リーマンショック10年、感慨深し

最近、「リーマンショック10年」をテーマにした記事を見ます。
正直、「あれから10年かああああ」と思いますよ。
私が広告制作業の経営を諦めたのも、ちょうど10年前でした。
6人ほどいた従業員に「来年1月で全員解雇します」と
告げる前日の夜は、中々眠れませんでした。

結局、私は広告に見切りをつけてジャーナリストに転進。
今はそっちが完全に本業になりました。
ただ、今でも年に何本かは広告の仕事をしていますよ。
最近はマンションの広告関係はほとんどなくなりましたが。

しかし、今は10年前では想像できないくらいに好景気。
何よりも完全雇用に近い状態、というのがすごいですね。
私はここ5年以上も就職の相談を受けていません。
ただねえ、気になることがあります。

日本人の個人所得はちっとも上がっていないのですよ。
この局地バブルで儲かったのは地主と不動産屋だけ。
あと株価はかつての3倍以上になりましたから、富裕層。
真面目にコツコツと働く人間には両方ともに無関係。

最近、都心を歩いているとアルバイト募集の貼り紙に
書かれている時給はいずれも1000円以上になりましたね。
3年前のマクドナルドは、ほぼ最低賃金でした。今は1000円。
最低賃金は15%ほどボトムアップしましたが、
その他の人々の賃金が上がっているとは思えません。

特に介護職や保母さんなどの賃金は低レベルにとどまったまま。
私たちの目には留まりませんが、この国には最低限の
暮らしをしている人々がわんさかいるようです。
サラリーマンだって、無理なマンション購入をして
ローン返済に苦しんでいる方々は最低レベルの暮らしでしょ。

東京という街はチャンスも多いのですが、才能や能力の
無い人間にとっては残酷な競争社会です。
この街に住んで年収が1000万円に達しないと、
中間層の社交世界にも入っていけません。

年収とは世帯年収ではありませんよ。個人の年収です。
ビジネスマンの世界では1千万円さえ稼げない人間なんて
口をきく価値もないと見做されます。口はきいてもらえますが。
40歳を過ぎてボンクラなサラリーマンはただのダメオヤジ。

ただ、サラリーマンのダメオヤジ比率は95%以上だと思います。
つまり、この街に住むサラリーマンの95%は負け組に編入されます。
何とも残酷な街ではないでしょうか。
私は、東京のそういうところは大嫌いです。

この街に住んでいて、不思議なのは人々の住宅観ですね。
特にニューカマーの住宅観は何とも一様。みな同じ。
ニューカマーとは大学生か社会人になる時に、
この街に移り住んだ人々。いわゆる田舎者です。

彼らは自分の家を買う時に、自分が買えるギリギリ高い家を
買おうとします。なぜでしょうね? 不思議、不思議。
例えば1億円の家を買えるけど、6千万円にしておけば
日常の暮らしで無理をせずに済みます。なのに予算は1億円。

それで、日常生活を切り詰めたりします。亭主の小遣い6万円とか。
我が家は自営業なので、私は法人のお金を使います。
そんなん、使う時にはクレジットカードの限度額まで使いました。
男子たるもの、下手に吝嗇と見なされるのは恥ですから。
といって見栄は極力張らないようにしましたが。
「お前は自分の遊びでつこうたんやろ」と怒られそうです(笑)。

そんな私も、リーマンショック後は実につましくやっています。
収入は減ったのに、支出は人生で最大限に膨らみました。
自分で使うお金なんて、かつての何千分の1かもしれません。
ただ、ちっとも苦にはなりませんね。そこは貧乏育ち。

私の場合、収入は常に変動します。
不動産の世界では、それは仕方のないことですね。
何億円かの土地をうまくマンションデベに嵌めた時には、
それなりのコンサル収入が入ってきます。でもまあ、
私の場合はそういうことが度々あることでもありません。
何といっても、本業はジャーナリストですから。縁があれば。

リーマンショックから10年。次は何が起こるのでしょう?
リーマンの前のアメリカ経済はバブルでした。
今は中国経済がバブル。日本経済は不動産のみが局地バブル。
株価はまあ、あんなものでしょう。

日本やアメリカの様に、自由主義経済の元で起こったバブルは、
そのうち必ず弾けます。しかし、中国経済はちょっと異質。
もう何年もの間、バブルの崩壊を政府が腕力で止めています。
これは世界経済史上における壮大な実験なのです。
願うらくはこの実験、ある程度は成功して欲しいと思います。

早稲田大学エクステンションセンターで開講
マンションの選び方、買い方、住み方、売り方

3回目になりましたが、早稲田大学の市民講座で
集中講義を行います。今秋の10/13, 11/10の2日間。
今回は新築中古のマンション市場の現場をどう歩くか、
実践的なお話を中心にお伝えしていきます。

9月29日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:9月29日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

9月29日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は4組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

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2018/9/19 0:04 Comments (0)

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