この大災害がもたらした大きな果実とは?

中学時代の親友に「ウスイさん」という人がいました。
「さん」づけですが、同級生の男です。
他の級友からも「ウスイさん」と呼ばれていました。
彼には、級友にそう呼ばせる威厳と知性、リーダシップがありました。
今は京都府のどこかで中学校の先生をしているはずです。

以前に書いたとおり、私の生まれ育った場所は
京都市の中でも「京大村」と呼んでいいようなエリア。
現に、出身中学校は京大のキャンパスに挟まれていました。
ですので、生徒たちには京大関係者の子弟がたくさん。

他ならぬウスイさんも、お祖父さんが京大の名誉教授。
いわゆる「大先生」といっていいほどの、その筋の権威。
しかし、ここで話題にしたいのは彼のお母さん。
時々お会いしたのでよく覚えていますが、すげえ美人でした。
しかも聡明。確か、同志社大学のご出身でした。
吉田神社の節分祭で、お蕎麦をご馳走になったこともありました(笑)。

彼女はあの当時ではややめずらしく、職業をもっていました。
「うちのオカンの給料、ドル建てやねん。えらい減ったゆうて、嘆いてたわ」
1970年代のある時期、すごい円高になったせいで
ウスイさんのお母さんはただならぬ収入減に見舞われたのです。

彼女の職場と言うのは「京都アメリカ文化センター」。
たしかナンバー2のポジションにあられたと思います。
もちろん、英語なんてペラペラだったのでしょうね。
時々、テレビ番組にもでていらっしゃいました。

この「アメリカ文化センター」というのは、
アメリカ政府が運営していました。
目的は「アメリカの文化を広める」ことだったと記憶しています。

私が同志社の学生になった時、イエールのPhd.をもった指導教授に
さんざんしごかれて、半べそで「この論文の日本語訳はないですか?」と
彼女を訪ねたことがあります。
「なんだ君、麻田先生のゼミ?それは大変ね。でも、そんな訳文はないのよ。自分で読みなさい!」
そういうワケで、私にとって「アメリカ文化の普及効果」はありませんでした(笑)。

ただその頃、私はつくづくと考えました。
「アメリカというのはすごい国だなー」
京都と言う街は、格は高いけれど人口は140万人程度。
規模の順番からいえば、日本で5番目か6番目でしょう。
そんな街に、アメリカ政府が金を出す広報機関が置かれ、
日本人の職員を雇って大枚の給料を払っていたのです。

今でこそ、日本の外務省も多少の予算を取って
「日本文化センター」なんて通信販売みたいな名前の
広報機関を世界の主要都市で運営しているようです、
でも、せいぜい主要国の首都にあるくらいでしょ。
それに、アタマの硬いことで知られる外務省の役人どもが
上手に運営しているとは思えません。

他国の例では、英国なら「ブリティッシュ・カウンシル」。
ドイツは「ゲーテ・インスティトゥート」。
北京政府は最近、「孔子学院」なるものを世界各地に展開しようとしています。
連中のことですから、そこにはかなりのお金を使っているはず。
でも、いたって評判は悪いようです。

自国の文化や言語を海外に広める目的は、
最終的には相手国民に自国を理解させて
政治的・経済的に有利な立場を確保することだと思います。
そういった戦略について、日本はド下手でしょうね。
外務省の役人にセンスがないことも一因ですが、
根本的には「俺が、俺が、」と自己主張することを
良しとしない国民性が最大の原因です。
だから、あまりお金をかけても効果はなさそうです。

ところが今、「日本人」については外務省の広報予算を1000年分使っても
なしえないようなアピールが、全世界で行われています。
いわずと知れた、地震に関する報道です。
世界各国のあらゆるメディアで取り上げられる日本は、
そのほぼ全てが「日本人は何と素晴らしい!」というもの。

数百年に一度と言う大災害に見舞われながら、
誰一人として取り乱すことなく冷静に振舞っています。
避難所では多くの老若男女が少なきを平等に分かち合い、
寒気と飢餓と不安に静かに耐え、助け合っています。
原発に派遣された自衛隊、警察、消防の各要員は
献身的な勇気を奮って自らの任務を淡々とこなしています。
放射性物質がいつ自分の街に降りかかってくるか分からないのに、
多くの人々はパニックを起こさず、冷静に対処しています。
これだけの大災害、そして放射能不安があるにもかかわらず、
日本のどこにも混乱も騒擾が起こっていません。
政府が節電を呼びかければ、
たちまちにして数十%分、電力消費が減ります。

これって、日本人にとっては当たり前なのですが
世界的に見れば「奇跡的な現象」に映るようです。
日本以外って、野蛮ですよね(笑)。

今、そういった日本人の「すばらしさ」に対し、
世界中から畏敬と賞賛の声が集まっています。
確かに、多くの人々とモノを失いました。
これからしばらく、放射能の不安とも戦わねばなりません。
足りない電力で凌ぐ方法も工夫しなければならないでしょう。

でも、我々は今、多くの犠牲の上に「世界中の尊敬」を獲得しています。
これは、電通が10社くらい束になっても為しえない大事業です。
不謹慎な話ですが、PR会社にこれだけのことを依頼すれば、
それこそ国家予算1年分を全部つぎ込んでも不可能でしょう。
この大災害によって、世界が「日本を見る眼」を変えたのです。
我々は当面、世界中の街で「ウスイさんのお母さん」を雇わなくても、
その地のジャーナリズムメディアがタダで代わりを果たしてくれます。
このことの経済効果は計り知れません。

そのことに真っ先に気づいている人々もいます。
海外の有名投資家は、「日本の先」を見つめ「買い」を始めました。
今後、国内の経済は徐々に正常化されるでしょう。
そして、日本人が大得意の「復興」が始まるのです。

この大災害によって、日本は「世界の尊敬」の他にも
得たものがいくつもあります。

我々はこの経験によって、世界一の
●災害からの救難・復興ノウハウ
●原発事故対応ノウハウ
●災害時物流円滑化ノウハウ
などをモノにするはずです。
これらはきっと、今後起こるであろう災害への対策。
さらには他国での災害に対する援助に役立つはずです。

ついでといってなんですが、みなさんには
●災害に強いマンション選びノウハウ
も、ぜひ身に着けていただきたいと思います。
私も、微力ながらお手伝いさえていただきます。

と言うわけで、身近な第一歩として
以下3タイトルのレポートを最新情報に更新しました。

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2011/3/22 18:20 Comments (1)

1件のコメント

あんまり盲目的な日本礼賛は読んでいて恥ずかしいです。

日本はこういう一面もあるんですよ。

泥棒
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000551-san-soci

募金詐欺http://news.nifty.com/cs/headline/detail/postseven-20110323-15702/1.htm

2011/03/24 22:25 | by Ph.D.

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