トランプ君、エルサレム移転はやりすぎ

アメリカがイスラエルに置いている大使館を、
テルアビブからエルサレムに移したことで大騒ぎ。
とても多くのパレスティナ人が死んでいますね。
それもイスラエルの官憲に殺されています。
まことに悲しいことではありませんか。

昨日、テレビを見ていたらジャニーズのタレントが
この騒動の背景を解説していました。下手くそ。
池上彰さんの足元にも及びません。なぜか?
それは自分が理解して、自分の言葉で話していないから。

私は池上彰さんが国際情勢を解説しているのを
テレビで見たり雑誌で読むのは大好きです。
ただ、その中身の9割以上は私も知っていること。
それでも「上手だなあ」と思いながら見たり読んだりします。

では、ちょっとだけ真似をしてみましょうか。
イスラエルというのは国名です。そこの住人はほぼユダヤ人。
ユダヤ人というのは大元はアラブ系だったのですが、
今は黒人もいれば少数ながら東洋系もいます。
ユダヤ人とは「ユダヤ教徒」という意味です。

それは人種でも民族でもなく、宗教です。
日本人でも、少数ながらユダヤ教徒になった人がいます。
ちなみにイスラエル国籍を持っている人でも
ユダヤ教徒ではなくイスラム教徒の方もいます。
イスラエルはあくまでも国名であると理解してください。

このユダヤ人というのは、旧約聖書に出てくる
アブラム=アブラハムの子孫たちです。
もっとさかのぼれば、アダムとイヴの子孫。
彼らはこの世が滅びるときに神様が助けてくれる、
という「約束」を信じて、「神様との契約」を守る人々。
「神様との契約」とはすなわち旧約聖書です。

その契約にはいろいろあります。
男の子は生まれた時に割礼します。
土曜日には働いてはいけません(戦争は別)。
肌に刃物を当ててはいけません。
神様には生贄を捧げねばなりません。
神様のカタチをしたものを作ったり、崇めてはなりません。
「偶像崇拝の禁止」というやつですね。

私のような信仰の無い人間からすると「どうでもええ」ことばかり。
でも、彼らは真剣にその契約とやらを守っているのです。
約2千年とちょっと前、ユダヤ人は今のパレスティナに
住んでいました。イエス・キリストが生まれた頃ですね。

まあ、その前の2千年の間にもいろいろあったのですが、
ユダヤ人たちは父祖の地であるあの土地に住んではいました。
その頃、パレスティナを支配していたのはローマ帝国。
ユダヤ人たちは、このローマ帝国とトラブります。

私から見るとユダヤ人というのはあのケッタイな信仰を
守ろうとして、世界史の中で度々トラブルを起こす連中です。
その時もローマに対して反乱を起こして鎮圧されます。
その後、パレスティナの地に居づらくなって離散します。

普通、そういう場合には歴史の中で消滅してしまいます。
例えばフェニキア人なんて、古代にはあれだけ活躍したのに
今はその名も文化も残っていませんね。
レバノン人がそれに近いなんて言われていますが、不確実。

ユダヤ人たちはヨーロッパやロシアに散らばりますが、
彼らの信仰をかたくなに守ります。
離散から数百年後、ヨーロッパはユダヤ教の分派である
キリスト教に染まってしまいます。ほぼ全欧州がキリスト化。

そんな中でも、ユダヤ人はあくまでもユダヤ教徒。
キリスト教徒にとっては異教徒ですね。
十字軍のいきさつからも分かる通り、キリスト教徒は
異教徒に対して寛容とは言えません。

一方、中東やアフリカ、一部アジアには7世から
これもユダヤ教の分派であるイスラム教が広まります。
イスラム教徒にとっても、ユダヤ人は異教徒。
ただ、キリスト教徒ほど他宗教には厳格ではありません。
「税金を余計目に払えば、それで許したろ」という文化。

ユダヤ人たちはパレスティナの地を離れてからも
ずっと自分たちの宗教を守り続けました。
ロシアに行っては屋根の上でバイオリンを弾き、
スイスやイギリスでは銀行や財閥を作り、
ドイツでは音楽家や発明家になりながらも、
ずっとユダヤ教徒であり続けたわけです。しつこい!

