目先の景気回復より人口減少が大問題

昨日、兼ねてV撮りしてあった私の映像が、テレビ朝日の
スーパーJチャンネルでオンエアされたようです。
夕方の6時前の時間帯。誰も見ていないだろうと思ったら・・・
8年ぶりぐらいで広告屋時代の大先輩から電話。
「テレビに出ていたなあ。榊淳司という名前使っているのか?」
はい、これはペンネームでございます。

それで、ブログのアクセスが増えるかな、
と昨日は久しぶりにアナリシスを見たらほんのちょっとだけ。
いつもより200か300PV多いくらい。ま、誤差の範囲ですか(笑)。
どうやら、ブログの読者というのは割合固定されているみたいですね。
セミナーを開いても、それぞれのテーマの内容もさりながら
「榊ってどんな奴なんだろう?」的な参加者がおられます。
私にとっては嬉しい限りではあります。

そういう方はだいたい「強面の榊」をイメージされているようです。
実際の私はいたって穏健で気さく、だと自分では思っています。
また、そのようなご感想をよくいただきます。
ですから、どうぞ怖がらずにセミナーや有料相談にいらしてください。

さて、マンション市場は静かになってきました。
都心では価格の高さに凍り付いている感じがします。
業者ですら、イケイケドンドンというよりも
「このバブルがいつ終わるのか」と半信半疑なご様子。
みなさん、ババを引くまいとせっせと転売先を探しています。
ですので、こちらもマンションから離れて今日も脱線。

選挙戦も後半戦に入りましたね。
候補者が何を叫んでいるかというと、一番は景気回復ですか。
自民党のスローガンは「景気回復、この道しかない」。
景気は「穏やかに回復」しているんじゃなかったでしたっけ?
なのに大真面目に「景気回復」なんて言ったら
「不景気だ」と認めているようなもの。
人間、案外そういう矛盾に気づかないものです。

しかし、今の日本の最大の問題は景気回復でしょうか?
確かに、目先は景気回復です。
でも、もっと大きな問題があるように思えます。
私が考えるには、今の日本の最大の問題は「少子高齢化」。
そして「人口減少」。ひいては国家全体の衰退です。

これから6年間、毎年30万人ずつ人口が減るそうです。
6年後には、今より200万人減っているとか。
これは千葉市と船橋市、ついでに江東区を合わせたくらい。
6年後にはあの辺が全部無人になっているほど
日本の人口が減っていくのです。
ちなみに、大東亜戦争の3年8カ月で死んだ日本人もそれくらい。

いつか書きましたが、30万人減れば30万人分の消費が無くなります。
200万人減れば、200万人分のトイレットペーパーは不要。
砂糖や醤油も不要。お酒も水も消費が減ります。
こうやってじわじわと、日本の経済規模が縮小していくのです。

もちろん、1年で30万人分の居住スペースが不要になります。
それでも、この国は毎年100万戸前後の新築住宅を作っています。
まあ、それは置いておきましょう。
そのうち、日本は右を見ても左を見ても年寄りだらけ。
老人国家になってしまうでしょう。
私が後期高齢者になる頃は、きっとそういう具合です。

ちょっと乱暴な言い方をすれば、老人は社会にとってほぼ不要。
今や「年寄りの知恵」なんてものは、あまり役に立ちません。
知りたいことはたいていネットか本で探せます。
何もしていない老人は、ただの消費者です。

江戸時代、武士はほとんど生産活動に従事していませんでした。
ただ農民から年貢を取って、それで暮らしていただけ。
せいぜい治安維持に多少の貢献をしていたくらい。
明治になって、侍は家禄を取り上げられました。
そして武士は実業の世界に乗り出しました。
近代国家としての初期のインフラ整備は、
ほとんど武家出身の企業人が行ったと言えます。
渋沢栄一や五代友厚といった人々です。
それで、社会は一気に活性化したのです。

私は、「老人=無業者」である必要はないと思います。
「何もしなくても豊かに暮らせる」くらい裕福な方が
「もう働くのは嫌だ」というのなら話は別です。
しかし、まだ身体が動いて働きたい、と思う老人を
社会はもっと活用すべきではないでしょうか。

