ららぽーとが消える時代を予測

我々は諸行無常の世界を生きています。
諸行無常と言う言葉の意味を平たく言うと
「物事は常に変化している」、でしょうか。
これって「人は必ず死ぬ」というのと同じくらい
人間社会においては確立された真理です。
この二つがあれば哲学なんて必要ないじゃん、と思います。
まあそれは私固有の乱暴な理屈かもしれません。

それで、今見えている現実は10年後とは全然違うワケです。
ところが、大半のアタマのかたーい人々は、未来を予測する時に
「今」を基準に考えてしまいます。
まあ、当たり前です。現在と未来はアナログ的につながっているはず。
だから、普通に考えると大きく変化しません。

ちょっと古い話で恐縮ですが1989年の終りに
日経平均は38915円でした。13年後に7831円。
これをいったい誰が予測したでしょうか? 約4分の1。
今、あの毒水騒ぎの渦中にある豊洲の新市場の横に立つ
スカイズとベイズと言う2つのタワーマンションがあります。

私はあの2棟の実力資産価値は坪単価にして150万円だと予測。
早ければ8年後にはそこまで落ちるのでは、と考えています。
1989年の年末から13年半後に起きた日経平均の変化に比べれば
資産価値が半分になるなんてまだまだ「甘い予測」かもしれません。

さて、今日のテーマはあのつまらない二つのタワーではありません。
何かと言うと、大型の商業施設。例えばららぽーと。
郊外や地方のショッピングモール。都心や近郊のデパート。
そして大型のスーパーマーケット。

昨日の報道でイトーヨーカドーが新規出店を控えると。
流通業界の巨人はイオンとヨーカドーです。
ともに経営状態はあまり芳しくありませんね。
株価も低迷している、と言っていい状況です。

先日、ビックリしたのがイトーヨーカドー新浦安店の閉店。
何度か私も行ったことがあります。あそこが閉店・・・
新浦安の住民は不自由なことになりますね
しかし、これは言って見れば時代の流れなのです。

一言で言えば「お店でモノを買わなくなる時代」が来ています。
私自身で言っても、本の購入はブックオフよりもアマゾンが多くなりました。
「欲しい」と思う本は、アマゾンの方が完全に見つけやすい。
お酒もカクヤスに頼んだ方が楽ちん。

今後、こういった傾向はますます強くなるでしょう。
つまり、リアル店舗は必要なくなってくるのです。
100年前、都会人の娯楽は百貨店と芝居でした。

「今日は三越 明日は帝劇」

三越や帝劇に行くことが富裕層のステイタスの証明だったのです。
今は違いますね。富裕層は三越を喜ぶでしょうか?

話をややずらせると、マイルドヤンキーは郊外の
ショッピングモールにたまるといわれています。
一日ひとり千数百円でかなり遊べて時間が消化できるからです。
しかし、これから若年人口は細るばかりです。
今、30代のマイルドヤンキーは10年後には40代。
10年後の30歳人口は今の3割減くらいでしょうか。
つまり、ショッピングモールも5つに2つは消滅します。

同様に、大きなイオンやヨーカドーもどんどん経営不振に陥ります。
今は盛況のららぽーとだって、10年後はどうなるか分りません。
ああいう商業施設は、赤字になれば容赦なく撤退します。
「いつまでもあると思うなマイルドヤンキーとららぽーと」

先日、横浜の杭未達マンションの建て替え決議が、
反対わずか2票と言う素晴らしい賛成多数で可決されました。
それについてどうこういうつもりはありません。
しかし、建替えられた3年後に戻ってきたときに、
ららぽーとがあるという保証は何もありません。
3年後にはあっても10年後にもあるという保証もなし。
10年後にららぽーとが撤退すれば、あのマンションは
「鴨居駅徒歩11分 築7年」の中古マンションです。

現実と言うものは容赦がありません。
私は、バラ色の未来を語って根拠のない楽観を振りまくよりも、
かなり予測できる悲観的な10年後を考えるべきだと思います。
10年後、多くのららぽーとや大型ショッピングモールが消滅します。
それによって、その傍にあるマンションの価値も暴落します。

ららぽーとやイオンやヨーカドーは可動物です。すぐに逃げていきます。
しかし、ある程度の利用が見込める鉄道はさほど簡単には無くなりません。
つまり「ららぽーとがあるから」という理由で資産評価が高い
マンションは、かなり危うい未来が潜んでいるということ。

今回、新豊洲の騒動でウジャウジャヤと言われていますが、
それよりも今の豊洲にららぽーとが撤退した未来を予測してはいかが?
有楽町線しかない豊洲の未来も、かなり危ういものが感じられます。
東京の人口が減り始めるのは4年後の2020年。
世帯数が減り始めるのは、その10年後の2030年。
子どもの数なんて、今でも減っていそうな気がしますよ。

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2016/10/5 12:03 Comments (6)

6 Comments

まろたんさん、こんにちは。

団塊の方々、700万人も生存しているのですか・・・
僕らの世代にとっては、ペーペーの時の課長や部長。
今でもFBでやり取りしているような先輩もいますが、
だいたいは「厄介な」タイプが多かったですね(笑)。
確かに声はでかいし自己顕示欲が旺盛。
あのかたまりが90を超えた時に、
日本はひとつに時代を終えるのでしょう。
その時は私も後期高齢者ですけど。

まあ、いずれ死ぬことは避けられませんがな。
せいぜいはばかることにいたしましょう。

ごきげんよう 榊淳司

2016/10/06 15:35 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「団塊世代」
800万生まれ、今残るは700万余だと。
この世代の特徴は、
1.声がムダにデカい。
2.がさつ。
3.ドサクサマギレ。

