榊、大胆に「天皇」を語る

たまには、ものすごーく政治的かつ歴史的なお話しを書きましょう。
何かと言うと、「天皇」。デター、と言う感じでしょ。
ただ、私の話はそんなにシリアスではないのでご安心を。
いつものそもそも論です。

そもそも、天皇って何なの?
これって深い話なんですよ。
というか、私も最後の5%ほどはスッキリと納得していません。
しかし、我らは日本人です。
「君の国の天皇ってさあ、どういう存在なの?」
と外国人に聞かれれば、何か答えなければいけませんね。

いちばん簡単なのは「国民の象徴でさあ、昔はエンペラーだった人」。
まあ、こういう風に言っておけば無難ですね。間違いなし。
しかし、「国民の象徴」になったのは1945年に戦争に負けて、
アメリカ人の素人集団が作った憲法案が押し付けられて、
日本国憲法が効力を持って以来のこと。高々70年ちょいのお話し。

それ以前は「エンペラー」だった時期もありますわな。
正確には1889年の大日本帝国憲法の発布以来、
戦争に負けるまでの60年弱は「エンペラー」。
でも、それ以前はどうだったのか?

明治維新以来、1945年の敗戦まで天皇陛下がポジティブに
政治にかかわった事例は皆無と言っていいでしょう。
昭和の初期に宰相だった田中義一を叱責したことと、
この平成の御世に今上天皇が「引退させてね」と発言した
ことくらいではないかな、と私は理解しています。
いずれも「たいしたことねーじゃん」の世界です。

ああ、ひとつ忘れていました。「終戦の決断」というやつ。
1945年にポツダム宣言を受け容れる時の「ご聖断」。
まあ、あれは鈴木貫太郎首相の根回しがあったので、
天皇のポジティブな政治介入とは言い難いかもしれません。

さて、私たちはあのありがたくも畏き平成天皇の御世に生きています。
実のところ、私なんぞは昭和天皇も今上天皇も心から尊敬しています。
日本国民は天皇をいただいているという、幸せがあります。
十年ほど前に三宅島の村長がテレビのインタビューに答えていました。
火山の噴火で島民の避難を余儀なくされて以降、
町長は粉骨砕身駆けずり回ってきた。
しかし、そんな彼の努力よりも天皇皇后両陛下が
慰問にお見えになることの方が、
島民をはるかに元気づける効果がある、と。

まあ、それはそうでしょう。
私が被災していても同じように感じることでしょう。
普通の日本国民にとって、天皇陛下とその家族は神々しい存在です。
彼らが日本の「象徴」であってよかったと思います。

話は飛びますが、私の実家は京都市の古本屋でした。
偏屈な親父が始めた店でしたが、
客筋は京大系のインテリさんたちが多数。
中におひとかた「アスカイ」先生という、
理系の学者さんがおられました。
親父は「あの人はお公家さんの出や」と教えてくれました。

京都には少数、公家が残っています。
我ら京都人にとって、御所も公家もさほど遠くない存在。
江戸期の京町屋の人々は、天皇や公家のことを「ごっさん」
と呼んだりしたそうです。

私は十代の後半を京都府立鴨沂高校と言うところに通いました。
その昔は公家の女子を教えた学校を引き継いだとかで、
戦前までは女子校。場所は御所と通り一つ隔てた東隣。
どういうわけか戦後のどさくさで校地を売り払ったので
グランドというものがありません。

わが校のラグビー部はちょっと離れたところに借りている
府立のグランドまで練習しにいきますが、どうにもめんどくさい。
すると監督が、「今日は御所や」となります。
でも、あらかじめ届を出しておかないと御所のグランドは
使えません。勝手に練習していると皇宮警察に注意されます。
「すんまへん、やめます」とかいって、「お前ら、走れ」と
御所一周のランニング。そのあと「・・に再集合」と、
御所内の違うグランドに集まって練習再開、なーんんて。
のどかな時代でありました。
まあ、京都人にとって御所の権威なんてそんなもんです。

大日本帝国憲法の第1条はこうなっています。
「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」
この「万世一系」とは何でしょうか?
かみ砕いいうと「何万世代もの間、同じ血統が受け継がれた」
ということになります。
さらに言えば、今の今上陛下のお身体の中には、
天照大神の血が脈々と流れている、ということです。

「それがどうした」と思うでしょ。
でもね、世界でこんな現存の王室はひとつとしてありません。
今、世界の名だたる王家でも千年以上遡れる家系は皆無。
あのエリザベス女王のウインザー家だって、せいぜい数百年。
だから、天皇家の人々は敬意を持たれるのです。

でも、不思議ですよね。
日本では、分っているだけでも約1600年は続いています。
記紀に従えば今年は皇紀2677年なんですよ。
この間、中国はいったい何度王朝が変わったことでしょうか。
ヨーロッパなんて・・・てんでバラバラ。

しかし、ここにはひとつの誤解があります。
日本の天皇家は、10世紀でほぼ「王家」ではなくなります。
その後はほとんど政治に関与しません。
後白河上皇とか後醍醐天皇とか、がんばった人々はいます。
しかし、わずかな摂関時代を経た後は武家の時代。
天皇家には政治的権力が無くなってしまったのです。

