消費増税よりもカンタンで効果的な財政再建策

久々に、国内政治の話。
官邸(安倍首相周辺ということ。菅官房長官とか)が、
党(谷垣幹事長のこと)をねじ伏せて、消費税の軽減税率を
幅広く適用する公明党案を飲ませたとか。
ふーん。

そもそも、再来年の4月に消費税が上がらないとしたら、
こういうことは茶番劇というものですね。
消費税を上げることが前提だから、軽減税率で揉めているわけでしょ。
そもそも、安倍君に消費税上げる気があるの?

最近の雑誌記事を読んでいると、安倍君は
「消費税って、絶対に上げるのですよね?」という質問に
笑って答えないそうな。去年の解散の時とは違いますね。
あの時は「もう延期することはありえません」的発言だった。

来年は参議院選挙があります。
それに合わせて「消費税増税の無期限延期」を公約にして
衆議院を解散して同時選挙に持ち込むハラが見え見え(笑)。
まあ、うまくやってくださいね、の世界。

そもそも、今のこの経済情勢で消費税を上げれば日本経済が
今以上にメチャメチャになるのは目に見えています。
消費税が上がって喜ぶのは、財務省と非課税業者だけ。
安倍君も、そんなことは百も承知。だけど口に出せない。

安倍君が今、「消費税増税には無理がある」なんて口を滑らせると、
財務省が猛然と牙をむいて安倍降ろしに動きます。
彼らにとって、消費税増税は悲願なのです。
何が何でも10%にしなければいけないと思っています。

しかし、返す返すも不思議ですね。
このブログでも何回か取り上げました。
財務省は、税率さえ上げれば税収が増えると思っています。
財政の累積赤字は、税金を取り立てることによって改善できると。
ホンマに「アホかいな」の世界です。

財務省と言うと、日本の文系教育を受けた最優秀な連中の集団。
それがなぜ、そういうアホみたいな理屈にまい進するのか?
私にはどうにも理解できません。
ただひとつ、推測できるのは財政再建というのは「答えのある問題」。
東大秀才君たちって「答えのある問題」には日本一強いけれど、
「答えを創造する問題」には私立文系より弱いみたいですよ。

カンタンに解説するとと、まず日本政府は借金だらけです。
人間に例えれば、とっくに破産水準を超えています。
年収500万円なのに1億円の借金があるのと同じです。
それを返そうとすれば、年収を1千万円に引き上げねばなりません。
政府の収入はすなわち税金ですから、答えは「税率の引き上げ」。

法人税や個人の所得税を引き上げようとすると、
政治家たちが選挙で負けるから、そちらは無理。
消費税なら、国際的に見てもまだ低水準。
政治家たちも納得しやすいし、国民も騙しやすい。
「だから消費税を上げよう」
財務省(昔の大蔵省時代から)は、単純にそう考えます。

東大出の秀才たちというのは、本当に「アタマが固い」ですね。
思い返せば、理系のノーベル賞を取った人々を眺めてみると
なんと東大出のエリートコース研究者の少ないこと。
ほとんどがアウトサイダーではないですか!

秀才には秀才の使い道があります。ただ、実戦には向かないのです。
連中には「答えが出る問題」をやらせておけばいいのです。
政治的な高度な判断には向きません。
今回も、谷垣君が財務省シンパなのは、彼が財務大臣経験者だから。
おまけに谷垣君も弁護士だけどエリート系なので、
財務省の役人たちと考え方が似ているのでしょう。
すっかり財務省のリクツに洗脳されているみたいですね。

父親が自衛官で政経塾出身、どこか東大コンプレックスを
持っていたそうな民主党の野田君も、財務大臣時代に
すっかり役人に洗脳された結果、政権と引き換えに消費増税。
今でも騙されたことに気が付いていないのではないでしょうか。

私も数年前までは「千兆の借金なんて返せるわけないじゃん!」。
「日本はもうすぐ破産するよ」なんて、真剣に考えていました。
でも、今はすっかり宗旨替えしています。
「過ちて改めるにはばかることなかれ」、あるいは「君子豹変」。
そもそも「国の借金って何だろう?」と考えると本質が見えます。

