ツインタワー石打、戸当たり213万円の負担が・・

杭打ちデータの偽装事件による騒動が収まったかに見えたら、
今度は湯沢のリゾートマンションで修繕積立金の横領事件が発生。
ここのところ、マンションを巡る騒動が続いていますね。
昨日の読売新聞朝刊の記事がスクープだったはずです。

読売新聞は記事データをほぼネットには無料公開しない方針だとか。
だから、ネット民にとっては後追い記事しか読めません。
ただ、そのスクープ記事には私のコメントが出ています。
なんと準備のいいことでしょう・・・なんて。

実は半月くらい前から、この事件についてコメントを求められていました。
「いつ記事にするのですか?」と聞いたら、
「なかなか紙面が空かなくて」というお答えでした。
ここのところ、パリのテロとかありましたからね。

しかしこの事件、わりあい世間には衝撃を与えたようですね。
明日のワイドショーで取り上げるとかで、
TV局からコメント取り電話がかかってきました。
まあ、こういう事件でも起こって、世間がマンションの管理に
関心を持ってもらう分にはいいことです。

何度か取り上げている問題をもう一度。
マンションの管理というのは、一種の「利権」です。
何が利権かというと、もちろん管理費や修繕積立金というお金。
区分所有者から集めたお金は、いったん管理組合の口座に入ります。
そして、大半が管理会社に吸い上げられます。

管理組合に入るお金のうち、管理費はほぼ9割がたスルーで管理会社へ。
修繕積立金は、大きな修繕工事を行わない限り、
徐々に残高が積みあがっていきますね。
中古マンションを選ぶ時のひとつの指標になっているのは、
「1戸当たり100万円」という目安です。

例えば100戸のマンションだったら、
修繕積立金の残高が1億あればまずまず、ということになります。
では、その1億円はどうなってしまうのか?
今回の湯沢の事件では、理事長さんがネコババ。
あのマンション「ツインタワー石打」は549戸です。
1戸平均1.5万円の修繕積立金を集めていたとして、年に1億円。
この理事長さんは16年おやりになったということなので、
集めたお金をほとんど横領したことになります。

現在、このマンションは湯沢の中では「まともな方」。
プールと温泉大浴場が付いています。でも、安い住戸は30万円。
ところが、11.7億円が管理組合の会計から消えました。
1住戸平均213万円の「負債」を抱えたも同然です。
普通に考えれば、たとえ30万円でも「買ってはいけない」はず。
だって、買ったとたんに将来の修繕金負担義務が生じるからです。

この元理事長さんが11億7800万円を返済すれば話は別。
でも、そんなことはまずありえないでしょう。
したがって、この「ツインタワー石打」は、お気の毒ですが
現在の湯沢エリアの中では廃墟になる可能性がある一番手。
そういう風に捉えざるを得ません。

さて、こういったことが起こらないようにするにはどうすればよいのか。
杭打ち偽装と違って、こちらにはいくらでも解決策があります。
まず、単純な話は「通帳と印鑑の別管理」。
これは、最近のほとんどの管理組合で行われていること。
同一人物が保管していると、こういう事件につながりやすいのです。

よくあるパターンは、通帳は管理会社が持っていて、印鑑は理事長。
必要な支出は管理会社が銀行の引出し伝票を作って
理事長にハンコをもらいに来る、というパターン。
でも、理想は別の理事が通帳を管理すべきでしょう。

加えて、管理組合の総会議案書には、必ず通帳のコピーを添付。
現物は1年ごとに監事がチェックすればいいのです。
そういうチェック体制をしっかり機能させていれば、
こういう杜撰な横領事件にはなりえません。

もう少し掘り下げましょう。
同じ人が16年も理事長をやってはいけません。
再三いうように、管理組合は一種の利権なのです。
そこで5年も10年も連続で理事長や理事を、
自ら進んでやっている人間がいるとすれば、
必ずや何かの「甘い汁」を吸っていると考えるべきです。
でなければ、ただの出しゃばりな性格異常者です。

