心のアンチエイジングはしない主義

私が子どもの頃、日本人の男の平均寿命は70歳ちょっとでした。
だから、自分が35歳になった時、「ああ、今が分岐点か」と。
ところが、最近のデータによると男も80までは生きそうです。
私の主治医は「80まで生きたら90まで生きますよ」と。
困りますね。あと40年も生きたくはありません。
それは、五体満足で人の世話になっていなければ、
100歳でも200歳でも生きてはいたいと思うでしょうが。

私は父が46歳で作った子どもでした。
物心ついた時に、父は50代。
つまり、ほぼ老人である父親しか知りません。
父が50の時にもうけた妹は、もっと「おじいさん」感が強いはず。
父が妹を連れていると「お孫さんですか」と、言われたそうです。

長らく、子どもとキャッチボールをしてくれるような、
若くて元気な父親に憧れていました。
大人になると、もうその頃の感覚は無くなっています。
父は、私の感覚では何を聞いてもわりあい正確に答えてくれました。
今思い出しても、ほとんど間違ったことはなかったはず。
家の中では、分からないことは父親に聞くことになっていました。
今から思えば、そういう父親もよかったなと。

成人して、自分が親になり、社会の一員として過ごすうちに、
父親という存在の大きさが身に沁みます。
何かと比べてしまいます。不思議ですね。
実物の父親は、私が30歳になる年に逝きました。
その時、私は会社を作って3年目。忙しかったですね。
まあ、そこそこ儲かってはいました。

あの時、私は自分に自信がありました。
「父親を超えた」という驕りもあったでしょう。
しかし今、それは単なる虚妄であったと感じています。
50歳になれば50歳の感覚があります。
50代の自分から30歳の時の自分を見ると、単なる小僧。

今、私が仕事で会う人は30代から60代まで様々。
体育会的感覚が皆無ですから、歳の差は斟酌しません。
30代でもエライ奴は偉いですね。60代でもダメはダメ。
ただ、自分が歳を取るのに比例して会う人の年齢も上がります。
自分が20代の時は、50代の人間を見るとえらく年寄りに見えたもの。
自分が50代になると、20代なんて小僧にしか見えません。
でも、時々ハっとするような人物もいますが。

子どもの頃から、妙に年寄り臭い物言いをするので若年寄とか
ジジ臭い、なんて言われたことも多々ありました。
20代で会社を作った時には、だいたい35歳位に見られました。
「何歳ですか?」と聞かれて「29歳です」と答えたら
「お前は若すぎる」と、半ば本気で怒られたこともあります。
若いことが罪悪なのかと不思議でした。

今、実年齢より若く見られます。
ある人によると「男前は若い時に年取って見られ、歳を取ると若く見られるもの。だから喜びたまえ」みたいな。
まあ、サラリーマンのように選べない上司や部下や顧客のない
人生を四半世紀過ごしたので、ストレスは少なかったと思います。

若い時には、仕事をするのが大嫌いでした。
今でも、あまり好きとは言えません。
可能な限りサボることにしていました。今も(笑)。
だから、経営者として失敗したのでしょう。

今、少しだけ考えが変わりました。不思議ですね。
昔は「50歳までに引退できればベスト」と思っていたのが、
今は「なるべく長く現役を続けられれば」なんて。
というのは、人間というのはいたって社会的動物だと気付いたからです。
社会とかかわって、なにがしかの役割を果たしていることに
人間の存在意義あって、何もしないとただの抜け殻。
死ぬのを待つ老いたサルにしか過ぎません。

であれば、身体が動くうちは何かをやっていた方がいいのです。
それが、世間の役に立つことなら言うことなし。
だから、せいぜい世にのさばろうと思っています。
私という人間は、世間に居場所を見つけることにかけては、
それなりに能力がある人間ですから(笑)。

しかし・・・今の私の相手をしてくれているマンション市場の
未来を考えると、暗澹たるものがあります。
おそらく、新築マンションのマーケットはここ数年で
急速な収縮に入るような気がします。
私としても、業界としても、そうはあって欲しくないのですが、
今の情勢を見ていると、それは避けられませんね。