70歳でも75歳でも、身体が動くのであれば働ける
環境を作るのが高齢化社会の有り様だと思います。
そのために、労働基準法とか最低賃金法を変えるべきですね。
1時間500円でマンションのお掃除とゴミ拾いを
してもらったっていいじゃないですか。
それは、40歳の男性なら一人でできることを
75歳の高齢者なら3人がかりかもしれません。
でも1時間500円なら十分に経済合理性はあります。
毎日病院のロビーで暇をつぶすより、はるかに健全。

人間というのは、何かの役割が与えられている方が幸せです。
世間からまったく忘れられるよりも、
「自分が行かねば・・ができない」と思える方がいいはず。
でも、あまり重要なことはやめたほうがいいでしょうね。
マンションの掃除なら一日二日サボっても
どうということはありません。

今、日本は人手不足です。
安倍君は「女性の活用を」なんていっていますね。
でも、非正規雇用の従業者を増やしたって、
国も家庭も豊かになりません。
きっちり保育園を整えて、女性が正社員として安心して
働けるような環境を整えるべきですよ。

保育園は、公立だけだと限界があります。
私立の保育園には行政からたんまり補助金が
出るようにすればいいでしょう。
保育園には、子育て経験のある高齢者を
補助スタッフとして雇用できる制度も整えるべきです。
今のように保母保父資格に縛るべきではないと思います。
そうすれば、女性が働きやすくなって、
高齢者の活躍の場も生まれます。

あと、子どもを増やすには教育に
お金がかからないようにすることです。
ツイッターにも書きましたが、今の公教育はダレきっています。
だから、とりあえずは民間の力を活用すべきです。
小学生や中学生には年に一度任意のテストを実施して、
低所得家庭の成績優秀者には塾代が半額になる
クーポンを発行すればどうでしょう?
そんな費用はたかだか知れていますよ。
40万人くらいにクーポンを発行しても、
予算にしたら1千億円程度で済むはずです。

今の日本の受験教育は、学校ではなく塾です。
この平明な事実を素直に認めましょうよ。
クーポンが使える塾は文科省の外郭団体が認定することにすれば
連中の天下り先がひとつ増えるわけで、乗り気になりませんか?

この選挙、自民の大勝だそうですね。
野党が情けないのは、安倍君への批判しかネタがないからでしょう。
目先の景気回復なら、アベノミクスの実績がある安倍自民が優位。
そんなことより、この日本の衰退を救う策を
具体的に示すべきではないのでしょうか。
昨日の宵は、つらつらとそんなことを考えていました。

2015年1月27日(火) バリ島不動産投資セミナー開催

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590

※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。

お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください

メルマガ

ブログよりも過激な発言をお求めの場合は
私のツイッターをご覧ください。
twitter.com/SAKAKIATS

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。


2014/12/10 19:49 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

私も昔は国債が未達になって円の暴落か、
と予測をしました。
でも、最近考えを変えました。
我々には、天下無敵の日銀が付いているではないですか。
今実際にやっているのは財政ファイナンス。
国債が国内で消化され、経常収支が黒字である限り
半永久的に財政破たんは起こりません。

最近、管理通貨制度がいかにインチキかを理解しました。
アメリカもユーロも日本も、それぞれの都合に合わせて
自国の通貨を増やしているだけです。
金融緩和なんて、ただ通貨を増やして信用を膨らませているだけ。
日米欧中でお互いにインチキ合戦をやっているようなものです。
借りたものは刷って返せばいいのが管理通貨制度。
人類が作り上げた壮大な虚構です。
だから財政は破綻せず、巨大な計算上の負債が膨らむだけです。
財務省の役人はアタマが堅いので、
何とかそこを健全化しようとしますが、
法律を作って「計算方法」を変えれば済む問題。
外国からすれば「いい加減」に見えるかもしれませんが、
各国とも実質的に同じことをやっているのではないでしょうか。
まじめにやり過ぎると、世界中がデフレになっているはずです。

ではまた。ごきげんよう。 榊淳司

2014/12/12 16:10 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> 来る来ると言われ続けて、まだ来ていないものが二つ。
> 首都圏大地震と国家財政破綻。

