「契約」を軽々しく考えないでください!

どうも日本という国は「契約」という文化が希薄です。
今の日本のビジネス上の「契約」は、
明治以降に西欧から輸入された近代法の「契約」概念を
元にしたもので、そもそもが舶来品。
この西欧の「契約」の概念のもとは、キリスト教徒の神様とのお約束。
新約聖書の「約」は契約の「約」なんです。
そして、キリスト教の「契約」の元の概念は
ユダヤ人が彼らの神様と交わした約束=旧約聖書の「約」なのです。
彼らの神様を唯一無二に信ずれば、
最後の審判で神様に救われるのはユダヤ人だけだ、
という我々日本人には一筋縄では理解できない「契約」。
でも、ユダヤ人はそれを信じて生まれた子には割礼をし、
土曜日には働かず、熱心な信者は髭も剃らない・・・・
彼らは神様との「契約」を粛然と守っているのです。
その流れを汲む西洋のビジネス慣行の中で、
契約というのはかなり厳粛なもの。
アングロサクソン系の連中(英米人)が、
契約というと弁護士を使って大騒ぎして、
何百ページもの契約書を作るのは、
それによってがっちりと拘束されるから。
契約書上の一言一句もおろそかにしない、
という精神は見上げたもの・・・ともいえますが、
我々日本人には結構しんどいことです。
「手付金を払って契約したのですが、今から値引き交渉はできませんか?」
この手のご相談は、1週間に3本は来ます(笑)。
まことに、日本人の契約概念はいい加減ですね。
手付金を納めて契約すれば、それは立派な契約です。
契約書にはんこを押せば、その履行に法的な義務を負います。
それを覆すのは法律違反です。
だから、契約を破棄したければ、手付金を放棄しなければいけません。
「そんなの、交渉すればなんとなるんじゃないの?」
どうやら、相談者の半分くらいはそう考えているフシがあります。
実際、そういうところも少しはあります。
私たちは日本人です。
ユダヤ人ではありません。
南船橋のユダヤ資本が売主になっていたマンションも
最近彼らはあきらめて撤退したようです。
土曜日でもモデルルームが見学できるそうです(笑)。
まあ、そんなことはどーでもいいのですが、
売主も日本人、購入者も日本人・・・・
そこは少しナーナーになったりします。
「あのお・・・もう少し値引きしてもらえませんか・・・でなければ解約しようと思うのですが・・・」
なーんて持ちかけると、売主側も
「解約されるよりは・・・」ということになって、
少しは値引きに応じたりします。
ただ、売主はこういう交渉に応じる法的義務は一切ありません。
実際、応じない売主も多々あります。
だから、一度契約してしまったら、
手付金を放棄しない限り解約はできないと思ってください。

前回、契約する前にセカンドオピニオンを聞くべき、
という記事を書きました。
一生の買い物ですから、専門家に10万円程度のお金を払って、
きちんとした「評価」を得ることは、決して無駄にはなりません。
榊にご相談いただくのはタダです。
でも、私がボランティアでお答えするには限界があります。
契約という、それこそ何十年もローンに縛られる法的な約束をする前に、
ぜひ専門家の「不動産評価」を受けてください。
榊にご相談いただいた方には、
私の尊敬するサポート会社のOさんをご紹介しています。
彼の仕事は、私が20年業界で生きてきた経験で申し上げて、
まず間違いがありません。
もっとも、彼は私の倍近いキャリアがあるので、
一方的に評価するのは不遜にあたりますが・・・


2009/3/17 23:54 Comments (4)

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