「みなさんの役に立ちたいから」という理由で、
ああいうめんどくさいことを5年以上も続ける人なんて、
まずいない、と考えるのが現実的です。
逆に、そういうお気持ちがあっても5,6年やれば
その間に人を育てて理事長職を譲るべきです。

アメリカの大統領は最長8年です。
「絶対的権力は絶対に腐敗する」
これは19世紀の思想家ジョン・アクトン卿の名言。
みなさんは実感されていないでしょうが、
マンション管理組合の理事長には「絶対的権力」があります。

私はかつて、あるマンションの区分所有者グループの
コンサルに入っていたことがあります。
そのマンションでは、6年も実質的に理事長をやっていたある人物が、
管理組合を完全に私物化していました。もうやりたい放題。

そこで、弁護士の先生とともに区分所有法25条と34条に基づいた
理事長の解任を議案とする管理組合の総会開催にこぎつけました。
しかし、件の理事長はその総会で議長を務めたばかりか、
「議長一任」の委任状を使って解任議案を否決してしまいました。
現在の区分所有法においては、これは違法ではないのです

実は私も、あるマンションの管理組合理事長を、
間に2年ほどブランクはありましたが、
3年を2回で合計6年ほど務めた経験があります。
いずれもなり手がいなくて、管理会社に泣きつかれたのです。
まあ、いい経験をしました。でも2度とまっぴらごめん。

今回の11億横領事件は一過性の騒ぎで終わるかもしれませんが、
マンションの管理組合をめぐる騒動は、これからも頻発するでしょう。
この世に区分所有のマンションがある限り、
トラブルは永遠に起こるのです。これは避けられません。
マンションとはそういう居住形態なのです。

さて、レポートの更新情報です。
杉並区の資産価値レポートを最新情報化しました。
なんと、大規模マンションが2物件も新登場。
しかし、残念なことにいずれも住友不動産。
でも、他にも4物件ほど新規参入。
ちょっとだけ市場に厚みが出てきました。

杉並区総集編
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2015/11/23 18:34 Comments (6)

6 Comments

まろたんさん、こんにちは。

「顔」は確かに・・・・
私、テレビに映る自分の顔を見てつくづく嫌になります。
「こんなヘンなオッサンやったんや」
身体は痩せても顔は太ったまんま。
世間を舐めている生き方が良く出ています。

良くも悪くも「自分を作る」ことをしてこなかった人生。
媚びを売ったり、ゴマを擦ったり、バカのふりをするのはもちろん、
実力以上にエバったり、小さな権力を振り回したり・・・
そういうめんどくさいことを一切しないで、
極力自然のままで生きてきた結果がコレ。
まあ、他人様の不愉快になるような振る舞いは、
自分で気が付く限りは避けてきたつもりですが(笑)。

正直、嫌になります。自分の顔なんて見たくない。
他人の顔は・・・まあ、他人ですから、気にしません。
「コイツ、気持ちワル」というのもいるにはいますが(笑)。

まあ、朝からくだらない話を書いてしまいました。
いただいた雑誌を読んでいます。
まろたんさんの選択眼に感心する日々です。

それではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2015/11/25 09:05 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「四〇過ぎたら、男の顔は履歴書」
とは、大宅壮一の名言ですが。

で、このごろ、私は、
「ニンゲンの顔」がニガテになりました。
どういうことかと言いますと。例えば、
新聞の一面広告に「ひとの顔」が大写しででている。
しかもカラーで。

こういうのが、このごろダメになりましたわ。
雑誌なんかにも同じようなのがでていますが、
その顔の、ヨシワルシではなく、見たくない。
眼を背けたくなります。
で、すぐにページを変えます。

大宅壮一の言う通り、顔は「履歴書」です。
その人の「来し方・人生」が、ぼんやりと、
或いは、くっきりと、出ています。

つまり、
人の顔は「なまなましい」。
人の顔は「どぎつい」(笑)

美しい顔はうつくしいなりに「なまなましい」。
コきたない顔は、もう無残なまでに「どぎつい」。
七五三なみの厚化粧は、あああー!
思わず胸のあたりで「十字を切り」たくなります。(笑)