まあ、私が世にのさばるのはあと十数年。
その間は持っていて欲しいのですが、無理でしょう。
少なくとも、オリンピックの後には顕在化するはず。
ということは、私も自分の軸足を「新築」市場から
他に移さざるを得ません。ちょっと困りますね。

でも、住宅市場自体が消滅することはありません。
何を買うべきか、買うべきではないか、売るべきか・・・
そういう悩みの需要は、この先も途絶えないでしょう。
そこに生きる場所を見つけるしかなさそうです。

自分が50代になってみると、父がどう考えていたのか、
何となく分かるようになった気がしています。
60代になれば、私がティーンエイジャーの頃の
父の気分が少しは分かるようになるのでしょう。
歳をとると失うものも多いのですが、見つけるものもそこそこ。
だから私は精神のアンチエイジングをやるつもりはまったくありません。

さて、レポートの更新情報です。
千代田区ではマンションの値上がりが顕著になっています。
新しい物件も出てきました。でも、今は難しい時期です。
以下は広告ページから引用。

番町エリアに新しく登場したのは「五番町マンション」
販売戸数は全部で9戸しかないという特殊な建替え分譲マンション。
住戸が広いので、価格も億単位。
注目されるのは「ブランズ九段北」。
こんな場所、めったにマンションが出ません。
そして、39戸という規模ですが、
デメリットの少ない「ザ・サンメゾン二番町エルド」が登場。
このマンションの適正価格にも言及しました。
神田エリアでは「ザ・パークハウスアーバンス千代田御茶ノ水」
がちょっと面白いですね。住んでいて楽しくなる場所です。
「プレミスト麹町」も場所が抜群。
その他にも「Brillia(ブリリア)千代田左衛門橋」や
「GREEN PARK千代田司町」が新たに登場しました。

近頃停滞気味の都心の市場が、少し面白くなってきました。
ご興味のある方はぜひご参考に。

千代田区総集編
価格 4,490

■Brillia(ブリリア)千代田左衛門橋,■GREEN PARK 千代田司町,■CONOE(コノエ)秋葉原 万世橋,■ザ・パークハウス アーバンス 千代田御茶ノ水,■GREEN PARK千代田大手町,■ザ・パークハウス 千代田淡路町,■クラッシィハウス神田美土代町,■シティインデックス千代田神保町,■ザ・サンメゾン二番町エルド,■ザ・レジデンス平河町,■ブランズ九段北,■五番町マンション,■プレミスト麹町,以上の13物件を収録

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2014/5/23 15:15 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

青春というのは日本人独自の感覚でしょうね。
英語では単純にyoung daysとしかいわないみたいで。
若くて、元気で、愚かで、悩ましく、時々すごく楽しい日々。
まあ、青春期の最大の価値は「希望がある」ということでしょうか。

私も50を過ぎてから、「現役はあと00年」を意識し始めました。
先に大した希望はないので、いつ終わってもさして残念でもないのですが(笑)。
近藤先生の本を読んでから、ちょっと元気が出ました。
老いや癌と立ち向かう、明るい気分が生まれたというか・・・

またコメントをお待ちしています。
ごきげんよろしからんことを。

榊淳司

2014/05/25 18:27 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

人生とは、との言葉をつぶやいてみて、
いろいろな思念が浮かんで来ますが、
生まれてから往生するまでの時間の長さ、
と言う切り口もありますね。
いわゆる、人生七〇年とかね。

その人生を、自然界の四季になぞらえて思念する習いは、
我が日本人の感性にとって、よく馴染むもののようです。
例えば「青春」とか。
少しばかり気恥ずかしくなる言葉ですが、捨てがたい。
ああ、あのころは春だったなあ、と感慨深い。

私も、六〇半ば。
振り返れば、それなりの「春夏秋冬」でしょうか。
ものみな思い出に変わる。
過ぎ去った思い出は「成仏」させて、
「終わりよければ、すべてよし」
のこれからの、我の思いや。

若き日の心に触れた、アポリネールの一節。

・ 賢人ソロモンの言葉は
・ まことに結構な心のなぐさめ
・ 若者よ、青春時代は享楽せよと。

・ ところが別の日、賢人はこうも言うのだ
・ 若者よ、青春時代は無知と誤謬に過ぎない。

ごきげんよう。

2014/05/24 12:01 | by まろたん

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