津波の高さ想定は2.6m、では「想定外」は何m?

先日、どこかの役所が「東京湾岸エリアの津波は2.6m」
みたいなことを発表していました。
それで、湾岸エリアで売り出し中のタワーマンションの販売現場では、
「このあたりの津波は最大で2.6mと発表されましたので、当物件は大丈夫です」
なんていうおバカなトークをしているとか。
まあ、何というか・・・言うほうも聞くほうもオメデタイですね。
日本人はいつからこういうリアリティのない民族になったのでしょう?

今の社民党は「護憲主義」だそうですが、やっぱり原因の一つはあの憲法。
「平和、平和、平和・・・」と唱えていれば平和が守られる、
と信じなさいよ、というのが今の日本国憲法。
それをずっと唱えているのが昔の社会党、今の社民党。
「社民」なんてざあとらしい名前でなくて「平和祈願念仏党」と改めるべきです。

その昔国会で
「日本には台風が来るな、という法律を作ったら台風が来ないのか?」
と、改憲を迫った議員がいたそうです。
まったくその通り。

今回の「2.6mの津波」も、これによく似た話です。
どこかの役所が「東京湾岸エリアの津波は2.6m」と予測しておけば
津波のほうで遠慮して2.6m以内にしてくれる・・・
なんてバカな話はありませんよね。
だいたい、政府や学者の地震に関する予測や予想が当たったことありますか?
阪神淡路大震災だって、今回の東日本大震災だって、
地震学者や政府の研究機関のどこが予想していましたか?
30mもの津波が来ることは「想定外」でしたね。
なのに、まだ彼らの「2.6m」などというおとぎ話を信じるのですか?
それで10mの津波が豊洲や有明、晴海を襲ったら・・・「想定外」ですか?

今回の原発騒ぎで少しは露見しましたが、
政府や学者の言うことには、それぞれ裏の意図があるものです。
まったくの嘘はいわないでしょうが、
それぞれの勝手な解釈はいっぱい入っています。
都合の悪いことは、なるべく表に出さないようにします。
そういったことも踏まえて「2.6m」を解釈すべきなのです。

残念ながら、我々は「信じる者は騙される」社会に生きています。
大切なことは、政府や学者が教えてくれる内容を信じるより、
自分で調べて、考えて、自分なりの結論を出すべきだと思います。
ところが、大半の日本人はそういったことが苦手です。

何よりも、多くの人はこういった問題について
どこかに「正解」があると無意識に考えているように思えます。
どこかの研究機関か、政府の一部か、学者や研究者が「正解」を知っていて、
それを探し出せばいい、なんて考えているわけです。
小さいときから必ず「正解」のある受験勉強をやりすぎたのではありませんか?
どこかに「正解」があるはずだから、自分よりも賢いはずの
東大を出た役人や研究者ならそれをきっと見つけてくれる、
なんて無意識のうち考えてはいませんか?

当たり前のことですが、世の中の解決すべき問題の99.9999%には
「正解」などというものはありません。
それがあるのは極端な話、受験勉強の世界だけ。
強いて言うなれば「最善の策」とか「説得力のある仮説」というものはあります。
その昔、外交官の陸奥宗光は判断に迷ったときに、
「他策なかりしを信ぜむと欲す」として決断したそうです。
大切な物事を決めるには、やはり自分で考え尽くさなればいけないのです。

卑近な話・・・マンションを買う場合に
販売現場の営業担当者の言葉だけを信じて判断するのは、
完全な「思考停止」だといわざるを得ません。
自分の頭で考えることを放棄し、
営業担当者に何千万、何億円もの資産を預けたのも同じこと。
そして、信じた相手はたいていあなたの将来のことよりも
自分のその月の販売成績しか考えていないのです。

「湾岸エリアの人気が回復していますよ」
営業担当者はきっとそういうでしょう。
でも、実際にはちっとも人気が回復していないことが、
最近徐々に明らかになってきています。
プラウドタワー東雲やザ・パークハウス晴海タワーズを
購入している人々は、湾岸エリア以外から移住するためではなく、
湾岸エリア内で「住み替え」るパターンがかなりの比率だそうです。
つまり、山の手に住んでいる賢明な人々は、わざわざ安全な場所から
「津波が2.6mくるかもしれない」湾岸エリアに移り住もうとは
考えていない、という傾向が見えてきています。

こんなときに販売サイドの思惑に乗せられて湾岸のタワーに移り住み、
何年か後に10mの津波がやってきて、頼みの自家発電装置も
「想定外」に稼動しなくなったらどうなるのでしょう?
電力供給が回復するまで、タワーに住むことはできません。
ご近所の避難所で、それまでタワーから見下ろしていた人々と
肩寄せあいながらしばらくの間一緒に過ごすことになります。
世の中が落ち着いて「こんなマンションこりごりだ」と
売りに出しても「捨て値」でしか処分できなくなるでしょう。

こんなこと、誰も指摘していません。
だからといって、起こらないなんて誰が言えるでしょう。
湾岸エリアの津波の高さが「2.6m」というのは、
それを発表したお役所の願望ではないのでしょうか?
だって10mと想定すればそれ以上の防壁を作らなきゃいけないでしょ。
そんな余計な予算、どこにもないはずです。
少なくとも、一度決めた予算を見直すなんて、
不精な役人が進んでやるはずありません。

でも、それを信じて何千万円ものマンションを買う人がいるから、
やっぱり日本人はかなりのお人よしなのです。


2012/5/6 21:47 Comments (0)

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