あの破たんしかけたギリシアと日本では、借金の質が違います。
日本の借金は、ほとんどが国債の発行残高。
国債の単位は「円」。胴元は日本銀行。所有者も3割がた日銀。
国の借金を中央銀行が引き受けるのは「財政ファイナンス」といって
管理通貨制度の元でもっとも禁忌すべきことです。
でも、今の日本は平気の平左でやっています。
誰も文句言いません。なぜなら、日銀以外は誰も損しないから。
日銀が損をしたって、誰も迷惑しません。

ギリシアの借金は、ギリシャ国債と、ギリシャ国内の銀行の借金。
単位は「ユーロ」。胴元はECB(ヨーロッパ中央銀行)。
分りやすく言うとECBはドイツの支配下にあります。
そして、ギリシャに金を貸しているのはECBやドイツや
その他ユーロの金融機関や投資家たち。
ギリシャが破たんすると、彼らが損をします。単位はユーロ。
これは実害があるので、大いに困ります。
ユーロ圏がすごい不況に陥ります。

ギリシャが破たんすると、ギリシャ人はほとんど貧乏人になります。
なぜなら、ギリシャ国内のユーロがガタ減りになります。
お金が回らなくなって、公務員の給料さえ払えません。
そして、ギリシャ人の4割がたは公務員。
あとの人々も、ほとんどがそれにぶら下がっている人だから。
現状、ほぼ破綻状態ですね。ギリシャ人は大変でしょ。
でも、今まで「お金が足りないから」と借りていたツケを払っているだけ。

ところが、日本政府が破たんしても、困るのは日銀と金融機関だけ。
日本国債はほとんど日本国内で消化されているからです。
まあ、今の状態では理論的に破たんしようがありません。
日銀が国債を引き受ければ、半永久的に破綻せずに済みます。
ただ、対外的な信用が下がるので、円安になるだけ。
現に、黒田君が異次元金融緩和をやったので円安になりました。

実はね、破綻だってカンタンに回避できます。
日本には1600兆円という個人の金融資産があるのです。
法人じゃありません。個人ですよ。国民一人1300万円。
金融資産ですよ。現金や株、債券などです。
つまり、日本という国は今まで豊かな国民から
税金としてお金を吸い上げず、借金として借りて
必要な経費を賄っていただけなのです。
この歪な構造を、単純な消費増税という答えで解決しようと
考えているのが財務省の役人。アホですね。
「財政赤字を解消せよ」という問題の解答としては正解かもわかりませんが、
現実社会におけるソルーションメソードとしては落第点。

消費税を2%上げたって、政府の増収は4兆円かそこらです。
政権をいくつも潰して、大騒ぎしながら消費税を上げるよりも、
この1600兆円から何割かを税金で掠め取ることを考えましょうよ。
1割巻き上げれば160兆円。2割なら320兆円ですぜ、旦那。
うまくやれば、政府の借金なんて一発で半分に減るかもしれません。

さて、ではこの1600兆円は誰が持っているのか?
「富裕層」ですよ。いわゆるお金持ちの方々。
相続税対策といっては、住みもしないバカ高いタワーマンションを買う人。
京都の7億円のマンションをすぱっと買う人。
もっとも、あれは中国人かもしれませんが(笑)。

ああいう人々ほど、網の目のように張り巡らされた「優遇税制」を
「これでもか」というほど使いまくっています。
私は貧乏人ですが、いささかお金持ちさんたちと交流があります。
みなさん、実にお上手。税務知識はハンパありません。
つまり、消費税を上げないで優遇税制を片っ端から見直すことで、
今まで税制の網から漏らして肥え太らせた富裕層から、
「本当だったら払わなければならなかった税金」を徴収するのです。

消費税というのは、金持ちから貧乏人まで平等にかかる税金。
そんなのを上げれば時の政権が選挙で負けるなんて分り切っています。
つまり、ものすごくエネルギーのいる増収策。犠牲者もいっぱい。
そんなことに血道を上げるよりも優遇税制見直しでしょう。
ひとつひとつの優遇税制には受益者が少ないので、
反対の声も高くなりません。だから選挙にも負けません。
戦争で言えば、弱いところを攻めて各個撃破。これ勝利の王道。

財務省の秀才君たちはどうしてこんなカンタンなことが分らないのでしょう。
消費税を上げるなんて、労多くして屍多し。愚の骨頂です。
それよりも、お金持ちをテーマごとに各個撃破。
先日のタワーマンション購入による相続税課税基準見直し、
なんていうのがまさにそれ。
ああいうのを何百と積み重ねれば、すぐにウン十兆円ですぜ。

