Information と Intelligence の違い

私は首都圏のマンション市場をだいたい網羅する
有料の「資産価値レポート」というものを発行しています。
販売されている新築マンションの現地を確認した上で、
私なりの資産価値評価を行っているレポートです。

これは約8年前から発行しておりまして、
詳しくは調べていませんが総数で1万数千本を有料頒布しました。
1タイトルが2千円から1万円ちょっと。
平均すると5千円前後ではないでしょうか。

これら40数タイトルをだいたい3か月に1度の割合で
最新情報化しております。けっこうな作業量です。
まあだいたい、私の普段の業務の半分くらいはこれでしょうか。
あとはメディアからの取材対応と依頼原稿の執筆。
締め切りが月に14,5回ほどやってきます。

この資産価値レポートは、時々新築マンションの売主さんや
その周辺の企業さんにも購入していただいています。
個人名で買っていただく場合は把握できませんが、
堂々と会社名で購入されて「領収書を郵送してください」という
ご依頼もあります。もちろん、すべて丁寧に対応。

先日、懇意にさせていただいているあるデベロッパーさんから
「すごーくお願い。ください(タダで)」というお申し出があり、
やや困惑しました。まあ、日頃からお世話になっているので
差しあげてもいいのですが、基本は有料なものです。
事情をお伝えして「1回限り」で差し上げますとお伝えしたところ、
上司に掛け合って正規にご購入していただきました。
ありがとうございます!

このレポート、年に1千数百本の割合で売れています。
ご購入していただいているのは多分、数百人でしょう。
半分以上をリピーターさんに買っていただいています。
中身は読んでいただければ分かるのですが、
特にみなさんがアッと驚くような情報なんてありません。
各物件別に淡々と私の見解を書き綴っているだけ。

もちろん、基本は辛口です。
「買ってはいけない」とか「スルーにすべき」ということは
ハッキリと書かせていただいています。
もちろん、ごくたまに「買ってもいい」と書くことも。
だから「買ってもいい」とか「これは注目」という
物件だけ知りたいのなら、有料メルマガをご購読ください。
1カ月1590円で「買っていい」物件の情報をお届けしています。

余談ですが、今年の初めにこの有料メルマガ過去3カ月分の物件を
一覧にして数ページに編集した週刊ダイヤモンドが大うけしました。
仄聞するに、新たな企画も進行しているとか。
私にもまた何かの依頼があるやもしれません。

不思議なものですね。
ネットを見ているとマンションを主要テーマにしたサイトが様々。
特に個人でサイトを作っている方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、私と同じベクトルな方は一人もいらっしゃいません。
また、網羅的に現地を調査している方もいません。
そのうち競争相手が出てくるかと思ったのですが、
そもそもビジネスにするには作業がハードすぎるのでしょうね。

私は文章を書くことにおいて
書くつもりなら2万字でも書けるでしょうね。
そのためには1日10時間位働かねばなりませんが。
そんなの嫌だから、せいぜい5時間くらいしか書きません。

なので、私と同じくらい現地を調査したとしても
同じ量の原稿を書ける人はそうそういないだろうと、
今では妙に高をくくっております(笑)。
さらに言えば、デベロッパーに対して歯に衣を着せぬ物言いを
できる人もそうそういませんわな。

よく「そんなことを書いていてどこかから文句は来ませんか」
的なことを聞かれます。少なくともデベからは来ません。
たまさか批判的に取り上げたエリアにお住いの方が
私に対して犯罪的なデマゴーグをネットに流されたことはあります。
それぞれ、きちんと法的に対処をさせていただきました。

さらに不思議なのは、私がみなさんに有料で提供しているのは、
「私の見解」であって「特別な情報」ではないことを、
なかなか理解できない方が多いことでしょうか。
こういうお方は資産価値レポートをご購入いただいた中にも
ごく少数ながらいらっしゃいます。まあ、仕方がないですね。

英語でいうinformationintelligenceも日本語では「情報」です。
でもinformationは単なる事象に過ぎません。
マンションで言えば「501号室の販売価格は5690万円」ということ。
これは多少の労苦を惜しまなければ誰でも入手できる情報です。

これに対して「501号室はマエタテの可能性と日照の問題があるから
本来の資産価値は4600万円相当で1000万円分はバブル。
したがってこの価格で購入すると1000万円分の下落リスクを背負う」
というのが、英語で言えばintelligenceな内容なのです。
私が資産価値レポートやご相談で提供しているのは、
もちろんintelligenceであると自認しています。
このちがい、分かる人には分かりますが、分からない人は
一生分かりません。まあ「馬鹿に付ける薬はない」のと同じ。

私が提供しているのがinformationであれば、
それは知り合いから要請があれば惜しげもなく差し上げます。
というのは、そんなものに何かの価値があるとは思いませんから。
そもそも、そんなものを有料で売ろうとは思いません。

また、マンション購入の相談に対して「NO」の答えを
出すことがありえない専門家なんて価値はないでしょ。
私の場合、面談でご相談をいただくケースの8割以上に対して、
否定的な見解をお伝えしています。

「え、2割も肯定的な答えを出すの?」なんて
意外に思われる方もしるでしょうね。
ところが、有料相談にお見えになる方というのは、
かなりハイレベルな知性をお持ちの方がほとんどで、
アホな選択肢を私の前で並べたりはしないのですよ。
だいたい、いい物件を持ってこられますから。
それでも8割程度は否定的にならざるを得ません。

