「パークシティLALA横浜」事件の行方

コンピューターはめったにミスをしませんが、人間はやります。
100%ミスをしない人間なんて存在しません。
当たり前ですが、100%欠陥のないブランドもありません。
所詮は人間がやっていることですから。

ただ、マンション建設でミスが起こると悲劇は恐ろしい規模になります。
今日は朝から大騒ぎですね。
2007年に竣工した「パークシティLALA横浜」というマンション。
強固な地盤まで杭が届いていないから2cm傾いているという報道。
日本経済新聞には物件名まで出ていませんが、
今日の夕方になったら知れ渡るはず。

売主は三井不動産レジデンスと明豊エンタープライズ。
明豊は上場企業ですが無名。一度潰れかけています。
だから、世間的にこのマンションは「三井不動産」分譲。
法的責任は明豊と分かち合うのですが、「世間的」には。

同じように杭が基礎地盤まで達していなくて建物が傾いた
マンションとしては「パークスクエア三ツ沢公園」があります。
こちらは売主の住友不動産と施工の熊谷組が
10年もウニャウニャとごまかし続けた挙句に
「動かぬ証拠」を突きつけられて降参。
結局「全面建て替え」ということになっているはずです。

しかし、この「パークシティLALA横浜」の売主である
三井不動産レジデンシャルはマンションのブランドではダントツの日本一。
最近では野村の「プラウド」のイメージ戦略に押され気味。
まあそれにしても未だに日本一であることは確か。
しかし、このブランド、よくチョンボをします。

ちょっと前なら2007年に発覚した
「I-linkタウンいちかわ ザ タワーズウエスト」。
この時は野村不動産とコンビで悪評を世間にまき散らしました。
去年の春に建築工事が一時中止になった「パークタワー新川崎」。
こちらでは、市川の件で懲りたのか、手付金倍返しの契約解除。
その後、世間に黙って販売を再開しています。
まあ、臭いものには蓋をする体質なのでしょう。

マンションを作っているのは人間ですから、ミスは起こります。
大手だって完全無欠ということはありえません。
三井、三菱、住友、野村だって、やらかすときはやらかします。
過去には、あの公団でさえ大規模にやらかしました。
「ベルコリーヌ南大沢」という多摩ニュータウンの大規模マンション。

www.sakakiatsushi.com/?p=9059

これはもう、過去最悪の欠陥マンション事件です。
ここを「高値掴み」で買ってしまった人の多くが
人生を狂わされたようです。
公団との闘争の最中に、多くの方が寿命を迎えたといいます。
欠陥マンションを買ってしまったことによる悲劇。

こんどの「パークシティLALA横浜」は、
「ベルコリーヌ南大沢」ほどではなさそうですが、
705戸の区分所有者にとっては寝耳に水の大事件。
それも、自分には何の責任もないところで起こっています。

マンションの欠陥は、罪が深いのです。
だからこそ、マンションデベロッパーには重い責任があります。
しかし、彼らにはそれを担う責任感に欠けています。
「社会的な資産」を作っているという自覚がないのです。
どこまでも、マンションは「儲けるための手段」。

それでも、ミスは起こってしまいます。
せめて、「責任ある対応」をお願いしたいものです。
ウニャウニャごまかそうとすると、「ベルコリーヌ南大沢」
の事件のように、建設費の何倍ものコストがかかります。
ここは潔い「危機管理」が求められますね、三井さん!

気になるのは、「パークスクエア三ツ沢公園」は
非常に単純なミスだったようですが、今回は偽装。
まるでVW事件のような気配を見せています。
もしそれが本当だったら、これは犯罪ですね。
逮捕者が出ることにもなりかねません。
今後の展開に注目が集まります。

さらに先読みすれば、ここで三井不動産レジデンシャルが
相方の明豊の分まで肩代わりするくらいの誠意を見せれば
却って評判を上げる可能性があります。
「パークホームズ」ブランドは、欠陥があっても安心・・・
なんてことになります。ところが、
「I-linkタウンいちかわ」的な対応をすると
そこでブランドイメージは大きく傷つきます。
なぜなら、あの時よりもネット社会は進化しています。
悪評はたちまち世間に広がるからです。
今後、注目されるのは三井の対応ですね。

資産価値レポートの更新情報です。
江戸川区と葛飾区の一部です。
デベロッパー側は値上げしたいのですが
エンドユーザー側が付いてきていません。
このミスマッチ、そのうちおおごとになりそうです。
こういう実需エリアには中国人の影がほとんど見られません。

船堀-篠崎エリア
価格 2,980

■ライオンズ篠崎駅前レジデンス、■エクセレントシティ船堀、■プレシス瑞江、■ファーストシーン篠崎Clari、■アーデル瑞江、■ザ・パークハウス船堀、■エクセレントシティ船堀ステーションアヴェニュー、■アデニウム篠崎

葛西・西葛西エリア
価格 2,980

■プレシス西葛西ペイサージュ、■アーバンパレス葛西、■レジデントプレイス西葛西、■ヴェレーナ南葛西、■プレシス西葛西アクアフォート、■(仮称)西葛西プロジェクト、■パークホームズ西葛西 清新町

