崩壊する中産階級とマンション業界

日本はその昔、「一億総中流」とか言っていました。
その頃、父親に「ウチも中流か?」と聞いたら、
「アホゆうたらあかん。ウチは下流もええとこや」と言われました。
まあ、大まかには間違っていなかったと思います。

資本主義社会には、健全な中産階級が必要だといわれています。
それらが消費の主役を担うのです。
しかし今、日本でもアメリカでも中産階級が崩壊している、
といっている経済学者が大勢います。どういうことでしょう?

三浦展さんが「下流社会」という本を出してブームになりました。
もう10年以上も前の話ですね。その後「格差社会」と言うワードも流行。
世の中が二極化している、なんていう「二極化」もよく聞きます。
あるいは「若者の貧困化」ということもよく言われます。

マイルドヤンキーというのは、ある意味「貧困」に近い層でしょう。
東京に住んでいて、ビジネス社会に生きていると出会えない人々。
でも、そういった層は確実に存在しますね。
でも、果たして中産階級は崩壊しているのでしょうか?

先日、「砂の塔」というTBSのドラマの初回を観ました。
笑えるくらいタワーマンションの見栄っ張り族を茶化していました。
でも、あの連中は昔風に言えば中産階級です。
おそらく、世帯年収800万円から2000万円の設定だと思います。

ではあの下の層はどこに住んでいるのでしょう?
タワーマンションではなく、郊外の長谷工プロジェクトでしょうか?
野村不動産のオハナであれば、年収500万円から600万円が対象。
今は金利が安いので、年収の8倍くらいは平気で買えます。
もちろん、35年ローンですよ。返せるかどうかは別にして。

最近、郊外の長谷工プロジェクトが少なくなりました。
私の勝手な予想では、長谷工は2,3年後に再び経営危機を迎えます。
郊外の場合、都心のバブルはほぼ無縁です。
だって、郊外の中産階級の所得は上がっていません。下がっています。
マンションの価格だけ上がったって、買えませんよ。
だから、金利が下がった分くらいしか値上がりしていません。健全。

世の中、やはり中産階級は徐々に崩壊していると私は思います。
ナマな話をすると、従来のイメージでいう中産階級は、
社員500人未満の会社に勤めて子どもは一人か二人、
生涯年収が2億5千万円くらいの人々ではないでしょうか。
コツコツ働いて50歳くらいでやっと年収1千万円。
30代と40代は子育てに追われて・・・みたいな。

考えてみれば、それって団塊の世代のチョイあとまで。
我々の同年代は、60歳で無事定年なんてのは多分少数派。
しかも、8割9割が転職の経験者です。
そこで年収が上がればいいけれど、今はほぼ下がります。
つまりカタチはどうであれリストラにあっています。

まあ何とか住宅ローンを返せている人はラッキーな連中。
10人に3人くらいは自己破産か個人再生を使っています。
いってみれば死屍累々。まともな方が少ないかもしれませんね。
私の広告屋時代の仲間で、同世代は半分くらい消息不明。
というか、私が知らないだけかもしれませんが。

今の時代、安心して35年ローンが組めるのは公務員だけ。
そんな時代に、「砂の塔」はアッパー層の薄っぺらな日常を
暴くことによって今や多数派となった「下流」の
支持を得ようとしているようにも思えました。

どうやらモデルとなったエリアは、今が旬の「豊洲」。
撮影に協力したのは豊洲の某タワーマンションだとか。
まあ、そんなことはどーでもいいのですが。
あの街は今、ベンゼンとか水銀とかいって騒いでいますね。
でも、あれは普通の豊洲からかなり離れた場所。
ベイズやスカイズは近くても、あのドラマの舞台とは別の街。

その豊洲では今、「塾難民」が発生しているとか。
豊洲にはいちおうサピックスがあるのに、なぜでしょうね?
まあ、サピックスで勉強したからといって、
いい学校に合格するとは限りませんが。

塾業界に衰退の気配がありません。なぜでしょう?
子どもは確実に減っています。客層の中産階級も崩壊気味。
なのに、大きな倒産は出ていませんね。
みんながんばって、一人だけの子どもを塾に行かせている?
もしかしたら、地方ではもう崩壊しているかも。

中産階級が崩壊することで、郊外のマンションは売れなくなります。
でも、今やマンションデベの主要なお客は富裕層。
多分、今後この業界は崩壊しつつある中産階級を捨てます。
彼らに無理して3LDK3900万円を売らずとも、
都心の8千万円UPを富裕層に売ればビジネスは継続できます。

この国の中産階級が崩壊しつつあるということは、
当面の間デフレは続くということです。
なぜなら、低所得者が増えるので国内の消費が低迷。
そうでなくても、毎年30万人の人口が減っていますから。

