大相撲八百長騒動・・・どこがいけないの?

大相撲の八百長が大騒ぎになっていますね。
私は今も昔も大相撲のファンだったことは一度もありません。
だから、ぜんぜん他人事。
でも、不思議に思うことはいろいろあります。

まず、「大相撲ってスポーツだったの?」という素朴な疑問。
プロレスと同じ「興行」だと思っていました。
見せ物ですから「別に八百長だっていいじゃない」という感じ。
確かに、ある程度は真剣にやってもらわないと
見る人には面白くないでしょうけど、
いつもいつもガチンコだとたいへんだと思いますよ。
怪我も多くなるでしょうしね。

さて、いつものように「そもそも論」をいたしましょうか。
日本には、そもそも「スポーツ」という概念がありませんでした。
あれは、古代ギリシアあたりを淵源とするもの。
元は「戦う技術・能力」を鍛えるために始まったようです。
近代になって「競う」「楽しむ」というのが主たる目的になりました。

一方、日本でも最初は「戦闘技術」を基にした
刀術、槍術、柔術などというのが室町期あたりから広まりましたが、
所詮は特殊な「芸」みたいなもの。
戦国期はまさに「戦争」ばかりしていましたが、
あの頃の侍が「武芸」を磨いていたという印象はありません。
つまり、槍や刀を上手に使えても、実際の戦(いくさ)では
さして役に立たないと認識されていたのです。
例えば、名だたる戦国侍はみな「○○流槍術の免許皆伝」
なんてことは、まったくありませんでした。

江戸時代は、まずまず平和でした。
侍は、本来は「戦士」として給料(禄)をもらっていますから、
「武芸」を磨くのは仕事の内。
それで「武芸百般」もかなり内容が整備されました。
「刀術」は「剣術」となり、
鎧を纏って取っ組み合う「小具足」は「柔術」になりました。
各武術ともいくつもの「流派」ができて、互いに興隆を競います。
しかし、それらは所詮「戦うための練習」が基本。
つまり、いつかは戦場に出て、
真剣で殺しあうための技術の鍛錬が目的だったのです。

明治になって、西洋から「スポーツ」という概念が入ってきました。
それに近代戦は小銃や大砲の数と性能で勝敗が決まります。
刀や槍や取っ組合いは、最早戦争の主役ではなくなっていました。
そこで、剣術や柔術は「スポーツ」への転換を図ります。

柔術の世界では、加納治五郎という先覚者が出たおかげで
競技規範を統一して、いち早く「スポーツ」化に成功。
「柔道」という統一呼称が、世界に広まりました。
今やオリンピック競技の1つでもあります。

剣術はやや遅れて「剣道」となりました。
その基盤は龍馬も学んだ北辰一刀流だと思います。
剣道自体は黒澤明、スピルバーグやルーカスのおかげで、
今や世界でもかなりメジャーな存在です。

槍術は、今も槍術のまま。「古武道」の一種です。
また、柔術の一派は「合気道」となりましたが、
これはいくつもの流派にも分かれていて、
統一の競技規範が定まりません。

さて、大相撲です。
これは、剣道や柔道と違って、もとは「戦争技術」でありません。
どちらかといえば「遊び」でしょうね。
その点では、西洋のスポーツの精神に近いといえば、近い。

でも、発展したのは「興行」としてです。
今の「歌舞伎」と発展過程はかなり似ています。
江戸時代、相撲興行は芝居の「歌舞伎」と並んで
人々の主要な娯楽の一種でした。
その頃は、今で言う「八百長」みたいなことは
それこそ当たり前に行われていたと思いますよ。

そして、相撲は「武芸」をルーツとはしていません。
だから、侍が相撲を取ることはあったでしょうが、
それは「遊び」としてだったと思います。
相撲取りもほとんどが侍階層以外の出身です。

ところが、大相撲の実況中継が始まって以降だと思いますが、
いつの間にか相撲も「スポーツの一種」として
世間から見られるようになりました。
柔道はキチンとスポーツ化の過程を経ましたが
相撲は「なんだか知らないうちに」スポーツになってしまったのです。
そのうちに、相撲取り(力士)たちも、
自分達は「スポーツマン」だと思い込むようになりました。

スポーツマンは「敢闘精神」をもって競技に臨み、
「フェアプレイ」で戦わなければなりません。

でもね・・・相撲取りは相撲取りであって、
西洋概念で言うスポーツマンとは微妙に異なります。
彼らは、土俵での伝統的な様式美をきっちりと守り、
観客の前で「相撲」を取って見せるのが仕事。
確かに、八百長だと分かると見ている人間にとって
興ざめすることではあります。

でも、同じ興行の「プロレス」の場合、
誰も「八百長が悪い」なんていいませんよね。
だって、プロレスはスポーツというより「見せ物」ですから。

私は、大相撲自体が「スポーツの一種」という顔をしなくていいと思います。
「相撲道」なんて、ちょっと偉そうな体裁をつけなくて結構。
観客を楽しませる「興行」でいいじゃないですか。
もともとそうなのだから。

だいたい、相撲協会の所管が文部科学省というのが、ちょっとヘン。
興行なのですから、警察庁にすべきです。
お相撲さんたちって、どちらかといえばアカデミックな人士よりも
「その筋の方々」との交流が深いようですから(笑)。

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2011/2/5 23:32 Comments (2)

2 Comments

元々プロレスはバトルエンターテイメントです。
人間同士が戦い合う姿を見せて行くのが目的です。

ですが、相撲は元々は神事であるものを人間が勝手に伝統芸能、伝統興行、もしくはスポーツのようなものに仕立て上げた歴史があります。

古代ギリシャではオリンピアは神々のために行うものでした。

それをイタリアの暴君ネロが汚したため、イタリアは大顰蹙をかったと聞いたことがあります。

今の人間達は後世に何を残したいのかさっぱりわかりません。

2011/02/27 13:04 | by パラ

多くの国民が「国技=相撲」と誤解(?)しており、
力士も「そう」見られていることを認識しており、
過去何度も「八百長はない」と断言しており、
…やっぱり悪質かな~。ファンは容認できないのでは?
あっ!私も相撲には興味ありませんけど(笑)

2011/02/06 14:15 | by うえまさ

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