令和に「失われた20年」はやってくるか?

昨日、弊事務所にネタ探しにやって来た
某経済誌の幹部がいうには、アングロサクソン系の
超有名な投資家が名言しているそうです。
「安倍君は歴史に残る日本人に負の遺産を与えた宰相になる」
まあね。ある意味そうかもしれません。

ただ、私は安倍総理よりも黒田日銀総裁の方が、
日本の経済史における最悪の金融政策を続けた
人物として、歴史に名を残しそうな気がします。
そのことに多くの人が気づいていません。

説明しましょう。
現在、日本は過去最大級の不動産バブルの
マグマを膨らませているのです。
その張本人は、黒田日銀総裁です。

不動産バブルのマグマとは、不動産担保融資です。
これにはみなさんが借りている住宅ローンを
含めてもいいと私は思っています。
統計上も、融資残高は過去最高水準を超えています。
あの、平成バブルよりも大きくなっているのです。

1990年代後半、日本はバブル崩壊に苦しみました。
その時の主要な課題は何だったか覚えていますか。
「不良債権」ですよ。思い出しましたか。
不動産を担保にお金を貸したけれど、回収できない。
担保に取った不動産を競売にかけても、
融資額の半分も回収できない・・・というのが不良債権。

不動産担保融資に走った金融機関が、軒並み不良債権に
もがき苦しむ経営に追い込まれました。倒産も多数。
その結果、「公的資金の注入」ということになりました。
政府が銀行に出資をして、経営難を救済したのです。
その額は8兆円超、合計で10兆円規模に達しました。

りそな銀行なんて、一時期は「国営銀行」になっていました。
その後、ほぼすべての銀行が国からの借金を返し終えました。
それと同じようなことが、これから起こり得ます。
不動産を担保に融資をしたけれど、回収できない・・・
担保に取った不動産の価格が下落すると、
あの平成バブル崩壊と同じ構図の事態が発生します。

すでにそれがハッキリしたのが昨年のスルガ銀行事件。
みなさんはお気づきでないかもしれませんが、
今の不動産市場では個人投資家向けの市場で
物件価格の大幅下落現象が生じています。
いわゆる「グロ10」物件なんてザラになってきました。

「グロ10」とは、表面利回りが10%になる物件。
満室になった時の年間賃料総額が、物件価格の
1割を上回るとグロテンです。
2年前には瞬間でもお目にかかれなかった物件です。
しかし、これは本来不動産の投資市場では
あたり前に存在してもいい物件です。

黒田君は2014年に「異次元金融緩和第2弾」を
やらかしてしまいました。このバブルの原因はそれ。
それ以来、都心や近郊の不動産価格は
経済合理性で説明できない水準にまで高騰しました。

例えば、リートはNOI(経営利回り)が3%台の
物件でも購入するようになりました。
調達金利が0.1%ならそれでも十分成立するのです。
しかし、そういう物件は金利が1%でも上がると
いきなり不良資産に変わってしまいます。

銀行員や銀行の経営陣も、所詮はサラリーマンです。
連中は目先の目標達成にしか見ていません。
5年後か7年後には確実に不良債権化する融資でも、
目の前のノルマを達成するためなら実行しています。
何よりも、その時の基準でOKなら、後で責任を
追及される恐れはないからです。

その結果、不動産担保融資や住宅ローンは、
健全と思える限度を超えて膨らみました。それが今。
日本の場合、借金はいつか返さなくてはなりません。
世の中が不況になって、投資した不動産が思惑通りの
収益を上げなくなった場合、キャッシュフローは
赤字にならざるを得ません。
赤字になれば、融資の返済が滞ります。
その結果、法人は倒産。個人は破産に追い込まれます。
すでにスルガ・かぼちゃ事件でその事象は顕在化。

こういう無理な融資がまかり通った遠因は、
黒田君の異次元金融緩和に辿り着きます。
銀行が普通に仕事をして稼げなくなったので、
リスクのある不動産投資を拡大。それを
金融庁の森なんたらという長官が絶賛しました。
冷静に眺めれば「アホかいな」という構図。

実のところ、こういった無理目の融資は
スルガとか西武とかに限りません。
少なからぬ銀行が不動産担保融資に走りました。
さらに言えば、住宅ローンも同じ構図です。

ダブルインカムの世帯年収が1400万円あれば、
9千万円程度の住宅ローンは平気で組めます。
現に、そういうローンを組んで1億円程度の
マンションを買っているパワーカップルが存在します。
私から見れば超キケン。

夫婦のどちらかの収入が途絶えるか激減すれば
返済計画には無理が生じます。そでなくても
3組に1組は離婚する時代です。
そうなった時に、どうなるのでしょう?

不動産市場の今はベタ凪状態。
新築も中古もマンションは販売不振ですが、
バブル崩壊現象が見えているわけではありません。
しかし、無理に無理を重ねてきたのも事実。
その規模は、あの平成バブル期を上回っています。

黒田君は闇雲に金融緩和を続けてきましたが、
それも長くてあと4年。その後どうなるのか?
少なくとも「失われた20年」規模も
危機が待っているのは確実です。

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(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

5月11日土曜日の13時から17時まで、
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とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
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待ち時間は少しだけ発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/4/24 15:45 Comments (0)

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