変化はジワジワと寄せてきています。
そのうち、中産階級の崩壊どころか「貧困」が主役になります。
まあ、すでにその一部が出てきていますね。
非正規雇用のまま50歳を迎える人はどうなるのでしょう?
何か「手に職」があればいいのですが、ないと悲惨ですね。
私は54歳ですが、まわりははっきりと二極化しています。

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2016/10/19 0:03 Comments (10)

10 Comments

まろたんさん、こんにちは。

そうですか・・・・
マンション開発というのは8割売れてトントン。
それ以下は赤字というのが普通のパターン。
住友不動産やゴールドクレストでも
6割5分くらいが採算ラインです。
だから、そのうち値引きになるかもしれませんね。

総会の前に議案書が配られるはず。
決算をよく見てください。
売主所有の住戸について、管理費が払われているか否か。
できることなら、理事になるのがいいですね。
気苦労はありますが、よく分かりますから。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/10/20 11:22 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

ローカルな話ですが。
今、私が住むマンションは竣工が昨年12月。
つまりまもなく築1年。

現状は不明ですが、売却済みは半分程度で、
半分は売れ残りではと。私の推測ですが。
この売れ残りをどう処理するつもりなのか不明。

今月末「管理組合の発起総会」を開催するとの知らせ。
やっとこさ管理組合が始動となるようです。

当マンションの欠点は「駐車場が少ない」こと。
地方では「一家に2台」分の駐車場がないと敬遠される。
とは、デベの担当営業の弁。
で、売れ残り多し。
竣工1年で売れ残りでは、この先、売り見込みは薄いのでは。

既に入居者も高齢者が多い感じ。推定ですが。
高齢者は働いていないので駐車場2台は不要。
で、駐車場が少ないことが欠点にはなりません。

ま、月末の「発起総会」に出席してみますわ。
私と女房の年齢から「15年も住めば」というところ。
大規模修繕に1回ぶっつかるか、どうかくらい。
年寄りにとっては、住宅は、もう「消耗品」ですね。

ごきげんよう。

2016/10/20 00:26 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

大丈夫です。日本は破綻しません。
まろたんさんもわたしも、生きているうちは。

私は、日本人の半分以上は「勝つ」と
無邪気に考えていたと思いますよ。
ウチに母親なんかそうでしたけれど。
まあ、インテリは分っていたと思いますけど。

「悪あがき」してください。
私の人生も「悪あがき」みたいなものでして。

では、そろそろお神酒タイムです。

ごきげんよう 榊淳司

2016/10/19 21:45 | by Sakaki Atsushi

井上様

おお、4.93も回っているのですか。
それはしばらくホールドでいいですよ。

私が思うに、サラリーマンの年収1000万円というのは
いちばんきついのではないでしょうか。
汚いかっこうはできないし、付き合いもあります。
子どもは当然のように私立にやらにゃあならない。
それでスカイズに住むと、管理費などはバッカ高。
まあ、私は年収が2千万円でもあんなところは選びません。

小池劇場、幕引きが大変ですよ。
ひとついえるのは、来年1月の移転決定はあり得ないでしょうね。
ズルズル2,3年は引きずりそうな。
そのうち五輪ですわ。
まあ、私はメディアに聞かれればコメントは出しますけれど。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/10/19 20:56 | by Sakaki Atsushi

榊さん、どうも。

小池劇場がどうなるのか・・
今は追い風が吹いてますが、落としどころ間違えると
一転逆転で逆風が・・ってのもあり得ると見ています。
豊洲市場問題も難しい・・結局、豊洲移転か、あるいは無しにするか・・

「砂の塔」私も録画したやつを見ました。
まあ、ロケ地はアッチャコッチャなんでしょうが、
カフェバーからの眺めと最初に出てきた外観から推理しますと
有明のタワマンなんでしょうね。

いやぁ、タワマン奥様連中のああいったカースト制、
私はついて行けない。勿論、上海人のうちのカアちゃんも・・

SKYZの購入者をイロイロな場面で、観察してきましたが、
年収1000万前後の方々なのかと見ましたね。

まあ、高収入というレベルの人達だと思いますが、
ママ友のお付き合いとか、周りを意識した生活してると、
いずれ破綻してしまうのでは、と心配したりするのです。
私のバヤイは、身の丈以上の生活するのは大っ嫌いですので、
どうってことないんですが・・
なんか、ああいうタワマン生活って、私には合わない気がします。
だから、今後も賃貸するかな、と言う気持ちになるのです。
今グロス利回り5.68%、ネット利回り4.93%ですから・・
2年後にネットが4%になったとしても、引き続き賃貸かなと・・

2016/10/19 19:20 | by 井上@打浦橋@上海

榊さま。

2-3年前、養老孟司さんが或る雑誌に、
先の大戦について、こんな主旨のことを。

おおかたの国民は負け戦であることを知っていた。
が、その事はハラにしまって、表向きは勝てると、
言っていた。
本心を正直に言うと、どんな仕打ち受けるか!
これって「庶民のチエ」と言うもんでしょう。
と。

