資源価格の下落は世界経済にプラスか?

早いもので、1月も最終週となりました。
今月はいろいろやることが多くて大変。
土日もどちらか出勤の日がほとんどでした。
ネが怠け者だけに、ちょこまか働くのは嫌ですねえ。
まあ、貧乏ヒマなしで仕方がありませんが。

今週も、明日はバリ島セミナーの本番。
3月には「マンション廃墟化対策セミナー」を行う予定。
そして、大好評だった忘年会に引き続いて
新年会をやらかそうと企んでいたのに、もう26日。
でも、2月に入ってもやりますからね、必ず(笑)。

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24日の土曜日には、東アジアの某所からテレビが取材にやってきました。
通訳を通して1時間半ほどお話しさせていただきました。
この事務所にテレビカメラがやってきたのは初めてですね。
スタジオに行くよりもリラックスしながら話せるので、ラク。

「日本の不動産は今後どうなりますか?」

聞かれたテーマは主にコレ。
まあ、私がいつもこのブログや夕刊フジに書いているようなことを
順番に答えておきました。けっこうビックリされましたね。
アジアでもヨーロッパでも、不動産価格は値上がりするのが当たり前。
なのに、日本では不動産価格が下がり続けている・・・・
もちろん、今バブっている都心は別ですよ。

「経済成長しない国の不動産は値上がりしません。日本のGDPはここ四半世紀ほとんど延びていないのです。人口はこれから毎年30万人ずつ減っていきます。20年で600万人減。千葉県が無人になるほどの数です。
7年前、中国のGDPは日本の7分の1でした。それが2009年には日本を抜き、今では約2.5倍です。
経済が成長せず、人口が減り、住宅が余っていく国の不動産価格が上がりません。むしろ下がります。だからこれから日本の不動産を買うのなら、都心のみです。分かりやすく言えば、山手線の内側とその周縁だけ」

放送される時には、日本でもネットで見られるんですって。
そうなったら、みなさんにもお知らせしますね。
榊淳司、いよいよ世界に進出、なーんて。日本語しかできないのに(笑)。

さて、今日は世界進出を記念して、話を少し大きくします。
ずばり、「今後の世界経済」について。

世界経済というのは、マクロで見れば成長しています。
ここ四半世紀、日本のGDPは円ベースでほとんど同じ。
しかし、世界経済というのはここ数年4%から5%くらいは成長中。
もし日本で4%の経済成長があれば、それはもうお祭り騒ぎ。
夜の銀座や六本木ではタクシーが拾えなくなりますよ。

つまり、日本以外の国ではかなり景気のいいところがあるのです。
ここのところ、嫌なニュースしか出てこない中国でも
成長率が落ちたとはいえ公式発表で7.3%ですよ。すごい成長です。
日本経済が毎年7.3%も経済成長していれば、
地方の片隅でも不動産が値上がりします。

ずっと日本に住んでいて、世界に触れることがほとんどない
私のような人間にとって、経済成長はまさに他人事。
しかし、日本も世界の一員である限りは、それに混ざっています。
それで、今の世界経済はどうなのかというと・・・・

全体的には好調だと思います。アメリカ経済がよくなっているとか。
何といっても世界一の経済大国ですから、
そこの景気が良くなるというのは世界経済にとってプラス。
その原因のひとつが資源価格の下落ですね。
原油を始めとした資源の市場相場が下がり続けています。

アメリカは車社会ですから、ガソリン代が安くなることは
庶民にとって大歓迎なのです。
アメリカ人はお金を使うことが大好きですから、
浮いたガソリン代でせっせと消費を行います。
あるいは、株式市場に投資をします。分かりやすいですね。
デパートではよく物が売れ、株価が上がります。
まあ、それはアメリカだけの話ですが。

では、なぜ資源価格が下落しているのでしょう?
原因はいくつか考えられますが、一番は供給過剰。
ここ数年、未来の需要増を見越して資源への旺盛な投資が行われました。
日本では商社が続々と資源分野にお金をつぎ込んで、
資源価格の高騰による大儲けをたくらんだのです。
結局は失敗。高く買い過ぎた住友商事は大赤字を喰らっています。

現状、石油を始めとした資源の供給はかなりダブついているようです。
資源だけでなく、半ば金融商品の金の価格までも低迷。
これはいったいどういうことでしょう?
お金を持っている人たちが「資源の価格は上がらない」と考え、
それを前提に行動しているからに他なりません。

さて、本当にそうなるのでしょうか?
私は、そうなると思います。
世界規模で見れば資源開発は過剰設備と過剰在庫がしばらく続きます。
なぜなら、猛烈な勢いで経済成長することで、
「これから資源が足りなくなるぞ」と思わせてきた中国が、
どうやら経済の大減速に陥っている気配が見えてきたからです。

その中国、先日早々と2014年の経済成長率を7.3%と発表。
でも、そんな数字を世界のエコノミストはほとんど信じていません。
比較的信頼できるとされる電力消費量や鉄道貨物輸送量は
ほとんど増えず、卸売物価は値下がりさえしています。
「7.3%」は政治的に作られた数字でしょうね。

