北朝鮮・金王朝「代を継ぐ」欺瞞とは

最近のニュースを読んでいて、かなり ??? と思えるのは
あの半島北部にある人さらいの国で、
独裁者の後継が決まりそう、という話題。

別に誰がなろうとどーでもいい話なのですが、
「アレレ・・」と思ったのは、彼の名前。
漢字で「金正恩」と書くそうですね。発音はキムジョンウン。

ちなみに、彼の異腹の兄は「金正男(キムジョンナム)」。
親父のジョンイル君は、漢字で書くと「正日」。
お気づきでしょうが「正」という文字を親子で共有しています。
死んだ爺さんは「金日成」と名乗っていました。
ジョンイル(正日)君とは「日」の字が同じ。

こういうことは、日本ではよくあることです。
豊臣秀吉の息子が秀頼。
織田信秀の息子が信長で、その息子が信忠。孫は秀信。
徳川幕府の二代目は秀忠ですが、途中で死んだ家康の長男は信康。

でも、あの半島ではこの様な風習はあり得ないはずです。
彼らが同じ文字を使うのは、兄弟・従兄弟同士の場合。
ややこしい話ですが、いつものようにカンタンに説明します。

朝鮮民族というのは、ほぼ全員がいずれかの氏族に属しています。
氏族の総称を、彼らの言葉で「本貫(ホングァン)」といいます。
これは、日本で言えば「源氏」とか「藤原氏」みたいなもの。
例えば、「金」という姓は多いのですが、
同じ「金」でも「金海金」とか「慶州金」とか、
何種類かの「金」氏に分かれています。

日本だと「源」で最も有名な「清和源氏」の他に、
まったく別に「佐々木源氏」や「村上源氏」があるようなもの。

日本ではふとした会話で「ワシの家は源氏の系統じゃ」などといっても
「へえ、そう」で済んでしまいますが、あちらは大変。
例えば、同じホングァン同士では結婚できません。
法律でそう決まっているのではありません。
彼らの厳然たる風習でそう決まっているのです。

韓国人の約2割は「金」さんです。
若い「金」さん同士の男女が出会って、「いいな」となったとき・・・
彼らは最初に何を確かめあうか?
「あなたのホングァンは?」
だって、同じホングァンだったら結婚できませんから。
日本人の感覚では理解できないでしょ!

これがあることによる不便は、恋愛や結婚だけではありません。
ホングァンには、世代別に名前に使う漢字が決まっているのです。

今の北朝鮮王朝の創始者である
「金日成」と名乗った人物の本名は「金成柱」です。
本物の「金日成」というのは1920年代に満州で抗日独立運動をした
かなり名の知れた人物で、随分と日本軍を悩ませたようです。
しかし、今のジョンイル君の亡父である
「金日成」は名前を騙っただけの偽者。
本名は「金成柱」だそうです。
だから、弟は「金英柱」。この人は、まだ存命とか。
つまり、兄弟で「柱」という字を共有しています。

金日成こと「金成柱」のホングァンは「全州金」といわれています。
この「全州金」で「柱」の名前をもった人は、
一代下の今のジョンイル(正日)君にとっては、
全員が「伯父・叔父」にあたります。
たとえ年下でも、儒教の精神で「長幼の序」を尊重しなければいけないのです。

このように、朝鮮民族のホングァンという制度は、
一代ごとに名前に使う漢字が決まっているので、
名乗っただけで「叔父」なのか「甥」なのか分かってしまいます。
「全州金」氏で「金日成」の代が「柱」を使っていたとなると、
その息子は「日」です。
ジョンイル君の弟であるフィンランド大使の「キムピョンイル」という人物は
北朝鮮からの情報によると漢字では「金平一」ですが、
私は「金平日」ではないかと推測しています。
つまり、この代の漢字は「日」です。

