我々は今、歴史の大転換点にいる

1989年の6月に中国で天安門事件。
同年の11月にベルリンの壁が崩壊。
1991年の12月にはソビエト連邦が崩壊しました。
私は1962年生まれだから27歳から29歳の出来事。
この世界史的な大変動の時、私の人生も大変動。
1990年の1月にサラリーマンを終了。3月に会社設立。
ニュースなんてあまり見ませんでしたね。
自分のことで精一杯でした。ちょっと後悔しています。

私は同志社大学の法学部政治学科を卒業しています。
3回生と4回生の時のゼミは外交史。冷戦も勉強しました。
最初に読まされた原書はジョージ・ケナンの「冷戦の起源」。
確か1946年に書かれたものです。

だから、私が生きているうちに冷戦が終わってソ連が崩壊・・・
なんてことは起こるなんて想像もしませんでした。
それが大学卒業後、わずか7年くらいで起こったのです。
ビックリしましたが、当時の私はそれどころではありません。
バブルの余韻が残る東京の街を走り回っていました。
夕方事務所に戻ると、今度はコピーを書きまくり。
まあ、それはいいとして。

私にいわせれば、アメリカやイギリスは外交が下手くそです。
ここ100年ほどはたまたま勝者の側に回りましたが
外交では失敗続きだと思います。未来を読めていません。
順番に説明しましょうか。

まずは100年前、第一次世界大戦の戦後構築に失敗します。
敗戦国ドイツに過度な賠償金を課しました。これが結局、
ナチスの台頭につながってしまいます。
また、戦勝国日本に対して過度な警戒感を抱きました。
これが海軍の軍備を縮小するワシントン条約につながります。
アメリカは日本海軍を警戒して日英同盟を破棄させます。

第二次世界大戦はナチスドイツが起こします。
しかし、米英が敵にすべき本当の相手はソビエトでした。
WW2では、米英はナチスよりも悪質なソ連を全力で支援。
さらに、アメリカが参戦するための口実として日本に
戦争を仕掛けさせるために理不尽な要求を突きつけます。
「お前らは中国大陸から手を引け」という、当時の
国際常識から考えられない高飛車の要求を国務長官の
ハルが書簡で示したのです。いわゆるハル・ノート。

日本はまんまと誘いに乗ってアメリカとの戦争に突入。
しかし米英の目論見に反して日本軍は西太平洋と東南アジアから
彼らの勢力を一時的にでもほぼ駆逐してしまいます。
やがて連合軍は枢軸側に勝利して戦争は終わりました。
その結果、どうなったでしょう?

「七つの海に日が沈むことのない」といわれた大英帝国は
アジアにおけるすべての植民地を失って、ただのイギリスに。
アメリカはアジアで唯一持っていた植民地フィリピンを喪失。
中国大陸では日本軍との戦いに疲弊した国民党軍が敗れ、
今の共産党政府が誕生します。

東南アジアの人々は、自分たちと同じ体格の日本人が
白人をあっという間に蹴散らしてしまうのを見て驚嘆。
さらに捕虜になったり抑留された白人が、日本人にヘコヘコする
様子を見てコペルニクス的に価値観を逆転させます。
「自分たちだってやればできるかもかもしれない」
そういう意識を当時の大日本帝国も日本人を本気で応援。
WW2後は独立運動が澎湃と広まり、米英もお手上げ状態に。

ヨーロッパでは邪悪なソ連軍が東ヨーロッパを荒らしまわった上に
そこから民主勢力を駆逐して衛星国化してしまいます。
戦争が終わってみれば、米英は戦争が始まる前よりも
やっかいな世界情勢を抱えた上に、植民地を喪失。
その後半世紀にわたる冷戦に突入します。

共産党政権の施政下に置かれた人々は、ナチス政権下を超える
過酷な人権蹂躙の専制の下で多くの悲劇を味わうのです。
WW2の後、西側世界はパクスアメリカーナを謳歌します。
しかし共産主義の国では人々がナチス政権下のように
塗炭の苦しみを味わったのです。これは米英の外交失策。

アメリカ人というのはおバカなくらいに楽天的です。
自分たちの国は素晴らしいから、他の国もアメリカを知れば
きっと同じようになりたいと思う、と考えてしまいます。
彼らのそういう一方的な善意をもっとも優等生的に
受け容れたのは戦争に負けた日本でした。

今から二代前の息子ブッシュ大統領はイラク戦争でかの国を
占領した時に、その政策は「WW2後の対日占領のように」と
考えて、「イラク人をアメリカのやり方を学べば幸せになる」
なんてノーテンキなことを考えたようです。結果は大失敗。

戦前の日本は高度に文明化された国で、国民の平均的な知的能力は
アメリカのそれを軽く上回っていたと私は考えます。
悲しいかな、日本には資源がなかったのです。
あと、アメリカ人ほど物事を合理的に考える思考性も
なかったと思います。だから戦争に負けました。
しかし、戦後はアメリカの価値観を受け容れました。
まあ、それはいいとして。

この10月4日にアメリカのペンス副大統領がどこかで演説。
その内容は「チャイコム(共産中国)は米国の敵である」と
宣言してしまうに等しいものでした。これは歴史の転換点。
あのおバカなアメリカがようやく自分たちの誤りに気付きました。
今後、アメリカと中国はかつての米ソのように冷戦に突入します。
それを宣言したのがペンスの演説でした。

これは1989年から1991年に起こった大変動に次ぐ
世界歴史の大転換点になる可能性が高いと思います。
幸いにして私はあの頃よりもニュースを眺める余裕があります。
このブログのように好き勝手に書けるメディアも持っています。
だから、ちょっとだけ興奮しています。
今度こそ、歴史の節目をじっくりと眺められます。
そして、それに対する自分の考えを表明できます。

今、安倍君はチャイコムを訪問して異様な歓待を受けています。
チャイコムは国際的に窮地に立つと日本を利用します。
まあ、安倍君もせいぜい冷静に振る舞ってほしいものですね。
みなさんも、今後はチャイコムに過度な期待をしない方がいいです。
この新冷戦もまた、アメリカの勝ちに終わるでしょう。
あと何十年かかるかはわかりませんが。

ユーチューブの私の動画、第6弾です。いよいよバブル崩壊。
第1弾はすでに5万回超の視聴回数です。
ただのオッサンが好き勝手に喋っているだけですが。

10月27日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:10月27日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(以前の4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

10月27日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/10/27 1:18 Comments (0)

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