人は見えているモノを見たいようにしか見ない

10年くらい先の未来から今の日本の不動産市場を振り返ると、
かなり「狂った」状態だと思えるでしょうね
思い出せば、ちょうど10年前はリーマンショックでした。
不動産ミニバブルがはじけて、デベロッパーがバタバタ倒産。

「派遣切り」なんてことも行われて、派遣村が登場しました。
「これからの日本はどうなってしまうのだろう」なんて
考えていた人も多かったのではないですか。
私はと言えば、かなり明るかったですよ。
なぜなら、それまで雇っていた社員を全員解雇して
かなり身軽になれたことがすごく気持ちを楽にしました。

さて、そんなことは置いておいて、今の不動産の狂乱ぶり。
都心の区分マンションなんて利回り3%が当たり前です。
リートは3%くらいの物件を買っているそうじゃありませんか。
個人の不動産投資家も4%台に手を出し始めています。
「それ、あまりにも危険やろ!」

日本銀行はこの異様な金融緩和を一向手じまいする様子を
見せませんね。今さら意地でも止められないのでしょうか。
それなら、とんでもない厄災の種を膨らませているだけ。
この先の世界に何が待っているのか、すごく恐ろしいですね。

どうやら2019年から20年にかけて世界の景気が後退する、
という観測が主流になりつつありますね。循環理論です。
ただ、経済の予測なんてそうそう当たるものではありません。
日本における経済専門家集団である日本銀行が、
その目論見を外しまくっているのですから・・・

ただ、米中の貿易戦争はますます本格化するでしょうね。
そして、中国経済は着実にその成長力を失います。
ここ10年くらいの世界経済は中国の成長が牽引してきました。
ところが、その成長の中身はかなり質が悪そうです。

私はかねがね日本経済に不況が来るとすれば中国発だと
考えて、そう発言してきました。まあ、来年あたりはそろそろ。
で、経済全体が不況になると不動産市場にも悪影響が及びます。
今の日本の不動産市場は局地的に異様なバブル状態です。
毎年2%ずつ価値が下がる不動産を、満室利回り5%の
価格で売買しているのです。これがどうして正常?

仮に金利が1%でも上昇したら、不動産の個人投資家の大半が
かなりの苦境に追い込まれることになります。
それこそ自己破産者が続出するでしょう。自殺も増えます。
スルガ銀行じゃないですが、個人の不動産投資に融資を
行っていた多くの銀行で不良債権の山が築かれます。
抵当権を行使された利回り物件が大量に市場に出てきます。
それこそ満室グロス5%が10%になれば、半額に値下がり。

金利が1%上がっただけでそういう現象が起きるでしょう。
なのに、満室利回り5%の物件を買っている個人投資家がいます。
私から見ればお金出してリスクをしょい込んでいるのと同じ。
とてもまともな判断とは思えませんね。

しかし、金利が1%上昇するなんて、かなりあり得ることです。
黒田総裁が病気かなんかで途中退任すれば、どうなるのか。
そうでなくてもあと4年ちょっとで任期が終了。
その後もリフレ政策が続くなんてまったく思えません。

ということは何万人かの個人投資家の運命は、
最長でもあと5年ということになりますね。
5年後の日本は1997年や98年の日本みたいみ、
不動産担保融資の不良債権化に苦しんでいるかも・・・

しかし、こういうことは普通に考えれば誰もが分るはず。
満室利回り5%の物件を、表参道や番町で買うのなら
まだしもうなずけるところがあります。
しかし、山手線から電車で15分も離れた場所ならアウト。
どうしてそういう簡単なことが分らんかなー。

人間というのは、見えているモノを見たいようにしか見ません。
満室利回り5%の物件を平気で買える人というのは、
日本にとって初めての経験である今のゼロ金利が、
「当面は続く」とお考えになっているのでしょう。
そうでない限り、そういう投資行動は取らないはず。

例えば「5年先の長期金利は3%」だと分っている場合、
満室5%の物件をフルローンでは絶対に買えません。
なぜなら、それは破たんへの軌道を敷くことだから。
逆に言えば、そういう人はぼんやりこう考えます。
「今の金利は当面(5年くらい)はそのままだろう」
そして「金利が上がりそうになったら売ればいい」。
多分、そうではないかと私は想定します。

不動産投資の専門家であるリートの運用担当者も
基本的には似たような発想ではありませんか。
彼らにとって、運用しているのは基本的に他人のカネ。
だから、最悪の損失を喰らっても基本的には他人事。
ちょっと転職がやりにくくなる程度ですね。
今の日本の不動産市場には、そういう買い手が
ウジャウジャいます。だからバブルは膨らみます。

一方、実需市場では高値掴みをしたがるエンドがいます。
私的には「なんでこんな時期に買うのやろ」と思います。
まあ、確実なことは言えませんが近い将来に
必ず下落期が来るのが見えています。

今、高いのは少し前に値上がり益狙いの転売目的で
大量に買われてしまったからです。
だから、局地バブルエリアのタワーマンションなんか
空家だらけになって、大量の売出し物件が滞留。
何かのキッカケで一気に均衡状態が崩れます。

これも、少し冷静に考えれば誰にも分ること。
でも、多くの人はそうは考えてくれません。
結局、人間は歴史にも経験にも学びにくい生き物。
見えているモノを見たいようにしか見ないのです。

ユーチューブでもこの問題を語りました。
このシリーズ、これで何本目やろ?

12月1日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:12月1日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(以前の4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

12月1日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/11/8 0:01 Comments (0)

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