こういう事情は、ほとんどの日本人は理解していません。
何年か前に仕事で知り合った朝鮮系中国人の「許永●」という方と、
銀座のクラブに繰り出したことがあります。
彼は気前よく女の子に名刺を渡しながら
「許永中(きょえいちゅう)じゃないからね、間違えないでね」と
愛想を振りまいて、微かな笑いを取っていました。

「許さんって、もしかしてあの許永中とホングァンが同じですか?
 だったら『兄弟』じゃあいですか?」

私が不用意にそういうと、彼はギョっとして私を睨みました。
「榊さんは、在日の方ですか?」
あの凍りついた表情は今でも忘れません。

ちなみに、私の家は和歌山県士族で、言い伝えでは土岐源氏。
さかのぼれば清和天皇ですから記録上2660年ほど前までは日本人です。
高校生の頃から実家(古書店)にある朝鮮韓国関係の本を読んでいるので、
一般の方よりも韓国・朝鮮関係について多少詳しいかも知れません。

さて、話を冒頭の「ジョンウン」君に戻します。
この漢字が「正恩」だとすると、私のつたない知識の上では
完全にホングァンの伝統に反します。
なぜなら、ホングァンの決まりでは、
親の代と子の代が同じ漢字を名前に使うことは、ほぼないからです。

私の推測では、そもそも金成柱というインチキ野郎が
当時では大それた英雄であった「金日成」を名乗ったことから
ホングァンの決まりを逸脱してしまった・・・

ジョンイル(正日)君は旧ソ連の沿海州で生まれたそうなので、
その時のおとっつあんはまだ本名の「金成柱」だった。
だから朝鮮古来のホングァンのルールを守って「正」の字を使って命名。
だから、ジョンイル(正日)の弟はピィンイル(平日)。

でもその後たまたま成りすました偽名「日成」を名乗ったので
息子と「日」の字が重なってしまった・・・・
そこで、お得意のご都合主義。
彼らのスローガンは「革命は代を継いで・・・・」
ジョンイル(正日)の息子には無理矢理「正」の字を冠して
「正男(ジョンナン)」とか「正恩(ジョンウン)」に。

とまあ、そんなことを考えています。
そもそもは、「金成柱(金正日の親父)」なるソ連軍外人部隊「大尉」が
「金日成」を騙ったことからくるホングァンのルール違反から始まっているのでしょう。
でも、今の北朝鮮では漢字をまったく使っていないので
このホングァンルールなんて、もう昔の話になっているかもしれませんね。
韓国ではまだまだ生きているようですが。

残念ながら、あの半島の人々は「事大主義」といって
強者に対する「負犬根性」は歴史的な民族性になっています。。
今の彼らの名前であるキムジョンイル(金正日)とか
イミョンパク(李明博)なんてなんか支那人みたいでしょ?
「金」は少ないけれど「李」は支那にも多くある姓。
対して、日本人の姓はほとんどが二文字以上。
支那と共通なのは「林」など、ごく少数。

この違いはなぜ?

実は、朝鮮の高麗王朝前後の時代に、無理矢理「創氏改名」をしたそうです。
今の韓国人は日本統治下の1940年代に、
総督府から名前を変えることを
「強制された」と主張しているようですが、
その千年ほど前、自主的に支那式に「創氏改名」しているのです。
今のホングァンの漢字(支那字)を使う伝統も、それ以降でしょう。

それに比べて、日本の名前はかなりいい加減。
室町以前は訓読みが多いようですが、その後は色々ですね。
坂本龍馬のリョウマは音。高杉晋作のシンサクも音。
西郷隆盛のタカモリはリュウドウが本当だという説もあります。
江藤新平は、音のシンペイでは軽佻といわれて「ではニイヒラとでもしておけ」と
嘯いたといわれています。
まあ、どっちでもいいのですが、無理に「支那式」にしようとしたのは
室町時代の三代将軍・足利義満。
勘合札に「臣 源義満」と書いたのが残っています。
いけませんね・・・・。
支那の皇帝の「臣」ですから、朝鮮と同じ。
これは日本の歴史上の一大国辱だと私は考えています。


2010/11/21 2:56 Comments (0)

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