西洋史で言うと中世のローマ法王と少しだけ似ていますね。
比喩を使えば「権威の卸元(司馬遼太郎)」。
ヨーロッパの俗世界の主は神聖ローマ帝国の皇帝です。
でも、その皇帝に王冠を授けるのはローマ法王の権限でした。
鎌倉、室町、江戸期には征夷大将軍というのがいましたね。
頼朝とか尊氏とか家康と言ったひとたち。
彼らを征夷大将軍に任ずるのは天皇の権能だったのです。

ローマ法王は今ではただの宗教的な権威者です。
江戸時代の天皇家も同じ。将軍が変われば、
新たな将軍を任ずるのが天皇の仕事。
人を選べるわけではありません。ただの形式。
今の大臣認証と似ています。

ところが、幕末に困ったことが起きます。
アメリカから黒船がやって来て交易を迫ります。
困った幕府は、将軍の名で条約を結びます。
外国人に日本の国土を犯されることに怒る輩が現れます。
尊王攘夷の志士、という連中です。今でいう右翼みたいな。

条約に難くせを付けるために色々と考えた結果、
ものすごーく強い材料を見つけたのです。
「そもそも、江戸の徳川将軍は京の天皇に夷(外国の野蛮人)を打つための「征夷大将軍」に任じられて仮に政治を預かっているのだろ。それが勝手に外国と条約を結ぶとは何事か。征夷大将軍の役割を果たしていなどころか、朝廷(天皇)に対する裏切り行為だ」
こういうロジックです。

そういう考えに共鳴する武士(主に下級の脱藩、あるいは浪人)が
京都に集まってやんやの大騒ぎを繰り返したのが幕末。
めんどくさいから、そういう連中を斬ってしまえと
行動したのが新選組。行きつく先が戊辰戦争。
そして、幕府が倒れて明治維新。新政府の誕生、となります。

明治の新政府を作った連中は困りました。
「どういう国家を作ったらいいのか」
彼らが手っ取り早い手本にしたのがプロシア帝国。
そこには神聖ローマ帝国の系譜を継ぐ皇帝がいました。
そこで明治新政府の元老たちは、
それまで約千年も、ほとんど神官のお仕事しか
していなかった天皇家の当主(明治帝)に軍服を着せて
「大日本帝国の天皇陛下かつ大元帥閣下」にしてしまったのです。

まあ、茶番と言えば茶番。
でも、日清日露の戦争に勝ったことで茶番がレジェンドになりました。
その後の結果はみなさんご存知の通り。
天皇家にとって、世俗の王に戻る道が幸福だったかどうか、
そういうだいそれたことを語ることは致しません。
しかし、私は今の天皇家が好きです。

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2017/7/22 11:18 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

いろいろと大変そうですね。
人間と言うのは、
ただ普通に生きているだけでも
結構面倒くさいものですね。
その面倒くささの大半は人間関係。
その人間関係をややこしくするのは
いつも誰かの劣情。
お互いに寛容ならば起こりえないいさかいが
生じていしまっているのが現状。
まあ、どうしようもありません。
浜の真砂は尽きるとも
世に阿呆の種は尽きぬ。
今日も暑そうです。ご自愛を。
トキオにお出での節は、ぜひ一献。

それではまた、ごきげんよう。

榊淳司

2017/07/24 10:25 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

愚痴多しとのこと。おっしゃる通り。
お見苦しいところを。不本意、不徳の致すとことです。

当地に移り1年3月。
トキオでもおりましたよ、同じようなオナゴはん。
が、当地は地域が狭いぶん、イラつきますね。
実害がなければイイのですが・・・逆恨みという懸念も。
いや、懸念どころか、嫌がらせを。

さあ、気分一新。ぶっ飛ばせい!(笑)
我が思うことを行動しましょう。
今週は新たなる行動を、いざ。
気分一新ですわ。

それにしても暑いですね。
未定ですが、関西・トキオに遊行するかも。
気分一新のためには。新たなる行動こそアリと。
自意識・自我を捨てるためにも。

明日、我が寝室の椅子が入荷予定と。
まあ、動きましょうか。ね。

ごきげんよう。

2017/07/23 18:52 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

そちらへ移住されて以来、
なんかオナゴの愚痴が多くなっていませんか?
まあ、オモテになっている証拠でしょうが(笑)。

私から見るとまろたんさんは
悠々自適のハッピーリタイアメントに見えますけどねえ。

東京にお越しの節はお声がけください。
一献傾けましょう。

それではまた ごきげんよう

榊淳司

2017/07/23 15:44 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

下世話ですよ。
例えば、アカデミクスの大学も下世話そのもの。
屈折しているぶん「下世話は根深い」かも。(笑)

ですがね、そんなん、もうイイんです。
我が身に危険が及ばんかったら、もうイイ。
が、ときどき、我が身に危険が及んで来ますわ。

しかし、まあ。
オナゴは困る。その扱いに。
詳細はアホらしいので止めますけど、
なんなんでしょうねー。オナゴの世界は!(笑)

ま、こんなところで。
ごきげんよう。

2017/07/22 18:02 | by まろたん

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