あと、バリ島への不動産見学ツアーを非公式に開催します。
時期は2016年の2月頃です。まだ、正式な日程は未定。
みなさん、ご希望があれば「お問い合わせ」からお知らせください。
あと2,3名の方がご参加していただければ催行できるはず。

日程:2016年2月から3月頃
宿泊:1泊78ドル程度でプール付きヴィレジのヴィラをご用意できます。お二人でも同額。現地精算。
費用:現地で不動産見学1日2万円(車、ガソリン代、運転手などの実費です)
航空便:各自でご手配ください。直行だとガルーダのみ。8から9万円。
乗り継ぎだと、韓国や台湾、シンガポールなどがあります。やや割安。
送迎:不動産ツアーに参加していただく場合、空港への送迎は無料です。
榊淳司:みなさんの不動産ツアーに同行します。お嫌でなければお昼と晩御飯をご一緒します。費用は割り勘。
●現地での銀行口座開設:1口座3万円の手数料で承ります。
●その他、観光やエンタテイメント等のご要望があれば現地スタッフが可能な限りご希望に沿う努力をします。

こんな具合です。日程は参加者の皆さんの希望を優先するつもりです。
ですので、まずお知らせください。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

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2015/12/11 0:21 Comments (6)

6 Comments

まろたんさん、こんばんは。

公立小学校、公立中学校はひどいものです。
教師の質が低すぎますね。
でもまあ、それが下々の実態。
エリート校だけで育つと、下々を知らずに世に出ます。

下々の情にも通じないと・・・なんて。
どっぷり下々の中で生きてきましたけど(笑)。

結局、下々は群れて勝手なことを言い合っているだけですね。
SNSなどはその典型。

関係ないけれど、下町ロケットが面白いです。
今日もお神酒をいただいて寝ます。

それではまた。 ごきげんよう 榊淳司。

2015/12/13 22:47 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

以下、巨視的な見方ですが。

「水飲み百姓は、生かさず殺さず」
とは、徳川家康公のセリフとか。
が、これは「統治」の大原則でしょう。

で「貧民を作り出すことこそ、統治」です。

貧民を作り出し隷属させる。現代の「奴隷制」。
貧民には、クズのような奴隷仕事を与える。
賃金は「下の下」。

で、それら貧民に対して、
選挙をにらみ「給付金」をバラマク。
貧民は、たとえ僅かな一時金でも、拝んで受け取る。
そして「アリガタヤ投票」で、統治は安泰となる。

もう10年以上も前から、
都立高校を卒業しても、漢字の読み書き不能が当たり前。
今や、公立中学・公立高校は「学校に非ず」。
「収容所=ゲットーに過ぎない」といわれる状態。

だから、
公立校の教師は、我が子どもを「私立校」に入れる。
近くに公立中があると不動産価値が下がると?

家康公曰わく。
「貧民は、生かさず殺さず」と。
民主政治になっても、変わらんなー!

現状、こんなところでしょうか?(笑)

ごきげんよう。

2015/12/13 20:37 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

さすがはまろたんさん。
マイナンバー、庶民にとってはデメリットなし。
ガッツリ税金取るよ、のシステム。
でも、自民党議員には金持ちいっぱい。
財務省の役人にも「税金払いたくない」輩たくさん。
どうなるのかみものですね。
消費税でゴチャゴチャやっているより
マイナンバーの縛りをきつくする方が
よっぽど増税ですね。

贈り物をありがとうございます。
こちらからは何も差し上げられなくて恐縮です。

ではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2015/12/12 09:58 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

ニッポン政府の財政健全化には、ご指摘の通り、
1700兆円の金融資産に課税するのが最も「妥当」です。
金融資産から搾り取る、まさに「一番搾り」です。(笑)

そこで「マイナンバー」です。
2021には金融資産に「義務化」すると公言しています。
この義務化の法律は、もう制定されたのでしょうか?
これからでしょうか?

