それでもタワマンを買いますか?

引き続き、タワーマンションのお話し。
拙著「限界のタワーマンション(集英社新書)」でも
訴えたのですが、最大の問題は保守・メンテナンスなのです。
これにやたらとお金と時間がかかります。

普通の15階くらいのマンションは、
必ずしも外壁補修を伴う大規模修繕は必要でありません。
基本的には「傷んだところから順次補修」でいいのです。
国土交通省は「12年に一度」みたいな指針を
定めていますが、あれは業界と結託した陰謀。

日本人はお上のお達しに弱いので、
どんなマンションでも12年一度の割合で
大規模修繕工事をしなきゃいけない、
と思い込んでいるところがありますね。
それに付け込む業者やコンサルも多数。
まあ、おバカな管理組合が勝手に騙されていれば
いいだけなのですが。

ところが、タワマンはそういうわけにいきません。
外壁の細やかな仕上げによるのですが、
ALCパネルと躯体の接合部に使用されている
シーリング剤が15年程度で劣化すると推測されます。

シーリング剤はコーキング剤ともいいますが、
要はゴム状の接着剤です。これが経年劣化。
そこから雨水が建物内に侵入する可能性があります。
だから外壁補修ではカッターで削り取って新たに充填。
これで雨水の侵入をあと15年防ぐのです。

この作業を行うためには、作業員の足場が必要です。
ところが足場は仮設なので17階までしか組めません。
それ以上は危険なので法律で禁止されています。
では、どうするのか?

作業台を屋上のクレーンからゴンドラで吊るします。
しかし、宙ぶらりんではわずかな風でも大きく揺れます。
そこで作業ゴンドラを建物に固定するために、
外壁にレールを取りつけます。
ゴンドラの建物側の面に車輪のようなモノを取り付け
建物に固定されたレールに嵌めこんで安定させるのです。

それでも少し強い風が吹くと危険です。
風速10メートルで作業は中止となります。
だから、作業は風力や天候を睨みながら行います。
だいたい、1層分の作業を終えるのに工期1カ月。
50階の建物なら、18階以上の33階分を
この方式で行えば33カ月かかる計算になります。

実はこれ、建築するより時間がかかります。
タワマンは荷重を軽くするために外壁には
ALCパネル、戸境壁にはコンクリートの入っていない
乾式の壁(パネルみたいなもの)を使います。

現場でパカパカと嵌めこんでいくだけなので
建築するのは非常にスピーディ。
1カ月あれば2層分が出来上がってしまうそうです。
つまり建てるのは補修の半分でできてします。
それってなんかおかしくありませんか?

さらに言えば、タワマンの住み心地を分かりやすく言えば
「超高層レオパレス」みたいなものなのです。
乾式壁は遮音性能がレオパレス並みです。
お隣の住人がくしゃみをすれば分かってしまいます。

そういうスカスカの住戸に何億円も払わされるのがタワマン。
傍から見ていると、何ともアホな情景です。
当人たちは大喜びで自分が成功者だと思っていますが、
知っている人から見ると、現実が見えていないだけ。
だから、現場を知る不動産屋はほぼタワマンを買いません。
買っても自分では住みません。

まあ、時々財閥系デベロッパーの重役さんたちが
自社分譲のタワマンを購入して住んでいますが、
アレは現場を知らないだけ。現場は笑っていますよ。
本人は多分、一生気づきませんけどね。

さて、タワマンの大規模修繕の費用は築15年の1回目で
1戸当たり200万円が目安です。これは普通の2倍です。
30年目の第2回では、戸当たり300万円見当です。
ただ、これは実績がないのでよく分かりません。

ちなみに30年目だと給排水管やエレベーターの
交換も検討しなければなりません。
45年目までには、この2つは交換すべきでしょうね。
エレベーターは全機が特注品です。あたり前ですが。
給配水管も、かなりの大規模工事になります。
ものすごい費用がかかりそうです。

現在、2000年頃から竣工しだしたタワマンの
第1次大規模修繕ラッシュに入ろうとしています。
建設現場はどこも人手不足で、コストは上昇気味。
タワマンの大規模修繕をこなせる会社は少ないので
今後は業者の売り手市場になりそうな気配ですね。

費用が足りなくなると、各区分所有者から
一時徴収で集めるかそうでなければ
金融機関からの融資に頼ることになります。
多分、ほぼすべてのタワマンで2回目の大規模修繕から
大幅な費用不足に陥るはずです。どうしますか?

これからタワマンの大規模修繕という分野では
様々な珍事や事件が起こりそうですね。
上記のようなことをさらに突っ込んで書いたのが
拙著「限界のタワーマンション(集英社新書)」です。
どうぞみなさん、読んでみてください。

 

2019年7月13日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

この相談会を開催して3年余り。
すでに十数物件、総額5億円以上の相談物件を
ご希望価格に近い成約で売却できました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。

開催日時:7月13日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は3組様。
多少の待ち時間が発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/6/16 15:10 Comments (2)

2 Comments

如月様

はじめまして、榊淳司です。
拙著の購入をありがとうございます。
また、ユーチューブへのコメントも拝読しております。
現状、どなたにも返信をしておりませんので
あしからずご了承ください。

好き勝手なことをほざいたり書いたりしていても
時に如月さんのような理解者からお言葉をいただくので
大いに励みになるところです。
もちろん、その逆もありますが、
そういったのも宣伝広報への寄与だと考えています。

こちらのブログへのコメントについては
極力返信を書かせていただきますので
今後ともよろしくお願いします。

榊淳司

2019/06/18 14:27 | by Sakaki Atsushi

「限界のタワーマンション」読みました。
この本をきっかけにタワーマンションの購入という「熱病」にかかっていた人たちが、「冷静」さを取り戻せばいいと思います。
さっそくAmazonにレビューも書かせて頂きました。
今後とも一般人が知らない不動産業界の真実を解き明かしていただければと思います。

2019/06/17 10:33 | by 如月五月

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