首都圏大地震は「天災」ですが、国家財政破綻は「人災」。
つまりニンゲンの成すことなので、理論的には回避可能です。
が、もはや回避は期待できそうにありません。
しからば「いつ・どのように」破綻が惹起されるか?
まずは、この一点こそを、押さえておくべきことかと。

財政破綻が言われ続けて来て、まだ無傷なのは何故か?
以下の三つが、主な理由として言われているようです。

1.国債の9割強は、国内の資金で賄われている。

2.徴税余力=弁済余力がある。
主に消費税で、更に15-20%の増税余力あり。

3.経常収支が黒字。
外国から資金調達しなくてもよい。

こんなところでしょうか。主な理由付けは。
ただ、以上のどのアイテムも頼りないですね。
ですから、これらの理由が役に立たないと分かったときは、
ヤバイですよね。「日本売りドミノ」に。

そう考えますと「いつごろ」というのは、絞り込めそうです。
そして「どのように」というのは、数パターン考えられますが。

本日は、ここまで。
ツービー・コンティニュー。

榊さま。
何かありましたら、コメントして下さい。

ごきげんよう。

2014/12/12 15:32 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

毎年人口が減っているのに経済成長を続けようという発想は、
かなりアタマが硬直しています。
そろそろ、これを変えなければいけませんね。
日本の人口は長らく「自然に増える」のが当たり前でした。
貧しくったって子供を作れば「なんとかなる」。
食えなきゃ娘も売っていましたものね。
今は「塾にも行かせられない」なら作らない。
日本人はバカにもなったし弱くもなった。
食うに困らないのに人口が増えないとは、
生き物としての緩慢な自殺です。
まあ、日本が亡びるのは何世代か後なので、
私は自分の穏やかな老後だけを考えることにします。
1回や2回の選挙じゃ目覚めませんよ、このグーミンたちは(笑)。

今宵も強めのお神酒をたしなんで寝ます。
それでは、ごきげんよう。 榊淳司

2014/12/11 22:16 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

師走をひしひしと感じる、冷え込みです。

投票日・14日は、全国的に晴れっぽいようです。
北国では積雪がどうでしょうか?
投票率50%を切ると自民単独で317もありと。
よくて50%カツカツのような感じも。

「大義がない。争点が見えない」
そんなグチも散見されますが、まったく不毛なたわごとで、
投票行動を挫く作用すらあります。

「一年納めの」選挙。
年の瀬、一年の納め、年貢の納めどき。(笑)

日本人にとって「納め」と言うことばには、
「終わり」とは異なる語感があります。
選挙民の心理に、なにか影響を与えるのでしょうか?

大義があろうが無かろうが、争点のあいまいさはともかく、
今回の総選挙の結果で、向こう4年の政治が決まります。
グーミンは「年貢の納めどき」であり「覚悟」が問われています。
なんとなくですが「大きな決断」になるような。
どうでしょうか?

榊さまのご指摘の通り、景気よりも少子高齢化こそが、
メインテーマでしょう。
もはや「経済成長」は望めません!
実質成長率がマイナスにならないよう努力する。
このあたりが「ニッポンの現実」です!

「成長なくしては、社会保障をはじめ豊かにはなれない」
と言う論者もいます。
もはや、成長に頼れません。絵空事です。
成長に頼るのではなく、現状の中で「ヤリクリ」する。
これこそが、現実的な突破口です。

もちろん厳しくなりますよ。各層各人。
が、この程度のことで泣き言をこぼすようでは、
そう遠くない日に、ニッポン国は「ほろび」ます。
安倍晋三は「暴れん坊将軍」となって腕力をふるうべきです。

「バカになったか、日本人」著・橋本治。
バカは仕方ないが「あまい」のは、アウト!
「あまい」ニンゲンは、煮ても焼いてもクエン酸。(笑)

グーミンたちを目覚めさせなければ。
暴れん坊・安倍晋三。
残り時間は、少ない。

ま、こんな年納めになるとは、ねえ。
甘くない、辛口のお神酒をいただいて、今日のシメとしましょう。

ごきげんよう。

2014/12/11 17:37 | by まろたん

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。