1と2は、人数が多かったからでしょう。
3は育った時代が、昭和20ー30年代で、
その時代、まだ敗戦後のドサクサを引きずっていて、
その影響を受けたからでしょう。

良くも悪くも敗戦後のニッポンに於いて、
他世代に比べて大きな影響を与えました。

団塊世代の多くは首都圏を中心に大都市圏に出て、
殆どが今も大都市圏に住んでいるようです。
私のように「地方移住」の希望者が相当数いるようです。
が、ママならぬまま、大都市圏に留まっている。

私の推測ですが、ママならぬ理由は、
1.夫は希望するが、妻は不動。
つまり夫婦の意思が合致せず。
離婚してまでも移住する男は、ほぼゼロでしょう。

2.ズバリ、お金の問題。
「先だつもの」が十分でなければ動けません。
もう若くはないのですから。

では、
団塊世代で地方移住したものは、どのくらいか?
おそらく少数派でしょう。
団塊残存700万の1割で70万人。
夫婦として数えると、35万夫婦。
いやいや、そんなにはいないでしょう。

大方が大都市圏に残留し、まもなく後期高齢者に突入し、
やがて、介護・死亡に至るのでしょう。
15-20年後には、そのほとんどが・・・。

私、残留団塊のイッピキとして、やや感傷的に、
「なーんか、寂しいよなあ。榊さま!」

ごきげんよう。

2016/10/06 06:16 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

台風の被害がなくて何よりです。
評論家云々はひとまずおいて、
H氏の件はぜひまとまって欲しいものです。
そうなれば、まろたんさんのトキオご降臨も
期待できるでは有馬温泉。

しかし今日は何もない一日でした。
来客もなく、電話もほとんどなく。
こういう日は原稿が捗るのですが、
ちびっと寂しいものですね。
なんか取り残されたみたいで(笑)。

では今日もお神酒タイムにいたします。

ごきげんよう 榊淳司

2016/10/05 20:41 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

タイフーンは日本海を、歌舞伎役者よろしく、
タタラ踏むようにして去りました。
で、影響ナシ。

例えば大学教授が「評論家」ふうになるのは、
現場を知らないからで、しかし、それなりの価値はあります。
私も現場を離れて「評論家」ふうになりました。
大学教授ほどの知力はありませんが、トシなりの知見はあり、
更に教授と違うのは「現場を経験」しておる。
という点でしょうか。

「現場にドップリ」
というのは生活人としてやむを得ません。
生活人、まず食い扶持こそ大事ですから。
で、物事なんであれ、あれもこれもは難しい。
ドップリでは、やはり評論家にはなれません。

「評論家」たるもの、すべて「ヒトゴト」です。
ヒトゴトゆえの見方があり、プラス価値もあります。
「現場ドップリ」は「ヒトゴトになれない」ですから、
この良さもありますが、限界もあります。

軍事組織・役割で言いますと、
「参謀」と「前線」の違いでしょうか。
会社組織・役割で言いますと、
「管理本部」と「現場」でしょうか。

組織が巨大になればなるほど、
それぞれに「限界」があります。
ま、こういうノーテンキなことを言えるのも、
現場を遠く離れればこそ。ですね。

ま、結局、ニンゲンたるもの、
「自分の立場」でしか「ものが見えない」し、
「自分の立場」でしか「ものが言えない」
という存在でしょう。

だから「それぞれの立場」で言い放し、
妥協点はなく平行線。永遠に。
いやいや永遠にではなく「破局まで」
でしょうか。

あらら。
「学」のない小市民ふぜいで、難しい話になりました。

Hさんの案件。
あのセンで、鋭意進めていただいております。

わが老後。
半径1メートルで生息をと。
評論家ふうに。(笑)

ごきげんよう。

2016/10/05 20:20 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

なんかちょっとお久しぶりな感じですね。
67歳は普通、働いていますね。私のイメージでは。
私が67歳になっても、多分同じでしょう。
というか、年金支給開始を70に延ばされていたりして。

ところでそちら、台風は大丈夫ですか?
かすっていたようなきがしましたが。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/10/05 17:02 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「諸行無常」
すべての真理は、常に過酷で厳しい。
だから、つい眼を背けたくなる。
しかし思う。
「おれ、どう生きてゆくか?」

先日、コンタクト処方のため近くの眼科医を受診。
以下、そのときのエピソード。

視力検査の看護婦?が、私に言った。
四〇代後半とおぼしき女性。
「もう働いてないんですか?」
私、答える。
「もうトシだから」
看護婦、カルテのような書類を見て、
「67なんですか」
私、かぶせるように言った。
「もう、イイでしょう」
看護婦、笑む。

この看護婦、
外見から私を何歳と見たのかは分かりません?
が、67歳と知って「労役免除?」してもらえた。(笑)

で、思うんですわ。
今は67歳で「労役免除」の世間的なコンセンサスがあります。
が、10ー20年後は、どうでしょうか?
おそらく「70歳」になっておるのでは、有馬温泉?

そうなれば、69歳で無職のオトコたるもの、
こう言われることでしょう。
「69で、もう働いてないんですか」(笑)

「働いてナンボ」の男たるもの。
シンドイ時代が来まんなあー。(笑)
ああ、諸行無常。
「若き民草、どう生きてゆくのんか?」

ごきげんよう。

2016/10/05 16:23 | by まろたん

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