20世紀の初頭、彼らはなぜか「シオンの丘に帰ろう」という
運動を始めます。シオンの丘とはエルサレムのこと。
あたかも、ヨーロッパでは第一次世界大戦が起こります。
その当時、中東地域を支配していたのはオスマントルコ。
WW1でトルコはドイツと共にイギリスやフランスと戦います。

この時、イギリスはユダヤ人たちに
「戦争に協力してくれたらパレスティナを上げるよ」と約束。
一方、トルコの支配から逃れようとしていたアラブ人たちには
「イギリスの味方をしたら独立させてあげるよ」と唆し、
「アラビアのロレンス」を派遣。反乱を起こさせます。
さらには同盟国のフランスと「戦争が終わったらトルコ領は山分けね」
という協定を結びます。いわゆる「三枚舌外交」というやつ。

結果、英国はユダヤ人やアラブ人との約束は反故にして、
フランスとの約束を果たしました。今の中東の国境はその時が元。
騙されたユダヤ人とアラブ人は、当然怒りますわな。
だから、今でもあのエリアはグチャグチャなんですよ。

その30年後、ナチスドイツの迫害から逃れたユダヤ人たちが
続々とパレスティナの地にやってきます。
そして支配者であるイギリスに約束の履行を迫ります。
何とか戦争に勝ったイギリスには、もはやその地を支配し続ける
力は残されていませんでした。彼らは武器を置いて退散。

一方、フランスやイギリスの影響下にあった中東エリアの
アラブ諸国も念願の独立を果たします。
彼らは同じアラブ人であるパレスティナ人が、
理不尽にユダヤ人から土地を奪われていることに激怒します。

そこで起こったのが第一次中東戦争ですね。
そのあと第4次まで中東戦争は起こります。
ぜーんぶイスラエルの勝ち。アメリカが支援しましたから。
なぜアメリカが支援したかというと、アメリカのユダヤ人が
アメリカ政府を動かしたからです。

実のところ、アメリカを支配しているのはユダヤ人です。
テレビの3大ネットワークからニューヨークタイムズや
ワシントンポストなどの有力メディアは全部ユダヤ系。
巨大な企業グループも何割かはユダヤ系。
アメリカ国内のユダヤ人は約600万人と言われていますが
その影響力は絶大なのです。

一方、アラブ側には旧ソ連が付きました。
今もシリアのアサド政権にロシアが影響力を持っているのは
中東戦争以来の名残りなのです。
そして今、トランプ君の娘イヴァンカと亭主のクシュナーは
もう公然としたユダヤ人。イヴァンカは改宗しています。
そのアメリカ政府の大使館を、本来は国連が定めた
「無主の地」であるはずのエルサレムに移転しています。

エルサレムに大使館を置くということは
「エルサレムがイスラエルのもの」と認めることになります。
だから、主要国のほとんどがエルサレムには大使館を置いていません。
ややパレスティナ寄りの姿勢を取ってきた日本政府も然り。

エルサレムは本来、パレスティナのものであり、
イスラエルは「不法占拠」している、というのが国連の立場。
でも、トランプ君はとうとうやっちゃいましたね。
パレスティナ人が「死の抗議」をする気持ちはよく分かります。

とまあ、ざっくりと背景を説明するとこうなります。
このブログの読者さんはご存じのこととは推察します。
しかし、たまには「言わずもがな」のことを
書きたくもなってしまうのですよ。
あのジャニーズの下手くそな説明を聞いていると。お許しあれ。

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待ち時間が多少はございました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/5/16 0:05 Comments (0)

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