泰平の惰眠が生んだ『徴兵制復活』という夢

暑いですね。そして、いよいよお盆期間。
街には人がいなくて嬉しいのですが、暑いのが何とも。
マンション市場もお休みに入っています。
去年は消費税増税前の駆け込みがあったので
お盆も忘れてモデルルームは営業していました。
今年は軒並みお休みに入っています。
だいたい、都心のマンション市場は売りものがないので
無理にモデルルームを開けておく必要はなし。
本ブログも、調子に乗って脱線します。

本日の東京株式市場は352円高。1万5千円台を回復。
まあ、週末のニューヨーク市場が上がりましたから、順当な流れ。
アメリカと言えば、オバマ君がイラク限定空爆を表明。
この人、本当に軍事的なセンスがないですね。
「限定」なんて表明する必要は何もないのです。
空爆された方は「これ以上はないだろう」と安心します。
どうして、自分で選択肢を狭めて相手を安心させる必要があるのでしょう。
まったく喧嘩のやり方が分かっていないですね。

オバマ君はかつて「世界の警察官をやめる」的発言をしました。
それで喜んだのは、世界の「ならず者国家」たち。
つまりは、国際法を破ろうとしている国々。
ロシア、中国、北朝鮮、イラン、シリア・・・・
クリミア半島の併合や南シナ海での衝突事件、
「イスラムの国」によるイラク紛争、シリアの内線・・・・
こういったことは、あの発言以来激しくなっています。

日本国憲法の第9条及び前文というのは、
諸国民が国際法を遵守することを前提に成立しています。
ところが、日本を取り巻く国々の中で国際法よりも
自国の利益や願望を優先している国が4か国もあります。
言わずと知れたロシア、共産中国、北朝鮮、韓国です。
世界で、これほどまで敵性国家に囲まれている国がありましょうや。
なのに、日本には未だにこのバカげた憲法を必死に守ろうとしている
アホな国民、政党、学者、メディアがウジャウジャいます。
これではいつか、国が滅びますね。

今、世界は新たな秩序模索の時代を迎えています。
冷戦後、しばらくはアメリカという巨大なパワーが
世界の平和秩序を維持するために一定の貢献をしてきました。
オバマ君がその放棄を言明したことで、グラつき始めたのです。

さらに、中国が巨大な軍事力を持とうとしています。
その目標は「中国の夢」を実現するため。
「中国夢」って何でしょうね?
言うまでもなく、世界の覇権を握ることです。
かつて、世界の文明をリードしていた頃を再現しようとするのです。

ところで、中華文明が世界に先んじていたのはいつ?
まあ、唐の時代でしょうね。あの時代、支那は世界の先進国でした。
長安の都には、世界中から人が集まっていました。
その後、元の時代にも大都(北京)は世界の中心となります。
ただし、元はモンゴル人が打ち立てた王朝。
その後、清の乾隆帝の時にも中華帝国としては最大版図に広がります。
しかし、これもツングース系満州族の王朝。

現在の中華人民共和国の版図も、ほぼ乾隆帝当時に近いものです。
不足しているのはベトナム、沿海州、台湾、外モンゴルくらいでしょうか。
当時の版図と言っても、朝貢を行っているだけで
実効支配をしていたわけではありません。
しかし、今の支那政府がそこまで版図を広げることが「中国夢」?
それって、かなり危険ですよね。
朝貢関係だけなら、昔の遣唐使や足利義満も行っていました。
もちろん、江戸期の沖縄や李氏朝鮮も清朝に朝貢しています。
となると、最終的な「中国夢」には日本併合も入っている?
まあ、今の支那の横暴を見ているとやりかねませんね。

この前南シナ海でベトナムと支那の船が衝突した時、もしアメリカが
文句を言わなければそのままあの島々を占領していたでしょう。
日米安全保障条約が無ければ、今頃尖閣諸島は竹島と同じ運命。
「次は沖縄を寄越せ」と、真面目に迫ってくるでしょう。
習君の唱える「中国夢」とは、そういうものだと思います。

それにしても、日本人はのんびりしていますね。
ちょっと前の集団的自衛権行使の騒ぎの時に、
「徴兵制復活」なんて騒いでいた人々がいました。
あまりにバカバカしいので私は何も書きませんでしたが、
お盆休みでもあるので、このぬるい話を取りあげましょう。