ま、軍部も負け戦であると認識していた。
が、負けを認めたくないために、次から次に、
「思い付き・悪あがき」で戦術を出して来た。
カミカゼ特攻・本土決戦、などなど。

で、戦後、問いただすと、
特攻作戦を考えた軍人が誰だったか、不明なんだと。
みんな、こぞって「オレじゃない」と逃げたと。
これ、おんなじ構図ですね。「豊洲問題」と。
いやはや「素晴らしい民族」ですわ。(笑)

で、現在も、養老孟司さんの言う「庶民のチエ」。
戦後70余年。
また負け戦と国民は分かっているのですが、
ホンネとタテマエの庶民のチエですな。

人生。
残り時間の少なくなった小生が思うこと。
オレが生きているうちは破綻するなよ。
せいぜい「悪あがき」してくれよ。(笑)

ごきげんよう。

2016/10/19 19:01 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

なんか、新聞に出ていましたね。
私は果たして65歳から年金をもらえるのでしょうかね?
あまり期待はしていません。

個人向け国債100万円の年利が0.05%。
年に500円でっせ。税金取られて400円。
その通知が証券会社からハガキで来てました。
アホかいな、の世界ですね。
利回り3.5%でも不動産に投資しょーか、ということになりますね。
今週号の東洋経済が話題になっています。

せめて年金でもばらまけばええのにと思います。
多分、私は自民党に入れるでしょう。
理由は「他に入れるところがないから」。
何とも切ないでは有馬温泉。

ほな、仕事します。 ごきげんよう 榊淳司

2016/10/19 17:36 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今国会で、アベくんは、
「年金制度改革法案」
なるもの提出し審議されています。

民進党は「激しく反発している」と新聞報道。
ホンネは分かりまへんが。(笑)

年金給付額をカット減額しようとの法案です。
これは「悪手・悪法」です。
2021年度からの実施になるようです。

もし、この法案が成立したばあい、
私は、以後の選挙、自民党には入れまへん。

ますます「消費が冷え込み」「景気は後退」。
これこそ、スタグフレーション。

景気は後退し、実質賃金の下がる中での、物価上昇。
これこそ、スタグフレーション。
地獄を見ることになります。

本法案の成り行き、注目します。
ごきげんよう。

2016/10/19 16:45 | by まろたん

まろたんさん、おはようございます。

べつにはよーもないんやけど(笑)。
まことにおっしゃるとーりです。
しかしまあ、これは下々が憤ってもしゃーなおへん。

ただ、将来不安というのはやっかいでおます。
むかしはお金がなくても子どもを作りました。
何とかなったのでしょう。
いまはねえ。

人生、行き当たりばったりですよ。
5年10年先のことを考えても
思った通りになったためしが有馬温泉。
まあ、目の前のことをこなしつつ
三歩先を考えるのが私の人生です。
それで何とかなってきましたので。

ということで、本日も
行き当たりばったりに出かけてきます。

ごきげんよう 榊淳司

2016/10/19 11:02 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今、
自分の「しあわせ」について考えてみるときだろう。
が、貧すれば鈍する。
金欠になると、ひとは心の余裕を失い、
ただ「ヤッツケ」で毎日を消耗してしまう。
「しあわせ」について・・・どころではない。

今、貧しいのが問題ではないと思う。
将来に「希望」がもてないことこそが問題であって、
「根がふかい」。
ニッポンの三大ドヤといえば、山谷・寿・釜ヶ崎。
が今、
ニッポン全土が「ドヤ化」しているとの論評もある。

35年ローンなんて「笑わせるな!」でしょう。
10年先だって五里霧中なのに。
この先、ニッポン社会がどうなってゆくのか。
神のみぞ知る。いや、もう神も知らんって。(笑)

「マル確」なのは、人口動態。
総人口が減り続け、逆ピラミッドは、更に逆立ち。
移民を大量に受け入れない限り。

「少子化対策」なんて「笑わせるな!」でしょう。
出生率なんか、上がるかー!でしょう。
東京都の合計特殊出生率は、なんと「1」スレスレ。
豊洲や五輪でゴタついてるばあいかー。(笑)

「地方創生」にしたって「何をいまさら」でしょうに。
ニッポン全土、地方も「ドヤ化」してゆくだけでしょうに。

「一億総活躍」に至っては、なんなん、これ。
誰が考えたか、この「ヤッツケ・スローガン」。
先の大戦での「特攻・本土決戦」の精神論と同じ。
必敗あるのみ。

あーあ。何という無力感。行き当たりばったり。
打つ手なし。座して死を待つ。
そして「だーれも、責任をとらない」国。

「いいじゃないの。今が良けりゃ」
今も、イイハズナイ!(笑)

ごきげんよう。

2016/10/19 01:22 | by まろたん

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