特にアップ、大判で来られるとタマラン。
いまふうに言えば「顔ハラスメント」。
「顔ハラ」ですわ。(笑)

以上、しょーもないタワごとを。

今日もいちにち、おきばりやす。
ごきげんよう。

2015/11/25 07:36 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

カネは魔物ですね。
でも、世の中の人間の9割以上はカネのために働いています。
もちろん、私もそう。
カネ儲けの巧拙が人生を分けます。
カネが友情や愛情を凌ぐのが現実。
日本人は、もう少しカネに現実的であるべきでしょう。
でも中国人や韓国人みたいになるのも嫌ですね。
カネは穢れたもの、という価値観が日本人の道徳を守っています。
まあ、そこは使い分けではないかと私は思いますが。

カネ儲けは下手な方です。
でも、カネに困ったこともなし。
「天下の周りモノ、では有馬温泉」という人生です。

今日も今日とて金儲けに勤しみましょう。

それではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2015/11/24 12:10 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

この横領は額がデカい。ここまでやるか、やられるかー。

世の中のモメゴトの9割は「カネ」と、或る弁護士談。

周知の通り、
証券会社は顧客からの預り金は「分別管理」義務。
有料老人ホームの入居一時金は「保全」義務。
他も、以下同文でしょう。

それくらい「カネ」は「魔もの」。

最近、多くなっているのは「成年後見人」の横領。
も、やりたいホーダイ、やられたいホーダイ。(笑)
弁護士・司法書士など、
国家政府が身分を認証したメンメンですら、この体たらくですから。
マンション理事長なーんて、ドロボウに預けているようなもの。(笑)

もう一度、確認しましょう。
「カネは魔もの」

所詮「人生、勘違い」(笑)

ごきげんよう。

2015/11/24 09:50 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

帰らざる昭和・・・・
私はどっぷりと昭和人間です。
26歳で昭和は終わりましたが、わが青春は昭和です。
平成はどこか居心地が悪い(笑)。
昭和はずっと貧乏でした。
平成はお金持ちの真似をし乍ら過ごした時期もありました。
ケツの座りが悪いですね(笑)。

女子供の時代には、実感。
このネット社会の何とも浅はかな現実。
SNSの薄っぺらさ。
といいながら、そこに生きています。
ドスンと腰の座った仕事を、死ぬまでに一つはやってみたい。
そう思いながら生きてます。

お神酒の時間に失礼しました。 ごきげんよう 榊淳司

2015/11/23 23:16 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

むかしさー。
青山通りの伊藤忠ビルの前でね。
立ちションしてね。
ジョン・ジョロリンと。

飲んだくれた挙げ句の、夜中だったけど。
ばっかみたいー。(笑)

ニッポンじん、これ、アホンジンという人が、おます。
ま。
きょうび、いやいや、いつの時代も、
上から、ど下まで、そんなもんかいなー。(笑)

が。とりあえずですね。
今日も、おいしいお神酒がいただけるから、ね。
これまた、好日。かなーって。(笑)

それはともかく。
榊さまもご存知の。橘玲なる男。

彼の、近著を読みました。
で、やはり、うなった。
私より10年若い男のようですが。
うなった。

すべてのジャンルに於いて、
「当代イチ」かと。

あっ、別に彼を尊敬は、してまへんでー。
この世に、尊敬するひとは、ひとりもおりまへんさかい。
自分を含めて。(笑)

さて。小澤一郎、曰わく。
「うちの連中、バカばっかり」(笑)
ま、そうだよねー。

で、いま。
帰らざる昭和を、ひとり振り返っております。
ひとり、というところが、バカにはムリ。
で。
これから先。時代は「見えた!」

榊さま。

オナゴ・コドモの時代。
そろそろオシマイ、だすわ。
もう、もたんでしょうー。

「ホンネ」むき出しの時代が来るよー。
まもなく。ねー。
さ。そのとき。あいつは、コイツは?
うちの連中、バカばっかり。と。(笑)

ごきげんよう。

2015/11/23 21:43 | by まろたん

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