まず、今時の軍隊は頭数をそろえることに大きな意味はありません。
2003年のイラク戦争を例にとりましょう。
守る側のイラク陸軍は100万人以上の勢力。多分、徴兵制を敷いていました。
これに対して、クエート国境から侵攻したアメリカ軍は主に次の3個師団。
海兵第一師団と第82空挺師団、第一機甲師団です。
といっても一般の方には分からないでしょうが、
アメリカ軍の地上戦闘部隊としては最精鋭です。
よくも惜しげもなく投入したなあ、というのが正直な感想。

それで、兵士の数なら1師団2万人としても6万人ちょっと。
これでもって、総数100万とも150万と言われたイラク陸軍を蹴散らし、
ほとんどたいした損害も受けずに短期間でバグダッドに到達しています。
その他、後方支援を含めてイラク戦争に投入された連合軍の総数は約26万人。
イラクの軍人は陸軍兵士100数十万人を含めて、
全部で200数十万の規模ではなかったかと推定します。
攻め込む側が、守る側の10分の1程度の「頭数」しかいなかったのです。
弓矢や槍で戦った戦国時代の戦いでは、ほぼあり得ない話でしょう。

現代の戦争とはそういうものです。
つまり、相手の国をガチガチに占領しようとでもしない限り、
兵隊の頭数なんてあまり大きな意味を持たないのです。
ましてや「日本を守ってくれる他国の軍隊にも協力しましょうね」的な
集団的自衛権を発動するからと言って、徴兵制が必要になるワケないでしょ。
もう、寝言も寝言。アホらしくてものも言えませんでした。
今、言っていますけど(笑)。

日本人の多くは、未だに自分たちが
「泰平の時代」に生きていると勘違いしています。
今は騒乱の時代です。世界の端々で軍事衝突が起こっています。
たまたま、日本のまわりでは顕著にそれが見られないだけ。
アメリカが目を光らせていることが大きいですね。

でも「世界の警察官をやめる」と言ったオバマ君の任期は、
まだ2年半弱残っています。
中国が今の「7%」程度の成長を続ければ、あと10年くらいで
経済規模ではそれこそ「世界一」。軍事予算も「世界一」。
兵士やミサイル、航空機の数も「世界一」になるでしょう。
もちろん、彼らには国際法を守ろうなどという発想が皆無。
日本に徴兵制を復活させる必要はありませんが、
我々はいい加減「泰平の夢」から目覚めなければなりません。

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2014/8/11 17:52 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

暑いですね。テンションが下がります。
東海道新幹線が50年ですか。
日本人は敗戦後19年であんなものを作ったのですね。
まさしく「お見事」と言いたいです。
私は誇り高い民族に生まれた幸運を感謝しています。
韓国人に生まれていれば、どうなったことやら(笑)。

今日は、経済学で博士号を取ろうという方の取材を受けました。
実は私、経済学の本は1冊もまともに読んでいません。
でも、経済のことを書いてたくさん原稿料を貰っています。
「僕、なんか間違っていませんか?」
「いいえ、全然合っています」
まあ、目の前にして「お前は素人だ」とは言えませんな(笑)。

日本のタミは愚かですな。
でも、会社や国家としてはそれなりの仕事をします。
三島由紀夫は、もっと小さい国に生まれれば英雄になれたでしょう。
この国の大きさと小ささを思いながら、酔っぱらって寝ます。

ごきげんよう。 榊淳司

2014/08/12 23:46 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

異国事情はいざ知らず、また戦前日本も知らず。
戦後日本のお盆は、ある時期から民族大移動の季節です。
過去、いったいどれだけのタミが西へ東へ大移動したことか。

本年、東海道新幹線は開業五〇周年を迎えたという。
この五〇年たるや、この国のタミの大移動とともにありましたね。
この長き歳月、まさにまさに堂々の五〇年であったことを、
今、その真っすぐに延びる鉄路をしみじみ振り返りつつ、
言っておこう。
「見事であった」と。

それはそうとして、さあ、これからです。

榊さまのご指摘の通り、
いつまでも米国頼みでは、日本人は子どものままです。
遅まきながら、今こそ元服し大人にならなければ。

心して、みずからの立ち位置の厳しさを瞠目すべきでしょう。
さすれば、この期に及んで寝言たわごとの類いは無くなります。

憂国の烈士、三島由紀夫の決起を前にした雑誌投稿文の一節。
以前にも書きましたが、今一度ここに再録したい。

> 行動は忍耐である。

敗戦から七〇年。
真っすぐに延びたわが日本民族の「忍耐の道」を振り返りつつ、
深々と刻字したい。

冷えた麦酒を、今宵ひとり飲みながら。
ごきげんよう。

2014/08/11 21:16 | by まろたん

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