おバカなマンション広告の世界を思い出す

物事の本質というのは、案外単純だと私は思っています。
例えば、私が長らく身を置いていた不動産広告の業界では、
新築マンションの広告キャンペーンをデベロッパーに
提案するのに、コンペだったらA3で厚さ1センチくらいの
企画書を出していました。多分、今もやっています。
アホみたいですよ。中身はほとんどありません。

先日、何かのニュースで言っていました。日本人の
35%はカンタンな文章さえ理解できないのだとか。
アハハハハ、それ、よー分ります。
私はたっぷりとそのことを思い知っていますから。

広告業界の中でも、不動産分野を扱う世界は底辺に近いところ。
信じられないかもしれませんが、私がサラリーマンを
やっていた頃の上司には、当用漢字を読めない人がいました。
「オレはダンコンの世代だからなあ」というから
何かいなと思ったら「団塊」が読めないのです。
以来、彼は陰で「ダンコン君」と呼ばれていました。
そういうおバカな上司に仕えねばならないのが、あの世界。

広告代理店もおバカの集団なら、クライアントである
デベロッパーや販売会社はさらにその上を行っています。
企画書には当然ながら英単語がちりばめられています。
中学英語ですら「これはどういう意味なの」と聞かれます。
あの時の情けないこと。「こいつらアホやろ」と・・
まあ、もうむかしむかしのお話しですけどね。

不動産業界も、そこを得意にする広告業界も、知的には
ものすごーく低いレベルです。ようやってるわ、の世界。
いつもの通り、ものすごく分りやすい尺度である偏差値を
使えば、不動産屋は日東駒専以下で、広告屋はよくてマーチです。
ただし、多少の例外があります。

伊藤忠商事のマンション部門とか三井、三菱、住友などの本社は、
当たり前に早慶で油断すると東大が出てきます。
あいつらは油断できません(笑)。ごまかせませんね。
企画書にアホなことを書いておくと、すぐに指摘されます。
そういう時に「偏差値は偉大やなー」と思いました(笑)。

もちろん、例外はいっぱいありますよ。
不動産屋の中には中卒なのにすごいお方とかいます。
偏差値はまあひとつの目安です。適用率は7から8割です。
東大を出ていたアホな広告マンを二人ほど知っていますから。

厚さ1センチの企画書にはほとんど意味がありません。
言っていることはペラ1枚で十分な内容です。
そういう薄っぺらい内容のプレゼンをするために、
広告代理店側は前日徹夜が当たり前。十人程度の
オッサンや兄ちゃんたちが目の色変えて作業します。
あれを見ていると、本当に虚しくなります。アホやろ。

私のオツムは学校秀才型でも天才クリエイター型でもなく、
言ってみれば「直感型」ではないでしょうか。
物件資料を読みこむと「ああ、このマンションは・・・やなあ」と
見えてしまうのです。だいたい外しませんね。
だって、マンションなんてちっとも難しい思考対象ではありません。
しかし、私の直感は正しすぎるので広告提案には使えません。
広告というのは虚飾ですから、それらしいお飾りが必要なのです。

今は、その直感したことをレポートに書いて販売しています。
1物件について千字も書いているでしょうか。数えたことありません。
私にしてみれば、マンション1物件ずつの本質なんて、
千字もあれば十分に表現できます。
逆に、何万字も費やすようなマンションはほぼありません。
というか、何万字も出て来たら、その大半は無駄です。
まあ、言っていることの検証を入れれば
いくらでもボリュームを増やすことは可能ですが。

レベルの低い人は、企画書は分厚ければいいと思っています。
アホかいな、の世界です。日本語の文章もよく理解できない人たちに
分厚い企画書を出してもなんの意味もありませんね。
でも受け取る方も「分厚い方が内容はある」と盲目的に
信じているので、そういうモノを出してしまうのですね。
だから新築マンション開発とその広告宣伝の世界は
多くのおバカさんたちが真剣にコントを演じているようなもの。

1 東京タワーズ
2 感度リョーコー
3 天地創造
4 日本一感じのいいタワマンへ
5 東京ワンダフルプロジェクト
6 東京アロハプロジェクト
7 東京キララスナプロジェクト

そういうコントの結果出てきたのが、以上のようなワード。
1は10年以上も前に分譲された勝どきのタワマンの名称。
今や周りはタワマンだらけで、ちっともタワーズにあらず。
2は10年くらい前に篠原涼子を起用した千葉ニュータウンの
マンションで採用されたキャッチフレーズ。
マンション広告史に残るおバカで恥ずかしい広告。

3は板橋区の三田線沿線で分譲された約600戸のマンションで
採用されたキャッチフレーズ。大量の完成在庫になりました。
600戸とかでそういう大げさなこと言うな、の世界です。
4は現在販売中の武蔵小山のタワーマンションの
キャッチフレーズ。今までのタワマンは感じ悪いのか?
5は6年くらい前に新豊洲で販売されたタワマンの
デビュー名。埋立地の新豊洲で東京はワンダフルしないよ。

6は江戸川区葛西のヨーカドーとなりで今販売されている
マンションの広告フレーズ。どこがハワイやねん! 寒いわ!
7は江東区南砂で販売されているマンションの
広告フレーズ。砂もあらへんし光ってもおらへんで。
よう恥ずかしげもなくそんなこと言えるわ、の世界。

おバカなフレーズには、よく「東京」が付きます。
こういうの、京都人の私から見るとかなり痛々しい。
東京がそんなにええの、と思いますね。京都人からすると
東京というのは、そもそも必要悪みたいな存在です。
少なくとも、私はそう思っています。
東京に憧れる、というベクトル自体が田舎臭いですね。
それを堂々と言っているところからして痛々しい。

しかしまあ、マンション業界ではこういうアホな広告が
ものすごいエネルギーとお金を費やして日々生産されています。
まあ、私もかつてあの世界の一隅で飯を食っていました。
あの世界から離れて何がいちばんいいかというと
「アホの相手をせんでええ」 これに尽きますね。

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新しい編集ソフトを使い始めたので
まだタイトルを入れた程度です。
ただ、音が小さいのでボリューム上げてください。

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このシリーズ、これで何本目やろ?
これからもどんどん出てきます。

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不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。

開催日時:3月2日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(以前の4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

3月2日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は4組様。
待ち時間がございました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/2/18 13:11 Comments (0)

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