新たな成長戦略には期待できない

いやはや、「やっぱり」という感じですね。
安倍君が9月に内閣を改造した時には、
年内の解散総選挙なんてあまり考えていなかったはずです。
たった4カ月の短命内閣ということになりますから。
せっかく大臣にしてあげたのに、実質3カ月では可哀そう。

それが、ここ1週間前に急に決意したのは、
やっぱり今日のGDP発表の数値を事前に知っていたからでしょう。
黒田君の唐突なバズーガも、それを知った上で安倍君に
「それでも消費税は上げるのだよ」という財務省サイドのサイン。
しかし、安倍君はそういうプレッシャーを「解散」という、
まさに「伝家の宝刀」を抜いて斬り返してしまいました。お見事。
それにしても、まさかのマイナス成長とは・・・・

しかし、選挙自体は何とも間抜けな様相になりそうですね。
だって、争点が無くなってしまいました。
与党も野党も表向きは「消費税増税延期」に賛成のようですから。
まあ「アベノミクスの是非」なのでしょうか、なんかボケていますね。

ただこの選挙、戦後の「民主主義ニッポン」にとっては大きな出来事。
なぜなら、総理大臣ともあろう者が官僚のプレッシャーを交わすため、
わざわざ「国民の意思を問う」という「追い込まれ型」ですから。
例えば、2年前の野田君は自民党に「約束を守れよ」と
やいのやいのと責め立てられた挙句の「追い込まれ型」解散。
ところが、今回の安倍君は政敵に追い込まれたわけではありません。
財務省という官僚集団と、その取り巻き(日銀など)に追い込まれたのです。

ある財務省の高級官僚は、私の近しい人にこう嘯いたそうです。
「財務省が協力しない政権は短命に終わる。我々の言うことを聞く政権は長続きする。小泉内閣がそうだっただろ」
まあ、そうなのでしょうね。しかし、悔しい話です。

中学生くらいの頃に、社会科で「日本は三権分立です」と教えられます。
行政と司法と立法が、それぞれに独立している・・・
その行政の長は、選挙で選ばれた国会議員の中から指名される総理大臣。
財務省の官僚は、その総理が選んだ財務大臣の指揮下で
財務行政を司るのが本来の立場。
それを「俺たちが内閣の命脈を握る」くらいのこと嘯かれているのです。
それでもって、実際にその通りになっているワケです。
まさに、本末転倒とはこのことです。

今回、安倍君は総選挙という国家の最も重要な意思決定手段を用いて、
財務省という高ピーなバケモノ集団の意向に逆らいました。
いくら財務相といえども、国民の意思には逆らえません(表向きは)。
しかし、彼らは今後も消費税増税の圧力をかけ続けるでしょう。
そして、2年前のボンクラな野田君のように、
自分たちの言いなりになる政治家(例えば麻生君や二階君)を
首相に挿げ替えようと動くはずです。

さて、目先の経済の話をしましょう。
日本経済は、この半年間(もしかして+1カ月半)ずっとマイナス成長。
であるにもかかわらず、この半年で株価はあがっています。
ただ、急上昇したのは黒田バズーガの後です。

そもそも論を言えば、GDPが下がっているということは、
企業業績も全体的には下がっているはずです。
ところがトヨタをはじめ大企業の好業績ニュースが
ここしばらくのメディアに頻出していました。
「景気が良くなっている」と見せかけるのは、財務省の演出。
それに大手経済メディアその他が追随しているだけ。
その他の大多数の企業は業績を悪化させているはず。

多分、個人の実質所得も下がっているはずです。
多少の賃上げがあったとしても消費増税と物価上昇、
さらには社会保険料の値上がりでぶっ飛んでいます。
つまり、一般庶民は今年になって少し貧乏になったはず。
それでも「不景気感」が世の中に広がっていないのは、
失業率が低いのと大きな倒産がないからだと思います。

大きな倒産は、そのうち起こります。
もしかしたら、不動産系の企業が先鞭をつけるかもしれません。
専業のマンションデベロッパーという業種は、
仕事が回らなくなったら半年持ちません。
来年の春頃には1社2社、倒産が出てくる可能性があります。

それに反して、失業率はさほど上がらないでしょう。
建築現場や飲食業での人手不足は深刻です。
よほど景気が悪くならないと、それは解消できないと思います。
そこは安倍君が言うように「女性の活用」が必要でしょう。

今後、日本経済はやや方向感覚を欠いた状態になりそうです。
とりあえず、消費税の増税は早くても2年半後です。
したがって、消費税増税による消費減退、そして不景気・・
というシナリオは、2年半先まで延びるはずです。

その間、日本経済にとってはいよいよ円安の悪影響が出始めます。
物価高と輸入系企業の業績悪化。人手不足による業績悪化もあります。
例えば、マクドナルドは急速に業績を悪化させています。
和民はすごい勢いで店舗を減らし続けています。
ユニクロはすっかりブラック企業のイメージが広がった結果、
今後は人手不足→業績悪化→店舗閉鎖というシナリオが考えられます。
そしてマンションデベロッパーが倒産するとすれば、
それは建築現場の人手不足が遠因となっています。

