タワーも湾岸も不要になる、東京の人口減少

1868年、朝敵となった徳川家はわずか70万石に減封されて
駿河へ「追放」同然に追いやられました。
当然、江戸に住む旗本御家人の多くもこれに従って駿河へ。
江戸の街は東京と改められましたが、人口が減ってスカスカに。
100万人の大都会は数十万人にまで衰退。
しかし、そのあとは急回復したばかりか明治の繁栄期へ。
東京の市域は何倍にも広がります。

徳川家追放の約77年後。アメリカとの戦争に敗れて東京の大半は灰燼に。
この時にも東京の人口は一時的に減少しました。
もちろん、そのあとは戦後復興と高度成長で東京は1000万都市へ。
この200年ほどで、東京の人口が減ったのはその2回だけ。
両方とも「敗戦」というきつい事実が原因でした。

そして7年後、東京の人口は三度減少し始めます。
最初は、そんなにビビッドには減りません。
でも維新や敗戦の時とは異なり、それは一時減少にはあらず。
原因が敗戦ではなく社会構造の変化という深刻な現象だから。
これはその後何十年も続くと予想されています。

困ったことに、この予想と言うか予測は現実化します
なぜなら、若い女性が急にたくさん子どもを生み出すような
社会の変化は急激には起こらないからです。
確実に、東京の人口は減るのです。それも、わずか7年先から。

実は、日本を全体としてみるとすでに人口減少は始まっています。
今、地方都市へ行くとビックリしますね。
主要駅近辺の商店街が軒並みシャッター化しています。
すでに、人口減少が顕在化しているひとつの象徴。
これは、東京の近郊でも起こっています。
総武線「小岩」駅から南へ延びる商店街なんか、その一例。

こういうこと、その地域以外の人はまるで他人事だと思っています。
でも、現実にはヒシヒシと間近に迫っている現実なのです。
昨日でしたか、自民党が「空家対策推進法案」みたいなのを決めていました。
空家やマンションの管理不全、スラム化が社会問題化するのも時間の問題。
東京には新しいタワーマンションも湾岸エリアの開発も不要になります。
なのに今都心では、マンションの値上がりが顕在化しています。
なんだか、ヘンですねえ。

「オリンピックまでは不動産価格が上昇する」
という人もいます。前にも言った通りですが、一部現実はその通り。
なぜでしょう? 需要が増えるのでしょうか?
2020年までは多少増えるかもしれませんね。
でも、今も余っていて、さらに作り続けているのが不動産。
潜在的な需給バランスは日々悪化しているはずです。
マンションの価格が上がる原因は建築費の高騰と、ただのムード。
今後、力強い足取りで上昇を続けるとは考えにくいですね。

東京・・・というよりも日本全体が、人口の自然減を経験していません。
「住宅が余る」ということについては、まったく前人未到。
いったいどうなるのでしょう?

先日、親しく酒を酌み交わした弁護士先生がおっしゃっていました。
「今、リゾートで起こっていることが、だんだん都心に向かっているのだよ」
まったくその通りですね。
一時期盛んに供給された多くのリゾートマンションは悲惨な状態。
「管理費さえ払ってくれればいい」と言う現実が、
そのうち東京の郊外まで押し寄せてきます。

こういう極めてシリアスな実情を、多くの人は認めたがりません。
何といっても人間は「見たいと思う現実しか見ない(カエサル)」生き物です。
私がこのブログでいくら騒いでも、あまり世間からは注目されません。
まあ、私はそれでさして不満はありません。

先日、電話を掛けてきた某テレビ報道番組のスタッフ。
「先生が一年前に書かれたブログで恐縮なのですが・・・」
アハハハ、そんなもん、わしも何を書いたか忘れちょる。
連中はいつも自分たちの企画に合うところだけをつまみ食いしようします。
たまにはじっくり取材をしてから企画を立ててみてはどうかな。
まあ、そんなことはどうでもいいけど。

マンション市場、ちょっと落ち着いた観が見えてきました。
このあと、年末になればここは通常通り休戦でしょう。
お盆のようなことにはならないと思います。
あとは来年2-3月の「駆け込み需要」。
これはちょっと期待できないかもしれませんね。
「住宅ローン減税との相殺」という情報周知が
だいぶ浸透した感じがしています。
私も初期の頃に夕刊フジに原稿書いたりしましたし。

都市と言うものは生き物です。歴史がそれを語っています。
東京は今、衰退期の玄関を入って土間にいます。
このままどんどん奥に入ってリビングに上がりこむのか、
どこかで後ずさりするのかは分かりません。
しかし、今は行き足もついて前に進んでいる状態。
押し返してくれる何者も前に見えません。
しかし、私はそのことを今後も唱え続けていくつもりです。

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

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に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。


2013/11/6 0:52 Comments (0)

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