小岩・平井エリア
価格 4,490

■ドムール新小岩プレミアムレジデンス、■クリスタルマークス、■ライオンズ新小岩グランフォート、■シティテラス平井、■サンクレイドル東小岩、■新小岩パークフロント、■ルピアコート新小岩、■ジオ新小岩、■エクセレントシティ小岩、■サンクレイドル新小岩親水公園II 、■BEGRETTA TORE(ベグレッタ トーレ)、■パレステージ新小岩ファストコート、■ルピアコート新小岩フレール

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2015/10/14 12:12 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

今日も朝からこの話ばかり。
急な原稿依頼に電話取材等々。
おまけんパソコンがゴネだして、最悪(笑)。

三井さん、評判はよくありませんね。
業界ナンバーワン企業の驕りがあるように思えますね。
今回も「悪いのは旭化成で、僕は悪くないもん」という
ポーズで今後に臨むのでしょう。
矜持ではなく、驕りと高ぶり。

私のBMIは22でした。
痩せてはいませんが、矜持は持っているつもりです。
「名こそ惜し」は、日本人の基本ですね。
大半、失われてしまいましたが。

今日もあと少し、がんばってから、お神酒タイムに。

ごきげんよう 榊淳司

2015/10/15 17:39 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「腐っても鯛」と言うではありませんか。

「腐っても盟主アメリカ」
「腐っても横綱」
ならば、
「腐っても三井一門」
世に名門との伝統と栄誉を受ける、金看板。

名門たるも、間違いはありましょう。
「そこまでやるか」との作為的な不法行為も
あってはならないことですが、神ならぬ「法人」。

しかしながら。
腐っても名門。三井一門。
日本人ならば知らぬものなし。
そこいらへんの凡百とは違うもの。

「名こそ惜しめ」
「名に恥じぬよう」
プライド・矜持あればこその「名門」
名門・三井一門の「いぶし銀」を見たいものですな。

但し、処世の教訓として。
なにごとも「美化し過ぎない」こと。
おとなの健全なる常識として。

ついでに、私ごとで恐縮ですが。
小生、極々ふつうの団塊男ではありますが、
「痩せても枯れても・・・」
の意気地は失ってはおりません。
因みに、BMIは26で、やや小太りですけど。(笑)

カッコ良すぎると言われる向きもありましょうが、
バカ言っちゃいけません。
これを棄てたら、人間たるもの何が残りましょう。
サル以下。アンダー・モンキッキ。ですよ。(笑)

本件について詳細は知りませんし、
業界事情にも不案内の外野ではありますが、
日本人の成人男子の一人として、ひとこと。

ご静聴、ありがとうございました。

ごきげんよう。

2015/10/15 11:00 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

朝のニュースを見て、
「これはメディアからのコメント要請が殺到するだろう」
なんて覚悟を決めて事務所に出たらぜんぜん。
夕刊紙2つから電話があっただけでした。
どちらかというと、今日は建築技術的な話に終始したみたいで。
でも、これは日本のマンション史に残る事件になるでしょうね。

「不安をあおる」は、生活必需品以外のモノを売るにはこれが一番。
まさにビジネスの王道です。
弱みに付け込むビジネスこそが最強。
まあ「だまし」とまでは思いませんが。

私の資産価値レポートも「失敗するかもしれない」という
不安を持った方が買って下さるもの。
ただ、ほとんどのお方がリピーターになるので
それなりの商品性はあるのだと自惚れています。

お人好しは野垂れ死にするかもしれません。
でも、そればかりでもよくありません。
お人好しは社会資産ですからね。
多過ぎるのもアウトですが(笑)。

ごきげんよう 榊淳司

2015/10/14 23:23 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

三井ナンダラ株が大暴落だと?
ま、そんなこと「スモール」ですが。

「不安は最高の商材である」と。

これは、マーケティングの基本ですね。
人間みな神ならぬ身「明日のことは分からない」。
で、考えれば考えるほど「不安」が高じるのは必定。
そこを「ワシズカミ」するのがマーケティング。

他には。
ブランドに弱い。権威に弱い。そして、美女に弱い。(笑)
そこを「ワシズカミ」する。
これもまた、マーケティングの、イロハ。

「三井・三菱」なーんて文字を見ただけで、コロン。
コロコロ・コロンと、面白いようにね。
頼みもしないのに、自分から。(笑)

あと。
「バカは最高の商材である」(笑)
これは私の作文ですが、どうなんでしょうね。

ま、時代は変わり世は変わり、浜の真砂は尽きるとも、
世に「キツネとタヌキ」の種は尽きまじ、でしょう。

そこそも。
ショーバイ・ビジネスの本質は「だまし」ですからね。
お人好しでは、野垂れ死にでしょう。(笑)
ま、やり過ぎはアウトですが。

ごきげんよう。

2015/10/14 20:46 | by まろたん

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