一方、日本には支那という地政学リスクが身近に存在します。
ここのところの国際会議での習君のあの態度を見ていると
「相当焦っている」あるいは「かなり追い込まれている」という
印象を持ちました。原因は国内経済と権力闘争。
支那国内の不動産は、はっきりとバブル崩壊の過程に入りました。
どの程度のハードランニンになるかが見所です。

しかし、大陸の支那人はここ2年間に販売された
都心や湾岸のタワーマンションの1割程度を購入しているはず。
その半分でも「捨て値」で売り出されたら、
都心の流通市場にはちょっとした混乱が生じます。
まあ最初の内は業者が拾って、日本人に再販するでしょう。
でも、その内そういった需要を上回ってしまったら・・・・

安倍君は、12月に「第2期第3次」内閣を組んだら、
まず経済対策に取り組むはずです。
黒田君のバズーガ砲は金融界にお金を垂れ流しても、
一般庶民の懐はうるおしません。そこが金融政策の限界。
つまり、直接的に景気を回復させることはできないのです。

「景気回復のゴールは個人所得の回復」
これは、安倍君もよく分かっています。
だから、企業経営者を集めては「賃金を上げろ」とせっつきます。
それは経営者だって、儲かれば社員の給料を上げますよ。
だから総理に「儲かるようにしてください」とお願いします。
そこで出てきたのが、法人税の減税。しかしねえ・・・

財務省は税収が減るような施策は忌み嫌います。
彼らは少しでも税率が上がれば税収が増えると信じ込んでいます。
だから、税率を下げるなんてトンデモないこと。抵抗するでしょう。
実はこの2年間、安倍君と財務省は「成長戦略」を巡って綱引き。
私から見ると、そのことごとくが財務省の勝ち。
意味のある成長戦略なんて、ひとつも実現していません。
財務省はひたすら消費税アップにまい進してきました。
今後もその方針が変わるとは思えませんね。
だから、安倍君の成長戦略には今後も期待できません。

ということは、このままでは日本経済の先行きは暗いのです。
ああ、困った。困った。困った。
明るい話題があるとすれば、来年の外国人観光客。
今年よりも500万人増えたら、1兆円ほどGDP効果がありそうです。
年率にすると、約0.2%。まあ、期待できるのはこの程度。
でも、ないよりかはましでしょ。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
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しかし、都心部と郊外ではマンション市場の様相が
ガラっと異なりますね。売れていません。
値引きも常態化しています。
それは、個人所得が萎んでいるから仕方のないことでしょうが・・・
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2014/11/17 15:35 Comments (2)

2 Comments

引き続き。

しかし、日本中が「消費税増税先延ばし」を受け入れるムード。
財務省だけが地団太踏んでいそうですね。
もし、これを計算づくでやったとしたら安倍ちゃんも大したものですよ。
僕は違うと思いますが。

明日、電撃的に「やっぱり解散やーめた」といったら感心しますけど。
そこまでできる人間なら、平時に憲法改正できるかも。

日本が沈没するのなら、その30年前に支那や韓国が沈むでしょう。
だから「あと30年は大丈夫」と私は思っています。
やらかしているインチキの度合いが、連中は日本よりケタ違いに大きいですから。

まあ、まろたんさんの生きているうちは大丈夫。
痩せてはいきますけどね(笑)。

ではおやすみなさい。ごきげんよう。

榊淳司

2014/11/17 23:56 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

万策、尽きた。
八方、ふさがり。
打つ手、なし。

既に、この国は、ズバリ「投了」なのです。
第一も、第二も、矢はカラ打ちだったのです。
黒田バズーカも、でかい音ばっかし。

第三の成長戦略も、掛け声ばっかりデカくて、
実際のところ、何があるんでしょうか?
仮に何か掘り出して実行したとして、それが、
どれだけ「イフェクティブ」なのでしょうか?
太平洋の真ん中での「立ちションベン」みたいなもの。
でしょう?

近い将来、もうそんなに遠くはない将来、
「逆バズーカ」で、この国はチン没。
「逆バズーカ」は、破壊力メガトン級ですよ。
ま、だましだましで、ショウミ五輪宴会まで、でしょう。

キツいこと言うなよ。
ですが、どう考えても、こんな予測になりますわ。

ほんま、もう「詰んで」まんねん。
既に「投了」なんです。
まともな「プロ」だったらね。
ド・シロウトが「指して」時間稼ぎしてるだけやん。

ニッポン国民、バカばっかり。

安倍晋三。
憲法改正、ドサクサ突破。
また、ケンポーかいな。(笑)

ごきげんよう。

2014/11/17 18:26 | by まろたん

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