この私の仕事をまったくの門外漢に説明しても、
中々理解してもらえません。それも仕方なし。
時々「どんな仕事をなさっているのですか?と聞かれても、
めんどくさいので「ジャーナリストです」と言っておきます。
さらに詳しい説明を求められると
「新聞や雑誌に記事を書いたり、本を何冊か出しています」
と説明。まあ、嘘ではないですからね。
そちらの収入も徐々に増えてきました。

ただ、それでも古くからの知り合いや親戚筋は理解できません。
「お前みたいなアホが何でそんなんで飯食えるねん」という顔。
「ほっとけ、このカス」と心の中で思いながら顔はニコニコ。
そのあたりだけは、私にも京都人の作法が身に着いています。

さて、その資産価値レポートの更新情報です。
今回は杉並区のタイトルを最新情報化。
荻窪周辺にポチポチと新規が出てきました。
しかし、駅近の物件は完売。今は遠いのばかりですね。
でもまあ、いくつか面白いのはありました。

杉並区総集編
価格 5,490

■クリオ杉並高井戸、■リビオ荻窪レジデンス、■プラウドシティ阿佐ヶ谷、■グローベル ザ・高円寺プレミアム、■コディア八幡山、■デュフレ阿佐ヶ谷、■センチュリー荻窪、■ブランズ南荻窪、■リムテラス東高円寺、■ティサージュ荻窪、■ザ・パークハウス 杉並上井草、■ブライズ方南町、■シティテラス荻窪、■シティテラス杉並方南町、■プレシス芦花公園、■ディアナコート浜田山

募集中の早稲田大学オープンカレッジの私の講座ですが、
すでに定員の過半が埋まったそうです。残りは7日前時点であと12人。
申し込まれる場合は、お急ぎください。

早稲田大学オープンカレッジ榊講座

自宅購入、不動産投資で失敗しないための
「マンション格差」の見極め方
業界経験30年超のマーケットウォッチャーが語る
マンション資産価値の真相

高円寺駅徒歩4分、資産価値安定の眺望住宅

外苑の傍らで暮らしてみませんか?


9月30日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:9月30日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

9月30日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は5組様。
ただ、10分ほどお待ちいただいた方もおられました。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

よく「榊さんのお奨めのマンションを教えてください」というお申出をいただきます。お勧めのマンションなど、日々変わります。お知りになりたい方は、ぜひ有料メルマガをご購読ください。約3か月(費用4790円)ですべての資産価値レポートのタイトルを一巡します。それでレポートの価格にして数万円分となります。
購読料 1ヵ月 1,590
※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください。

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2017/9/20 13:48 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

昨日、堪能いたしました。
絶品でしたね。全員、同じ意見。
「今までのは何だったんだろう!」
口をそろえて、そうなりました。

ありがとうございます!

今日の東京は暑いです。
目の前の温度計は30度。
まあ、この部屋は南向きで暑すぎるのですけど(笑)。

半ズボン、私も10月いっぱいはそうですね。
撮影でもない限り、半ズボンに半そで。
自由業ならではです。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/09/21 13:35 | by Sakaki Atsushi

トスカ兄さん、こんにちは。

「買ってはいい」は単純に「買ってもいい」の間違いですね。
ご指摘、ありがとうございます。あとで直しておきます。

アメリカのCIAのIはインテリジェンスです。
日本人はインフォメーションだと思っている人が多いようです。
この違い、情報音痴の日本人には理解しづらいみたいですね。
佐藤優とか飯島勲みたいな専門家は「情報」と言わないで、
カタカナで「インテリジェンス」というワードを使いますね。
まあ、半ばどーでもいい話ではありますが。

ではまた ごきげんよう 榊淳司

2017/09/21 13:31 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今朝8時ごろ近傍を散策しました。
見上げると青空に薄い雲が流れるように。
クソ暑い夏はそろそろ終わりでしょうか。

が、私はまだ半ズボンと半袖で暮らしています。
10月に入ってもそんな感じかなー、と。
可能中な限ぎり半ズボンで暮らしたいもの。
短パンの「開放感」は捨てがたい、と。

10月後半にはお遍路にゆき、それで今年は終わりです。
ぜひ歳末には呑みましょうシルバーセンターの人と、ぜひ歳末には呑みましょうと、
昨日、約束したところです。

2017/09/21 10:57 | by まろたん

榊さん、こんにちは。

>もちろん、ごくたまに「買ってはいい」と書くことも。

文章全体の主旨とは無関係なコメントですが、御容赦ください。この「買ってはいい」という表現に新鮮味を覚えました。「買ってはいけない」を否定する表現なのですから、「買ってはいい」で良さそうなものですが、実際はそうは言いませんね。「買っていい」でしょうか。もう少し強く言うなら「買うべき」ですか。「買ってもいい」と言うと、(買うことを推奨するわけではないが)買う手もないわけではないという意味になりそうです。助詞の使い方で意味が微妙に変わって来ます。

>私が資産価値レポートやご相談で提供しているのは、
>もちろんintelligenceであると自認しています。

intelligenceとは、information・知識・経験に基づいて導き出された見解であり、意思決定の指針となり得るものである――とでも言えば良いでしょうか。ここで重要なのは、「意思決定の指針となり得る」という所ですね。トーシロは、informationだけ持っていても、どうしたら良いのか中々決められませんから、専門家のintelligenceを参考にするというわけです。納得しました。

ごきげんよろしゅう。

2017/09/21 02:21 | by アル中のトスカ兄さん

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