くやりたい、というスタンス。
結果、サラは2社あわせて4年半しか続かなかったのだと思います。

気を使ったのは、広告屋の社長時代。
面倒くさい人間関係が嫌いでサラリーマン世界を脱出したのに、
零細企業の社長には「対顧客」と「対社員」という
まことに面倒くさくて気を遣う「お付き合い」の義務が生まれます。
メンドクサー、と思いながら20年ほどやっていました。

ちょっと話の趣旨がずれますが、経営者というのは「対社員」の
人間関係を無視するタイプが向いていると思います。
ブラック企業の業績が全体的に悪くないのはそういう理由でしょう。
マルクスが言うように、資本は労働者を搾取してこそ肥え太れます。
「社員のために」なんて考える経営者の企業は、基本的に資本主義失格。
まあ、これも例外はありますがコンマ1%の世界でしょうね。

さて、最近ガラにもなく忙しくしております。
といって「1日7時間」を基準とする労働時間をせいぜい8.5時間に延ばす程度。
「ふざけんなー」の怒声が聞こえてきそうですね。すみません。
でも、私にとっては好きに過ごせる時間を1日1.5時間も削られるのです。
それで少しだけ収入が増えますが、有限の時間が無くなります。

私の人生はとっくに峠を越えて最終コーナーに向かっています。
ただ、ガンとかではないのでご心配なく。いたって健康。
でも、人生の4分の3は多分超えている頃だと自覚しています。
そんな私にとっては、時間こそもっとも大切な資源。

かといって、何かをやるわけではありません。
ボーと酒を飲んでアレコレ考えています。その時間が大好き。
あるいは、気に入った人とお酒を飲んでバカっぱなしをします。
心にしみるような本を読むのも資源の有効活用です。

10年くらい前まで、それこそ取り付かれたように本を読んでいました。
読んだ本のリストを作り、自己満足に浸っていました。
自分の教養を少しでも高めようとしていたのだと思います。
でも、ある時にバカバカしくなりました。
私は今更大学教授や文化人になるわけではなく、ただの広告屋です。
まあ、いまは「文化人扱い」でごくたまにテレビに出たりはしていますが、
所詮は「住宅ジャーナリズム」という狭い世界です。
このままどうあがいてもメジャーにはなれないでしょう。
まあ、それはいいとして、教養を高めたところでただの自己満足。

さらにいうなれば、興味のある分野の主要書はほぼ読みました。
新しい分野もありますが、まあボチボチ読んでいます。
つまり、「やらねば」という強迫観念に急き立てられる読書はやめました。
今はテキトーに好きなものを読んでいます。

そういう、時間に対する価値観の変換を経た今、
自分の時間が削られるのは、ちょっと辛いですね。
私は時間にケチですから、今はセコセコと時間を使っています。
このブログの更新も、明日の予定が詰まっているので深夜に書いています。

今日は非常に楽しい相手とお酒を飲んでさっき帰ってきました。
何千人ものうら若き女性を口説き落とし、
その業界では「日本一」の異名を取ったお方。
今は、普通の不動産屋さん。知り合ったのは数か月前。

不動産屋さんなのに、不動産屋さんらしくありません。
上品で、頭がよくて、謙虚で誠実。爽やか。もちろん男前。
すべてが「不動産屋である」というイメージを否定しています。
突っ込んで話を聞くと、今やっていることはまったくの不動産屋さん。
私にとって、彼はこの数か月間「謎の人物」でした。

でも、今日は差し向かいでお酒を飲んで、バカっぱなしをして
私は大いに自慢話をしゃべくり、彼はそれに誠実に反応。
そして、とうとう自分のことを話してくれました。
そうかい、そうかい、という感じ。謎が少し解けました。

人間というのは、こういう「謎」がある方が素敵ですね。
見え透いた嘘をついて、仮面を被ったつもりになっている浅はかな
下司野郎の内面を見透かしながら相手をするより、いかほどに欣快か。

こういう楽しい時間の消費は大歓迎。でも、明日からまた雑事に追われます。
しかし、人間とは面白いもの。お酒を飲むのは楽しいもの。
広告屋を半ばやめて、こういう仕事を始めたことで人生の風景が変わりました。
久しぶりの生放送出演で、ちょっとバタバタした後の楽しい宵。
おっと、メディアのみなさん! 
私はいつでもカメラの前で「不動産価格は下落する」と言いますよ(笑)。

seminer150305

seminer150305

管理費滞納解決セミナーは、お席があと5です。お早目の申し込みをお勧めします。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590

※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。

お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください

メルマガ

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

夕刊フジの公式サイト zakzak


2015/2/27 1:03 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

それは大変でしたね。
痛いの嫌ですね。僕も大嫌い。
病気も嫌い。体調不良も嫌い。
気分が暗くなります。

実のところ、私には若くて優秀な「主治医」先生が付いているので
何となれば彼に泣きつくつもりなのです。
「弁護士と医者と不動産屋は友達にしておけ」
アメリカではそういうそうですね。
榊の読者も、なぜかこの3種が多いのですよ(笑)。

しかし、冬も嫌ですね。
寒いのも嫌いです。
でも、すこーしずつ春が近づいているような気がします。
でも、私は毎日アタフタしています。
スケジュールにも余裕が生まれればいいのですが。

それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2015/02/27 22:10 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今朝急に歯が痛み出し、掛かりつけの歯医者へ。
麻酔の上、約1時間の治療でしたが、ガリガリキーンはきつい。

今回、改めて痛感しました。「痛み」はつらいと。
「継続する強い痛みは、人格を破壊する」と。
緩和ケアの本に、必ず書かれています。

そのような痛みの経験は過去ありませんが、
漠然とではありますが、推測することはできます。
耐えがたい痛みには、精神も荒れ狂うだろうな、と。
たかが歯の痛みですら、精神が集中できなくなりますから。
何も手に着かなくなりますからね。情けないですが。

私は「緩和ケア」にかんする本を20冊は読みました。
ここ数年のことです。
そこで、さまざまな知見を得ました。
そのすべてを開陳できませんが、医療の大切な分野です。
にもかかわらず、日本の医療現場の現状は「後進国」です。
残念ですが。

ですから現状は、自分で緩和ケアに理解のある医者を探し、
受診するしかありません。
遅れた医者に掛かるとQOLはどん底です。
それこそ「天と地」天国と地獄の違いがあります。
残念ですが、日本の現実ですわ。

もし、痛みの遭遇したら、良い緩和ケアを選択し、
「人格が壊れる」ようなことだけは、避けたいものですね。
緩和ケアに限らず、自ら「選択する」ことで、
こんな日本ですが、かなり違った人生を歩むことになります。
「お金」だけではなく「自分しだい」の面も大きいようです。

明日で2月も終わります。
トシとともに、寒さがこたえますわ。
若もんとは違った理由で、春が待たれますね。

ごきげんよう。

2015/02/27 20:29 | by まろたん

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。