中国の場合、これまでの経済成長においても、
その中身は「不動産投資」や「不動産開発」的な内容が
多かったように思えます。中身はかなり杜撰だそうです。
日本のように、経済の主役が個人消費ではないのです。
ところが、中国の不動産価格は全体的に上げ止まり、下がり始めました。
そうなると、一気に投資熱が冷めて不良債権化します。

あの国の経済は、かなりの部分が共産党の統制下にあります。
しかし、自由に動いている部分も多いですね。
不動産価格が上がらなくなり、下落幅がきつくなると
おそらく経済は大混乱に陥るでしょうね。
そこで共産党がどう出るのか、まったく予想できません。
彼らは日本のバブル崩壊とその後の経済政策を、
とても熱心に研究したそうです。どうでますかね?

一方、アメリカは景気が良くなったので、
金融の引き締めに転ずると予測されています。
具体的には金利を上げるはず。
しかし、これがまた世界経済にとってはマイナス効果。
ジャブジャブに供給されたドルが世界に行き渡って、
ここ数年の経済成長を支えてきたフシがあります。
そのお金がアメリカへと還流してしまったら・・・・
新興国の中で経済の足元が弱い国は「金回りが悪い」状態に。
また、アジアの金融危機みたいなことが起こるかも・・・・

ヨーロッパはヨーロッパで、ギリシャなどの経済不良国の
問題が大きくなって、いつヤバイことに発展しないとも限りません。
スイス政府が為替介入を止めただけで対フランのユーロが暴落。
ユーロという通貨の脆弱性を世界に知らしめました。

というワケで、世界経済には不安要素がいっぱい。
でも、目先の資源価格の下落で日本経済も低迷のまま安定。
日銀・黒田君の物価上昇2%は、ほぼ未達がみえてきました。
足元の不動産市場は都心バブルで、業者さんたちは「わが世の春」。
マンションデベも仕方なく高い土地を仕込んでいます。

中国の経済混乱、アメリカの金利上昇、ギリシャのユーロ脱退、
韓国のデフォルト、さらなる資源価格の下落・・・
世界経済は私に読めないことばかり。
でも、日本経済ならある程度読めますよ。
2年後の消費増税後は確実にマイナス成長がやってきます。
今の都心不動産バブルは、いつかは確実に弾けます。
都心も空室だらけなのに、相続税対策や外国人の不動産投資が
いかにリスキーなものなのか、ということに多くの人が気付くと、
ガラガラと音をたてて市場が崩れ出すのです。

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2015/1/26 19:33 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

昨日飲み過ぎて、今日は弱っています。
こうやって、お呼びがかかっている内は華。

今日は朝からイロイロ。
ブログも更新しておきましたので、
まろたんさんのコメントが楽しみです。

私立大学はどこも立派みたいですね。
僕が子どもの頃は、「大学はボロい」が当たり前でしたね。
中学生ころからよく遊んだ京大は、ボロでしたね。
京都市内の他の国立もボロ。
数年前、20年ぶりくらいに母校の同志社へ行ってビックリ。
実に立派になっていました。生き残りに懸命(笑)。
大学はどんどん淘汰されますよ。
日本も国として淘汰される?

ではまた。 ごきげんよう 千原俊彦

2015/01/28 18:47 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「東アジアの某所」から、
日本の不動産事情について取材ありと。
この取材陣は、昨今の日本事情に疎いようですね。
が、日本国も、取材してもらえるうちが「華」でしょう。

数年前、かって外務省の北米課長を歴任した岡本行夫が、
某誌に書いていました。
「このごろ米国人から、めっきりお呼びが掛からなくなった」と。
ややグチっぽくありますが、やっぱり、さびしいものでしょう。(笑)

ここ数年、米国人の中で日本の存在が薄くなっているようですね。
今や内政だけでなく、外交の処し方も難しくなって来ました。
わが日本国の政治家のお歴々は、上手に捌いてゆけるのか。

まだ平和ボケに、浸かっていているように見えますが。
内輪もめしていては、外敵を利することになります。
「あほんじん」と言われないように。(笑)
どうでしょうか?

明日は、代々木・某所で「介護業界事情」の討論会あり。
出席者は、いつものメンツですが「ホンネ」での会話で、
なかなか有意義ですね。
もう「キレイゴト」をのたまっている時期ではない、と。

文藝春秋の今月号に、
経済同友会のトップ=名前は失念、が投稿しています。
経済同友会の総大将という立場からしますと、そうとう、
踏み込んで「言い放って」いますね。
ま、この期に及んで「ゆぶねで屁」「ご来賓あいさつ」
みたいなことを言っても、ね。

先日、巣鴨の大正大学に行きましたが、いやはや、
学舎のリッパなことに感心しました。
ほぼ新築みたいでしたが、お金、もってますね。
少子化ですから、これも、生き残りをかけた「企業努力」、
でしょうか。

でも「高学歴・低学力」などど、おちょくられないよう、
「がんばれ、ゲンさん!」ですね。(笑)

ごきげんよう。

2015/01/27 00:17 | by まろたん

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