いずれにしても、政府=財務省は「強行突破」してきますね。
泣きをみるのは「大資産家」だけですから。
庶民レベルの資産しか持たない大方の国民は、
少なくとも泣きをみない。

ですから、政府・財務省も「やりやすい」。
景気への影響も、消費税をはじめ、
他の税目の増税に比べれば、問題になりません。

で、今ですが。
「金庫」が激売れしているというウワサは、
「都市伝説」でしょうか?
大資産家が「爆買い」しているという巷間流れるウワサ。
もっともらし過ぎて、やっぱ「都市伝説」かいなーと?

が、私が大資産家であったら「ぼー」とはしていません。
榊さまも書かれているよう、我が資産を「守る」ことの勉強は、
専門家レベルでしょう。
ま、持たざる庶民からすれば、羨ましい気苦労ですが。

私は「マイナンバー」に積極的です。
ICカードも請求しました。来年1月から交付される予定。

マイナンバー制度には、もちろんマイナスな点もあります。
が、庶民にとっては「プラス」のほうがデカイ。
つまり「徴税上でのメリット」のほうが大きい。

はっきり言いますと、
これに反対しグズっている人は「大資産家」か「後ろめたい人」
だと断言しても、構わないでしょう。

ま、「資産課税」を財政健全化の「バズーカー」にするしかないと。
で、金庫爆買いの件ですが、都市伝説でしょうかね。
どっちゃでもええやんかー。(笑)

2022から団塊世代が「後期高齢者」に突入します。
医療・介護・年金などなど社会保障費は、激増します。
生活保護者も、大きく増えるでしょう。
しかし「税収」は増えません!

目前です。あと6年後。あっと言う間です。
「待ったなし!」
正面突破あるのみですが、どうなるでしょうか?

まずは来年7月。参議院選挙。
安倍晋三は、いつ、どのように「動く」か?

ごきげんよう。

2015/12/12 08:55 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

それにしても、管理通貨制度は不思議です。
貨幣を神ならぬ人間が創るわけですから「何でもあり」。
どこまで「なんでもあり」かを実験しているのが日本。
バベルの塔を建てているようなもの。
そのうち破たんするでしょう。

しかししかし、たとえ破綻しても「円」の価値がなくなるだけ。
敗戦後の焼け野原ではありません。
生産設備も会社機能も、何よりも人間が残っています。
つまり価値を生み出す装置も人も健在。
「貨幣」が価値を失うだけ。
いってみれば、カラダはあるけど血液がない状態。
人間なら死にますが、国家は死にません。

敗戦後に旧円から新円に変わった程度の混乱を経れば
再び甦ります。
その間、藤巻オジサンの言う通り、ドルを買っておけばとっても有利。
でも、ドルもインチキなところがあります。
まあ、モノか生産設備、原料などを押さえているのが一番。
お金があったら油田投資ですね(笑)。

ごきげんよう。 榊淳司

2015/12/11 10:11 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

お金が回っている限りは「破たん」しませんよね。
個人の家計も、私企業、自治体、国家政府もすべて、
「金繰り」がついている限り「破たん=破産」しません。
すべて「金のやりくり」です。

今、日銀が政府の借金を引き受けて「金繰り」しています。
日銀は、お金を印刷・発行出来ますから、千兆円だろうが、
2千兆円だろうが、金繰りできます。

この究極のカタチが「無税国家」ですが、
日本国は、現状「半無税国家」状態といえます。
このまま未来永劫続くのなら、もう「誰も働かんわい!」(笑)

それはともかく。
国家財政、消費税を2%UPしても焼け石に水です。
こんなもんではどうにもならん、ということこそ真の問題です。
このまま「半無税国家」で、行けるところまで行くつもりでしょうか。

あと10年は行けるだろうとか、いや20年は行けるだろうとか、
専門家なる人びとの諸説紛々。
みんなで「当てっこしてるばあいかー!」(笑)

いわゆるプライマリーバランスのためには、約40兆円の不足とか。
40兆なんて、どうにもならん税収不足じゃないですか。
もはや日本国は「アウトー!」でしょう。
カウントダウンの状態では、有馬温泉。(笑・久しぶりに使いましたわ)

テレビは論外ですが、大新聞も、ほとんど「ヒトゴト」です。
もはや「あきらめ君」なのでしょうか。
藤巻健史さんだけですよ。吠えまくっているのは。
「ドルを買え買え!」って。「ドル買えジイさん」ですわ。(笑)

ま、きりがありません。このへんで。
失礼しました。

ごきげんよう。

2015/12/11 03:28 | by まろたん

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